スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季秋冬編
2014/08/26 ( Tue )
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫) (1987/03/25) スティーヴン・キング 商品詳細を見る |
(著)スティーヴン・キング
もともと、スティーヴン・キングとは自分は相性が合わない作家さんだと思っています。
(ちなみに、自分が、唯一、本を引き破ったことがあるのは『キャリー』でした)
キャリー (1975年) (1975) スティーヴン・キング 商品詳細を見る |
当時、高校生でしたが、あからさまな作為が見え見えで。
ラストのカタストロフの為に
不幸な少女が初めて得た幸福の絶頂から一気に転落・・・。
ふざけるなよ。と当時の自分は
そのままそのページから引き破りました。
“『マッチ売りの少女』の
結末が気に入らなかった。
なんでかわいそうな女の子が、
かわいそうなコトに
なっちまうんだよ!!”
『うしおととら』第1巻より。
本当に、その気持ちでした。
後に、キングの自伝らしき本を読んで、英語教師をしていた時代に、キャリーみたいな女の子が居て(あそこまで酷くはないが)そのいじめをモデルにしたみたいなことが書いてあって「優れた小説家かもしれないけれども
好きにはなれない」と心底思ったものでした。
さて、前置きが長くなりましたが
この作品、映画もさることながら
小説もラストが(くやしいですけども)見事と思いました。
改めて読むと、少年という時間も有限であることを4人は無意識の内に気が付いているようにも思えます。
友情というものは強いものでもありますが
儚いものでもあります。
どんなにその人間関係を維持し続けたいと思っていても
川がどんどんと分かれて行くように。
人はそれぞれの人生を生きていく為に
望む望まざるにかかわらず、変わっていかなければならないのかもしれません。
そう考えると、この作品は少年時代のノスタルジーに浸ることもできれば、少年時代の終わりを描いている作品でも
あります。
・・・Oh stand now
(有名な歌詞の中での“now”は“今”であっても、
現在ではなく、作品で言うところの“一緒に冒険が出来た”川の遠い上流であるようにも感じます)
この歌は素晴らしいです。作品の主旨にも合い
程良い甘みも作品にもたらせます。
ただ、読み返してみて、原作の甘みの無さの方が
最近では良く理解できる気がします。
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