人間ぎらい

人間ぎらい (新潮文庫)人間ぎらい (新潮文庫)
(1952/03/24)
モリエール

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人間ぎらい」(感想
(著)モリエール

主人公のアルセストは世間知らずの純真な青年貴族であり
虚偽に満ちた社交界に激しい憤りさえいだいているが

皮肉にも彼は社交界の悪風に染まったコケットな未亡人、セリメーヌを恋してしまう――。
誠実であろうとするがゆえに俗世間との調和を失なっていくアルセスト。

『異邦人』を読んだ後に、『ペスト』か『地下室の手記』を読もうか迷ったのですが
この本を手にとりましたが

前半のアルセストの勢いとセリメーヌと出会ってからの変化。
喜劇と悲劇の二面性(二層性とでも言うべきか?)自分と切り離し、客観視できることがらであれば
“笑い”は生まれる。
ただ、自分と切り離せない場合、主観が入りすぎることは“笑えない”

・・・ああ、その間の、自分の過去・未来で行われそうで主観がそこまで入らなければ
よくある“あるあるネタ”として共感の笑いが生まれる場合もありますね・・・

そして、セリメールがああいう人格の登場人物でなければ
この作品は、ちょっとした変わった恋愛小説(戯曲)で終わっていたでしょう。。
まさしく、セリメールはアルセストの対極いるような人物であることが明らかになり
それによって、一転して、(そういった相手に恋する皮肉も含め)
恋愛ものでありながら、価値観の違う男女の姿。
そして、社交界という人間関係の中でも虚飾や欲望に溢れた場所であること。

ひいては、アルセストのような〝純度”の高さは
疎外を受けざるを得ないのか。

はたして、誠実さと(お世辞や嘘も含めた)社交性

どちらに軍配があがるのか?

ラストも見事な作品です。
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