午前零時のサンドリヨン
2009/11/20 ( Fri )
午前零時のサンドリヨン (2009/10/10) 相沢 沙呼 商品詳細を見る |
「午前零時のサンドリヨン」(感想)
(著)相沢 沙呼
第19回鮎川哲也賞受賞作。
ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。
不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。
放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は
須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を
抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。
それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな酉乃。
はたして、須川くんの恋の行方は──。
高校を舞台にしながら、筆致から感じられるのは若さ以上にむしろ《老練》。
──北村薫
学校を舞台にした青春ミステリ。
今では最も書きにくい題材の一つのような気もします。
そんな中で
“日常の謎”というものを一つのジャンルにまで高めた
いわば始祖ともいうべき北村薫から《老練》とまで言われるなんて・・・
期待以上というか、本当に巧いです。
構成の妙というのか。
きちんと考えて謎や色々なものが配置されていて
読んでいて純粋に、楽しかったです。
あえて解かれない謎があったりするのも新鮮でした。
まだ、語られていない部分もあるので
次回作に期待したいと思います。
選考委員の選評も読み応えがあり
しっかり議論をされたり、各選考委員の評価なども
どこに力点を置かれているのか
感じられて、面白かったです。
それにしてもヒロインの酉乃初
名前の由来はニュートリノからきてるんでしょうかね?
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