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残穢

残穢」(感想
(著)小野 不由美

予想していたものとは違う怖さ。
怪現象が起こる部屋。
その過去を追及する、作者を思い起こさせる小説家<私>

そして、後半に登場する、実在する小説家兼怪談収集家のお二方もから語られる
“語られる”怪談。“語られない”怪談。
あとは怪談のどこを削ると、物語としての命・怪談での恐ろしさが失われるのか等
書き手であるがゆえの感覚や考え方が非常に興味深く、読み応えがありました。
これは個人的な、怪談とか怖い話に対する認識なのですが。
何らかの論理が成立していないと、怪談としては納得がいかないものとなってしまう気がします。

たとえば、原因の究明。
ここが納得がいくと、おお!なるほど、となります。

そして、有名な『四谷怪談』などは、仏教的な因果応報が提示されます。
伊右衛門によって、非業の死を遂げた・岩の復讐。
伊右衛門がどんなに悔い改めようとしても、もともと、非道を働いた訳ですから
彼が苦しむのはある意味、読者・観客としては納得いく、もしくは留飲を下げる効果すらあると思います。

それでは、『リング』の場合はどうか。
この作品では2つの恐怖が存在しています。
勿論、有名な、貞子の登場シーン。怪異としてはばっちりです。(今ではもはやギャグになりつつありますが)
もう一つは『呪いのビデオ』です。
主人公はこの呪いを解く為に奔走するのですが、最後の悪意に満ちた展開は
世界や大きなものと一人の人間として何を選ぶかということに集約していきます。

この作品は作品自体が、「あなたならばどうする?」と問うてくるところも新鮮でした。

そして『座敷女』この作品の怖さ・先見性の凄さというのは
当時1992~1993年当時に、ストーカーという言葉が無い時代に登場させている所がまず凄い。
外見描写も、細々した描写も十分怖いのですが。

そして、もっとも怖いのは、この付きまとって来る女の正体。
過去を友人に確認してもらい、何故この様な執着をするのか。

一旦、論理的に明かされそうになった後の、友人の言葉。
それを聞いた時の主人公の気持ちと自分が同化し、一気に「???」となったのを覚えています。

論理の破綻が怖い。

「え、ってことはこの女、なんで?」その後にぞわぞわと恐怖が襲ってきます。
惜しむらくは、ラストがあまりにも、都市伝説化をおしすすめていったせいで
単なる都市伝説に集約されていった所です。

ラヴクラフト作品群は気持ちの悪いものが数多く登場します。
ただ、後半の色々な作家(特にダーレス)の方が体系化した為、物語の外枠は完成したのですが
それによって プリミティブな、なんとも言えない、今までの怪異とは一線を課くしていたものが
矮小化された印象を受けます。

そして、ラヴクラフトの余りにも不遇な生涯が『アウトサイダー』等の作品で
妙に共感するものがあります。

『残穢』は巧妙です。 優れたホラー作家である著者が、ノンフィクションなのかフィクションなのか
あえてそこの所はあいまいにして物語を進めていきます。

そして、部屋に何かが居るという話を聞き、過去を探し始めますが
その部屋だけでないという事実。

いくつか、原因となりそうな事件・過去にぶつかるのですが
どんどん、どんどん調べていくうちにそれらが増えていきます。
呪い、忌むべきものをどうするのか。

彼女の立てた仮説と、他の小説家二人との語った言葉の重みが
この作品に、他の作品と違った怖さ、凄みを与えていると思います。
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テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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