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弥勒戦争

弥勒戦争」(感想
(著)山田 正紀

超常能力ゆえに、自らに滅びの運命を課す独覚一族。
第二次世界大戦後間もなく、その一人である結城弦は
長老から、人類を第三次世界大戦の危機に陥れようとする正体不明の独覚の存在を知らされる。
ところが、一族の掟に従い、悪しき独覚を除こうとする結城たちの前に姿を現したのは、
ブッダ入滅後五十六億七千万年を経て現世に出現し、衆生を救うといわれる弥勒だったのだ…。
“神”をテーマに描く傑作SF。

再読。
正直、何回目の再読かはよくわかりませんが
『神狩り』に続く、いわゆる著者の神について書かれた小説の二作目です。

『神狩り』の主人公・島津が情報工学と言語学の天才でありながらも不遜な人物であり
その若さとエゴの強さがタイトルにもあるように神に向かうことになるのですが

今回の主人公・結城は予め滅びを受け入れつつも、(無意識に?)行動してしまう。
独覚という超能力を有する一族の一人。
彼の若さがしみじみと堪えます。

たとえ、超能力をもっていたとしても、朝鮮戦争間近の日本の流れ。
越えられないもの。体制や多くの人間に対する、個の力の限界等
青年・山田正紀のもっている苦悩や甘さが垣間見えた気がして
当時の(中学生?~高校生の)自分にはとても魅力のあるものでした。

この作品が仏教に親しむきっかけの一つとなりました。

小乗仏教・大乗仏教。
仏陀と調達の関係。
弥勒。

一時期、著者がこの作品の第二部を書くと言って喜んでいたのですが

今回読み返してみて、この作品は、ここで終わっています。

最後の甘さも、物悲しさも含めて、きちんと終わっているので
改めて続きを書く必要はないかな・・・?と思います。


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