地下室の手記

地下室の手記 (新潮文庫)地下室の手記 (新潮文庫)
(1970/01/01)
ドストエフスキー

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地下室の手記」(感想
(著)ドストエフスキー

極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち
地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して
理性による社会改造の可能性を否定し
人間の本性は非合理的なものであることを主張する。

人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書は
初期の人道主義的作品から後期の大作群への転換点をなし
ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評された・・・そうです。

いやー。久しぶりに読むとキますね。
週末に読んで、“労働力の再生産”とかに全く繋がらない(笑)

ただ、最初の読み始めた時と中盤の勢い
活字を追うことが、耳元で話されているかのように感じる程です。

そして、いつの間にか
この面倒くさい人物と自分との近さに驚きます。

ここら辺は『人間失格』に近いかなぁ・・・
感染性が高いというか、思春期に読まなくて良かったなぁ。と
思うことしきりです。

第二部になってからの
リーザ(『罪と罰』のソーニャの原型と思われる)=他者(訪問者)の存在は
皮肉にも、彼を地下室から出すことになるのだが・・・

その後味の悪さったら・・・
ただ、その救いのなさも含め、なんと言うか、変な魅力というか
吸引力のある作品です。

まぁ、自分は普通の人間なので
彼の言う“安っぽい幸福”を選びますが。

地下室を出た後も“高められた苦悩”に閉じ込められた彼は
著者の後期の作品の中でも姿形を変え、様々な作品へと登場することに
なる気がします。

(感想を書くだけでも一苦労、書いては消し、書いては消しの繰り返しで
結局、自分の文章力のなさを思い知らされるのみです)
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

20 : 30 : 00 | 本感想 | TB(0) | Comment(9) | UP↑

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コメント

僕は思春期に最初に読んだドストエフスキーがこれだったんで、異常な自意識に違和感を覚えて幸か不幸かあまり分からなかった事を覚えてます。読む順番って、大事。

けど、最初古典が続いてるね。
by: Tくん * 2014/02/09 21:51 * URL [ 編集] | UP↑

Tくん こんばんは
調子はどう?
依頼された件は明日ぐらいには確認取れるので、メールします。

> 僕は思春期に最初に読んだドストエフスキーがこれだったんで、異常な自意識に違和感を覚えて幸か不幸かあまり分からなかった事を覚えてます。読む順番って、大事。

いやー。ほんと順番、大事だよね。
今読んでようやく、おぼろげにわかるというか、わかった気がするというか。
記事にはできないので(下書きは何度もしているけど)『罪と罰』読み返した後だと、
この話から後期の作品が派生してきたというのがなんとなく理解できるかな・・・って感じですね。

ようやく、輪郭ぐらいはつかめたような感じというか。

やっぱり、日本人と違うメンタリティというか。
勢いというか。序盤の異常なテンションに圧倒されて
「このオッサン、(主人公の年齢が40歳、著者が42~43歳ぐらいということに改めて驚き)
何言ってんだ?」という感じが
「・・・おお、言わんとしていることがわかる」みたいな
外国語が理解できるみたいな感じですかね。

この年齢で、これか~(笑)みたいな部分や
時代への先見性なんて、もう皆、感じることだと思うけど
改めて、とんでもない“濃さ”にびっくりします。

> けど、最初古典が続いてるね。

みんな「太陽のせい」ですよ(笑)
『ペスト』は色んなことを想起させるので
今、読むのはちょっと無理でした。

コメントありがとう!!
by: きみやす * 2014/02/09 22:22 * URL [ 編集] | UP↑
こんばんは☆
カラマーゾフの兄弟 エピローグまで読了しました☆
つくづく惜しいですね、2つ目の小説を読みたかったです!

このエピローグ直後の物語りや、
・・・13年後、特にイリュ―シャの誓いをした彼らは、ロシアの大地で、どう生きてゆくのか?
・・・深い物語でした。

「罪と罰」のように、人物に思いを寄せる事が出来ず、なかなかに辛い読書になりましたが(女性の登場人物で、好きなヒトがいないから・笑)ドストエフスキーさんの筆力に、まいりました!

このあとは、亀山先生の解説のページがあるので読んで、その後、しばらく他の方の本を読んでから、いずれ(今年中には)「地下室の手記」や「悪霊」を読みたいと思います☆

>地下室を出た後も“高められた苦悩”に閉じ込められた彼は
>著者の後期の作品の中でも姿形を変え、様々な作品へと登場することに
なる気がします。

いつか、このお言葉の意味が分かると良いな~って思います☆


.
by: miri * 2014/02/27 19:06 * URL [ 編集] | UP↑

miriさん こんばんは!!
> カラマーゾフの兄弟 エピローグまで読了しました☆
> つくづく惜しいですね、2つ目の小説を読みたかったです!
お疲れ様でした!!
後半の勢いは本当に凄いですよね。
>
> このエピローグ直後の物語りや、
> ・・・13年後、特にイリュ―シャの誓いをした彼らは、ロシアの大地で、どう生きてゆくのか?
> ・・・深い物語でした。
本当に、ふーっと息を吐いた後に、その後を夢想するのも本当に楽しいですよね。

> 「罪と罰」のように、人物に思いを寄せる事が出来ず、なかなかに辛い読書になりましたが
(女性の登場人物で、好きなヒトがいないから・笑)
ああ・・・なんかわかります(笑)
>ドストエフスキーさんの筆力に、まいりました!

でも、この二つを読んだとなるととてもいい感じで
ドストエフスキーの独特のねちっこさと勢いが混在する何とも言えない文章にも慣れてきたと思うので
少し休憩されて

> このあとは、亀山先生の解説のページがあるので読んで、その後、しばらく他の方の本を読んでから、いずれ(今年中には)「地下室の手記」や「悪霊」を読みたいと思います☆
無理をされずに、のんびりと読まれてみてください。
期待しております!!


by: きみやす * 2014/02/28 17:30 * URL [ 編集] | UP↑
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * 2014/06/20 07:28 * [ 編集] | UP↑
こんにちは☆
>無理をされずに、のんびりと読まれてみてください。
>期待しております!!

「悪霊」を読了しました。
5月中旬から約2ヶ月、第1部はゆっくりで、第2・3部は わりと するすると読めました。
感想というか・・・大変な物語で、ちょっと難しかったです(笑)。
せめてもう少し若い時に読めば!!!と思ったりしています(笑)。

あの~お恥ずかしいのですが・・・ちょっと聞きたいのですが
ピョートルという人物の行方が描かれていませんが、わざとでしょうか?
もしかして聞いてはいけない事なのかな~???

あとニコライの都会での悪さで「地獄に堕ちた勇者ども」で再現されているとかネットに書かれていたのですが、女の子の年齢が全然違うので、あれはヴィスコンティ監督たちの創作に近いようも気がするのですが・・・いかがでしょうか? ・・・もし映画を未見でしたら、ごめんなさい!

これでドストエフスキーさんの長編3作品を読みましたが、私はやっぱり、最初に罪があって、そののちに罰(再生と復活)がある「罪と罰」が好きです。 
今後の人生でも何回も読み返すと思います☆
ソーニャにどうしても惹かれ、自分はロージャになってしまいます。。。

この次は別の人の小説を読み、その次にこの記事のタイトルの本を(亀山先生訳本を買いました)読みたいと思います。
また読了したら、お話聞いて下さると嬉しいです♪
長々失礼いたしました~!


.
by: miri * 2014/07/23 09:09 * URL [ 編集] | UP↑
お返事が遅くなって申し訳ありません!!
miriさんお返事が遅くなって申し訳ありません。

> 「悪霊」を読了しました。
> 5月中旬から約2ヶ月、第1部はゆっくりで、第2・3部は わりと するすると読めました。
> 感想というか・・・大変な物語で、ちょっと難しかったです(笑)。


いや~。お疲れ様でした。


> お恥ずかしいのですが・・・ちょっききたいのですが
> ピョートルという人物の行方が描かれていませんが、わざとでしょうか?

多分、わざとだと思います。
実は、モデルとなった人物もいるのですが
著者からしても本来主人公(になるべき
)存在だったと思うのですが、うまくいかなかった。
あるいは、芥川の『羅生門』の
下人と同じく文学的逃走を果たしたとも言われているみたいです。
本当はコイツもそれなりの報いを受けて欲しいところですが。
(笑)

> もしかして聞いてはいけない事なのかな~???
いえいえ、素晴らしいです。

> あとニコライの都会での悪さで「地獄に堕ちた勇者ども」で再現されているとかネットに書かれていたのですが、女の子の年齢が全然違うので、あれはヴィスコンティ監督たちの創作に近いようも気がするのですが・・・いかがでしょうか? ・・・もし映画を未見でしたら、ごめんなさい

映画は観ていないので。機会があったらみてみます。

>
> これでドストエフスキーさんの長編3作品を読みましたが、私はやっぱり、最初に罪があって、そののちに罰(再生と復活)がある「罪と罰」が好きです。 
> 今後の人生でも何回も読み返すと思います☆
> ソーニャにどうしても惹かれ、自分はロージャになってしまいます。。。

いや~。
頭が下がります。
スマホと相性が悪いので
PCが復旧しましたら改めてお返事させていただきます。
それでは。
by: きみやす * 2014/07/30 12:18 * URL [ 編集] | UP↑
こんばんは☆
やっとこの作品を読みましたので、ご報告まで~。
お忙しそうですので、返信はご無理なさらないで下さいね~。

>第二部になってからの
>リーザ(『罪と罰』のソーニャの原型と思われる)=他者(訪問者)の存在は
>皮肉にも、彼を地下室から出すことになるのだが・・・

・・・時系列では、第二部が先ですよね~?

>その後味の悪さったら・・・
>ただ、その救いのなさも含め、なんと言うか、変な魅力というか
>吸引力のある作品です。

仰るとおりですネ~!

>地下室を出た後も“高められた苦悩”に閉じ込められた彼は
>著者の後期の作品の中でも姿形を変え、様々な作品へと登場することに
>なる気がします。

亀山先生の解説では、きみやすさんの仰る通りで
後期の有名な作品に姿かたちを変えて登場しているそうです。

>(感想を書くだけでも一苦労、書いては消し、書いては消しの繰り返しで
>結局、自分の文章力のなさを思い知らされるのみです)

いえいえ、この記事、凄いです~!
私は正直言ってよく分かりませんでしたが、
変なわけの分からない作品だけども、後味も悪いんですけど、
なんというか・・・印象に残るというか・・・
やっぱドストエフスキーさん、これからも読みたいな~って思わせてくれました。

目がちょっとアレで、もう文庫本は難しいです(笑)。
この作品だけは単行本だったので助かりました。
今後もたまにはこの作者の作品を、出来れば単行本で読みたいです!

このコメントを読んで下さり、有難うございました☆


.
by: miri * 2014/12/23 20:14 * URL [ 編集] | UP↑

miriさん こんばんは。
お返事が遅くなり申し訳ありません。

> やっとこの作品を読みましたので、ご報告まで~。

おお~!!すごいですね。

> 亀山先生の解説では、きみやすさんの仰る通りで
> 後期の有名な作品に姿かたちを変えて登場しているそうです。


> 私は正直言ってよく分かりませんでしたが、
> 変なわけの分からない作品だけども、後味も悪いんですけど、
> なんというか・・・印象に残るというか・・・
> やっぱドストエフスキーさん、これからも読みたいな~って思わせてくれました。

そう、そんな感じです!!
ある意味、作者のある一面を肥大して書かれたような
決して、気持ちのいい人物ではないにしろ
なにか、どこか、ひっかかる、そんな人物のような気がします。
(どこか、大なり小なり、程度の差こそあれ、人間にはそんなものがあるのかもしれませんね)

> 目がちょっとアレで、もう文庫本は難しいです(笑)。
自分も、そろそろ、目にくるようになりました(笑)

> この作品だけは単行本だったので助かりました。
> 今後もたまにはこの作者の作品を、出来れば単行本で読みたいです!
> このコメントを読んで下さり、有難うございました☆

いえいえ、自分自身もmiriさんのこのコメントのお陰で
また読みたくなってきました。
ありがとうございました。

あと、もう一つの頂いたコメントの方は、ある映画を観たので
落ち着いてからお返事を書かせていただきたいと思います。
それでは!!
by: きみやす * 2014/12/27 03:51 * URL [ 編集] | UP↑

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