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飢餓海峡

飢餓海峡 [DVD]飢餓海峡 [DVD]
(2002/07/21)
三國連太郎、高倉健 他

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飢餓海峡」(感想
原作水上 勉
監督内田 吐夢
出演三國 連太郎 伴 淳三郎 左 幸子
高倉 健 加藤 嘉


今回のプログ・DE・ロードショーはこの作品でした。
1946年、昭和21年、青函連絡船・層雲丸が台風により沈没し
多数の乗客の遺体が収容される、しかし、身元不明の遺体が二人残った。
乗客名簿にも載っていない二人。

同日、起こった北海道内での質屋殺害事件、そして、それに伴う出火により
岩幌町は大きな被害を被る・・・。

刑事の弓坂(伴淳三郎)は、転覆のどさくさで起きた殺人事件と考え捜査を続けていく。

そして、青森県で一人の髭面の大男(三國連太郎)が軌道車に乗り込んでくる。
そこで杉戸八重(左幸子)という娼妓と知り合うのだが・・・。

まずは、東映W106方式って何?って思うのですが
調べてみると
東映ビデオ 電脳部というfacebookアカウントで
詳しく説明がありました。
https://ja-jp.facebook.com/toeivden/posts/561112193917334

いやいや。・・・凄い映画でした。色んな意味で、本当に。
観る前は尻込みしてしまうのですが
183分。観ているうちはあっという間でした。

ただ、この自分の中に残った感覚は何なんだろうか。

今朝から見始めて、午前中を費やし
それからあと、ようやく原作を読み終えて
まだ、消化しきれてないので、思いつくままあげていきます。

巫子(イタコ)が口にする
戻る道ないぞ・・・帰る道ないぞ・・・。
という言葉がひどく印象的でした。

改めて、人間がおこした罪と
その贖罪は可能なのか?ということを考えさせられます。

三國連太郎演じる男・犬飼。
左幸子演じる・杉戸八重。
二人の出会いから、別れ。

金を渡すまでの二人の演技。
世慣れていない、何かを怖れているかのような男と
主導権を握っているかのような女。

ここでの布団の使い方も上手いというのか。
最初、恐怖心を煽るような、それでいて混然一体になる
交わりの暗喩。

何か、別のものを観ている様な錯覚に陥ります。
(タイトルの“飢餓”何度もこの字を見ていると同じように感じます)

あとは「嘘いわないでよ。みんな嘘いうんだから」という八重の台詞が
後々になって、犬飼自身も、事件そのものにもかかっている。

五十円です」の声のトーンの変わり具合とか・・・
ねぇ、あんた、こんどいつ来てくれるん?
答えない男。
(この辺が、不器用というか、誠実というか、嘘をいわないという“縛り”を破れない。
その場限りであるからこその関係性なのかもしれません・・・)

その代わりに無造作に新聞紙に包んだ、大金を渡す。

そして、大金を貰い、追いかけようとする八重が
金を一回、布団に隠すリアルさ。
その時には、既に男は襖を閉め、去っていくのですが

二人の関係が“大金”というもので
完全に変わるのも含めて
しみじみ、伝わってきます。

・・・貧乏。貧しさ。

さっきも書きましたが“飢餓”
やはり“腹が減った”や“お腹がすいた”
本やCDなんかを買いすぎて食費がなかったりするぐらいしか
経験していない自分には、語る資格など無いのかもしれません。


「これは極貧の味を知らない者には分からないのであります」
弓坂刑事の言葉や

物語に厚みを持たせるのは
弓坂刑事の子供たちの食事シーンや
(職業柄、闇市の物を購入できないということだと思いますが)

退職後の弓坂(元)刑事を東京に同行シーンで
長男がその事件のせいで、不遇であったことを怒りを見せながらも
そのあと、次男に1000円を持たせて、父親に渡せと促す所は・・・・

そうかと思うと犬飼(樽見京一郎)は、刑余者の更生事業資金に3000万円を寄贈する
篤志家となっている。
原作の方では、堀株(開拓村)農園の再興にも強い意志を持っている。

八重も最初に犬飼から貰った金に
爪に火を点すように、切り詰めた生活を送り
金を重ねていった。

金というものの不可思議さ、吸引力。怖さを感じます。

・・・爪といえば、後生大事に、犬飼の切った爪をお守りと共に持っているのも
(原作では“安全剃刀”)
かなり、人として“壊れている”描写があるのも、特徴的。
その単なる純粋さとも違う。
(最初の出会いのシーンで、握り飯を包んでいた紙を軌道車から無造作に捨てるのも)
犬飼に再度会おうとするのも、“帰る道がない”運命を自ら選んでいる
ようにも思えます。

池波正太郎の著作で再三、語られる“人はいいこともすれば悪いこともする”
多面性の表現なのかわかりませんが。

原作の犬飼(樽見京一郎)は八重の行李の底にのこしていた
古新聞と剃刀を知り、その気持ちを汲んで、自供するのですが。

映画での犬飼(樽見京一郎)は高倉健演じる・味村刑事の追求だけでは口を割らず
最初の事件の真相も、“藪の中”になってしまったり
誰が、犬飼の心に楔を射ち込むのか
色々と考えさせられます。

あのラストも原作を読むと
意志を持って行ったことが明らかになります。

(映画では、ある意味、最初に海峡を渡ることが
一人の人間の独善的ともいえる(傲慢な)再生を描き
最後に渡ることがそれを捨てることとして、対になっているのかもしれません)

あとは、昨日から考えていた
人が故郷から去るということ。
そこにやはり、何らかの温かい感情が残っていれば
そこを離れても、人は幸せなのかもしれません・・・

加藤 嘉演ずる、八重の父の言葉。
どうしてもこの方がでると『砂の器』を思い出してしまいますが。

犬飼の母に対する行動、故郷に対する行動。
どちらも考えさせられるものでした。

いい作品でした。ありがとうございました。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

23 : 59 : 30 | 映画・アニメ・DVD・TV感想 | TB(0) | Comment(15) | UP↑

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コメント

レビューから、すざましい作品であることが伝わってきました。水上勉を読むには最高の土地にいるにも関わらず、『白蛇抄』と『土を喰らう日々」ぐらいしか読んだことがなかったので、図書館から借りてきます。

そういえば、この話も『虚無への供物』と同じ、洞爺丸事故に題材をとったミステリ。やっぱり読むしかない。
by: Tくん * 2014/01/14 00:22 * URL [ 編集] | UP↑

Tくん こんばんは

> レビューから、すざましい作品であることが伝わってきました。
ほんとに、凄かったです。
まだ、未消化です。
映画としての話の膨らませ方と原作の違い。
ある部分では映画が優れていて、ある部分では“神の視点”から書かれている原作の方が
明確に感情が描かれていて、得心がいったり
映画を観てから、小説を読むといいかもしれません。

>水上勉を読むには最高の土地にいるにも関わらず、『白蛇抄』と『土を喰らう日々」ぐらいしか読んだことがなかったので、図書館から借りてきます。

自分は、『雁の寺』で早々に挫折した口なので『白蛇抄』も『土を喰らう日々』も未読です。
これを機会に読んでみようかな・・・

> そういえば、この話も『虚無への供物』と同じ、洞爺丸事故に題材をとったミステリ。やっぱり読むしかない。
やっぱり、『虚無への供物』は脳裏を過ぎりますよね。
書こうかどうか迷ったけど・・・コメントありがとうございます。
by: きみやす * 2014/01/14 01:21 * URL [ 編集] | UP↑

>(原作では“安全剃刀”)
爪以外には考えられない・・・と思っていたのですが、
安全剃刀もまた、壮絶ですね。
(でも、やっぱりあの垢にまみれた爪を愛する姿の方が映像的には衝撃的な気がします。)

>あのラストも原作を読むと
>意志を持って行ったことが明らかになります。
映画を観た後に原作を読むと
映画で描ききれなかった部分を補完できたり
映画と違う部分を楽しめたりできますよね。
原作の紹介もしてくださってありがとうございます。

なかなかスッキリと消化できない作品ですよね。
こういうモヤモヤした過程が実は大事なのかもしれませんね。
by: マミイ * 2014/01/14 07:13 * URL [ 編集] | UP↑
昨夜はコメントを有難うございました☆
力の入った、こころのこもった記事ですね~。
私も力を入れて、気持ちをこめて読ませて頂きました☆

>改めて、人間がおこした罪と
>その贖罪は可能なのか?ということを考えさせられます。

自分のことで恐縮ですが「罪と罰」少しずつ読んでいます。
今は第6部に入ったところです。

この映画の主題と通じるところがあって
スタイル・背景等は全然違うけど、
今回の作品がこの映画で、何か思うところがありました☆

>ここでの布団の使い方も上手いというのか。

これは本当に演出が素晴らしいですよね・・・

>「五十円です」の声のトーンの変わり具合とか・・・

その声!
仰るとおりです!
まぁ他の女優さんでも出来るんでしょうけど
やっぱ左幸子さんでなければ!って思えます☆

>金というものの不可思議さ、吸引力。怖さを感じます。

こちらの記事でまとめられてやっと気付いた次第で(笑)。
お金、もちろん今だってそれに関する犯罪等は多いけれども
何というか、切迫感が違うというか・・・。

>(映画では、ある意味、最初に海峡を渡ることが
>一人の人間の独善的ともいえる(傲慢な)再生を描き
>最後に渡ることがそれを捨てることとして、対になっているのかもしれません)

海峡・・・きっとその通り「対」になっているのでしょうね・・・

ショーケンのドラマでは犬飼の成りあがり方が
詳細に描かれて、最後は逃亡、という感じでした(多分)。

原作があり、それぞれの映像化の時に、
監督やスタッフ、もしかしたらキャストの想いが加わり、
削るところを決め、そうして出来上がるのでしょうから、
それぞれが素晴らしいと思います☆

私もいつかずっと先で良いから、水上勉の作品を
この作品も含めて、再読したいと思います。

お疲れと存じます、コメントの返信はゆっくりとお待ちしています☆


.
by: miri * 2014/01/14 10:59 * URL [ 編集] | UP↑

>戻る道ないぞ・・・帰る道ないぞ・・・。
という言葉がひどく印象的でした。

そう言ってたんですか!
ぜんぜん聞き取れなくて、イタコ語なのかと思ってました(笑)
本当に印象的な言葉ですね…観ている間にわかっていれば、もっと犬飼の心情もわかったのになぁ。

>(原作では“安全剃刀”)

あ~、そっちなら普通です。
でも普通過ぎて八重さんっぽくない…(笑)
やっぱり彼女はヤンデレヒロインですね。

>最初に海峡を渡ることが一人の人間の独善的ともいえる(傲慢な)再生を描き
>最後に渡ることがそれを捨てることとして、対になっているのかもしれません

確かにその通りですね。
本当にみなさんの感想を読むたびに新たな発見があります!
今回もご参加ありがとうございました♪
by: 宵乃 * 2014/01/14 11:07 * URL [ 編集] | UP↑

マミイさん こんばんは!!

> >(原作では“安全剃刀”)
> 爪以外には考えられない・・・と思っていたのですが、
> 安全剃刀もまた、壮絶ですね。

それがですね。・・・原作の方では、髭を剃った犬飼の想い出の品として登場していて
映画のようなある種のフェティズムの溢れる描写はないんですね。
(見落としがあるかもしれませんが)

・・・なので、映画の信仰とも愛情ともつかない、恍惚とした表情などは映画オリジナルのものだと思います。
監督の内田吐夢・脚本家の鈴木尚之どちらかが“八重”という登場人物を
ありがちな、単なる薄幸のしかし、気の良い娼妓にしたくなかった。

> (でも、やっぱりあの垢にまみれた爪を愛する姿の方が映像的には衝撃的な気がします。)

どこか、何か、おかしいヒロインとして、犬飼の前に登場しなければ
犬飼の恐怖心は最大限に引き出せない。
だいたい(原作では、会話の途中で八重自身、気がつくのですが、娼妓が訪ねて来て
歓待する、亭主がいるだろうか?)
至極当然のことに、思い当たらない。

逆を返せば、そんなものも判らないほど、犬飼に会いたかったのか・・・。
ただ、その“勢い”が逆に、犬飼にとってはもっとも、恐ろしいものだったのという皮肉。

ついでにいうと、樽見家の書生(付き人)小川も殺してしまう。
ほぼ、何の関係もないのに・・・

そして、嘘をつき始める樽見。
あの恐山を見て、恐怖に慄き、八重の前でもびくびくしていた
嘘をつかない犬飼ではなく。

もはや、今までの嘘の半生を完遂させるために
容赦なく、小川を罵倒し、味村刑事を手玉にとるような言動をしていきます。

そこで、彼の証言を覆すものは誰なのか。
犬飼や八重と同じく、極貧に苦しめられた弓坂(元)刑事だった。

(ここからは単なる妄想ですが)

同じ貧困(飢餓)肉体的にも精神的にも苦しめられた三者三様の人生。
八重が、犬飼によって生きる希望を与えられたように
犬飼も弔いの為に、罪の償うために(死を求めて)海に飛び込み。
犬飼を追う捜査の失敗の為に閑職に追いやられた弓坂。

彼が般若心経を唱える事ができる理由は八重だけでなく
犬飼の為でもあり
そしてラストシーンを観ていて、思わず、海の方に意識が行きますが
うっすらと山が見えるのは、恐山?
彼らの霊を鎮める為に弓坂は、般若心経を唱える事ができる役割を負わされたのでは
ないのでしょうか?

かなり脱線しましたが、

> なかなかスッキリと消化できない作品ですよね。
> こういうモヤモヤした過程が実は大事なのかもしれませんね。

本当に。
再見するにはかなり、時間と体力が必要な気がしますので
あーでもない、こーでもないと考えておこうと思います。

コメントありがとうございました!!
by: きみやす * 2014/01/14 18:59 * URL [ 編集] | UP↑

miriさん こんばんは
> 力の入った、こころのこもった記事ですね~。
> 私も力を入れて、気持ちをこめて読ませて頂きました☆


> >改めて、人間がおこした罪と
> >その贖罪は可能なのか?ということを考えさせられます。

> 自分のことで恐縮ですが「罪と罰」少しずつ読んでいます。
> 今は第6部に入ったところです。
おお!!いい所ですね!!

> この映画の主題と通じるところがあって
> スタイル・背景等は全然違うけど、
> 今回の作品がこの映画で、何か思うところがありました☆

実は、この『飢餓海峡』の質屋殺害はどうしても『罪と罰』が着想にあったのではという気がしていきます。
ただ、最初はラスコーリニコフと犬飼はあまり、印象が重なり合いません。
八重とソーニャは印象が少し、重なるかなという感じです。

ただ、樽見京一郎は“一つの微細な罪悪は百の善行に償われる”かなりそれに近いことをやってますね。
ラスコーリニコフは“選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ
逆に犬飼は最初の海峡を渡る時の経験で社会道徳を踏み外すことにより
新しい自分=樽見京一郎=選ばれた非凡人として生きていくことを選択したと考えるのは
穿った見方でしょうか。



>ここでの布団の使い方も上手いというのか。
> これは本当に演出が素晴らしいですよね・・・
ですよね~。
犬飼に近づいていく、布団を被った八重の姿とか“飢餓”の文字が
初めてみる奇妙なものに思えて久しぶりに“ゲシュタルト崩壊”という言葉を思い出しました。

> >「五十円です」の声のトーンの変わり具合とか・・・

> その声!
> 仰るとおりです!
> まぁ他の女優さんでも出来るんでしょうけど
> やっぱ左幸子さんでなければ!って思えます☆

> >金というものの不可思議さ、吸引力。怖さを感じます。

> こちらの記事でまとめられてやっと気付いた次第で(笑)。
> お金、もちろん今だってそれに関する犯罪等は多いけれども
> 何というか、切迫感が違うというか・・・。

miriさんがコメントでお書きになられていた通り。
極貧の味を知る人間たちの“情念”
だからこそ、自分を救ってくれた犬飼に八重は信仰とも、愛ともつかぬ感情を持ち
それを支えに生きてきたのだと思います。

> 海峡・・・きっとその通り「対」になっているのでしょうね・・・
OPの“飢餓海峡。それは日本の何処にでもみられる海峡である。
その底流にわれわれは、貧しい善意に満ちた人間の、ドロドロした愛と憎しみをみることができる。

のモノローグで語られているとおり
今の日本でも、希薄になったとはいえ、そういったものが流れているのかもしれませんね。

> ショーケンのドラマでは犬飼の成りあがり方が
> 詳細に描かれて、最後は逃亡、という感じでした(多分)。

そうなんですね・・・。

> 原作があり、それぞれの映像化の時に、
> 監督やスタッフ、もしかしたらキャストの想いが加わり、
> 削るところを決め、そうして出来上がるのでしょうから、
> それぞれが素晴らしいと思います☆

本当に、どの監督が作品のどこを膨らませるのか
今回は非常にそれを楽しませてもらいました。

> 私もいつかずっと先で良いから、水上勉の作品を
> この作品も含めて、再読したいと思います。

自分は『雁の寺』で早々に挫折したので(笑)
機会があったら、またチャレンジしたいと思っています。

『飢餓海峡(改訂決定版)』のあとがきで著者は
推理小説からの興味を失いつつあったことを語っています。
ジャンルに束縛されない、人間小説を書きたい。と。
胸にぐっときました。

> お疲れと存じます、コメントの返信はゆっくりとお待ちしています☆

いえいえ。昨日、興奮のままコメントを書いてしまい。
miriさんにご心配までかけてしまって申し訳ありませんでした。
なんとか、今日の仕事は乗り切れました。
ありがとうございました!!
by: きみやす * 2014/01/14 20:02 * URL [ 編集] | UP↑

宵乃さん こんばんは!!
> 戻る道ないぞ・・・帰る道ないぞ・・・。
> という言葉がひどく印象的でした。

> そう言ってたんですか!
> ぜんぜん聞き取れなくて、イタコ語なのかと思ってました(笑)

本当に、最初、何を言っているのかわからずに「・・・?」となってました。
八重が、犬飼を怖がらせる為に言っているのを聞いて
ああ、さっきの巫子(イタコ)の言葉かと何度か聞いて 
“地獄の 辻”とかいう言葉もありましたが、きちんと聞き取れませんでした。
どうやらこれも映画オリジナルのようです。

> 本当に印象的な言葉ですね…観ている間にわかっていれば、もっと犬飼の心情もわかったのになぁ。

> >(原作では“安全剃刀”)

> あ~、そっちなら普通です。
> でも普通過ぎて八重さんっぽくない…(笑)
まあ、あの演技を観た後だと、物足りなさは感じる気がします。

> >最初に海峡を渡ることが一人の人間の独善的ともいえる(傲慢な)再生を描き
> >最後に渡ることがそれを捨てることとして、対になっているのかもしれません

> 確かにその通りですね。
> 本当にみなさんの感想を読むたびに新たな発見があります!
> 今回もご参加ありがとうございました♪

いえいえ。本当に、自分も楽しませていただきました。ありがとうございました!!
リクエストしていただいたポールさんにも感謝の気持ちです。
by: きみやす * 2014/01/14 20:15 * URL [ 編集] | UP↑
素晴らしい!
鋭い分析と深い考察のレビューに拍手e-271
by: しずく * 2014/01/15 16:52 * URL [ 編集] | UP↑

しずくさん こんばんは!!
> 鋭い分析と深い考察のレビューに拍手

過分なお言葉、畏れ多いです・・・。

本当に、体力を使うというか。
どん、と胸に去来するものがありますね・・・。

清貧とかそういう言葉を吹き飛ばすかのような作品でしたね。
自分自身、お金は勿論、欲しいですけども。

ここまで、渇望したことはあるか?と・・・考えると。
正直、自分の人生の薄っぺらさに
我ながら笑ってしまいます。

今、日中韓朝の緊張が高まるなか
戦争を行うことがどういう結果を招くことになるのか。
戦後をそれぞれの形で生き抜く人々の姿を見て
改めて、今の時期に観ることができて良かったなと思いました。
by: きみやす * 2014/01/16 20:30 * URL [ 編集] | UP↑
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * 2014/01/17 13:19 * [ 編集] | UP↑
きみやすさん、こんばんは☆
先ほどは有難うございました☆

>実は、この『飢餓海峡』の質屋殺害はどうしても『罪と罰』が着想にあったのではという気がしていきます。

この映画では質屋さんの件がハッキリと描かれていないので何とも・・・。
ショーケンのドラマが24日(金)にオンエアするので、
録画して見て、ラストも含めて確認したいと思います☆
ずっと後になりますが、原作も読みたいと思っています。

>ただ、最初はラスコーリニコフと犬飼はあまり、印象が重なり合いません。

ロージャは「殺人の哲学」を持っていて
たるみは、犬飼という偽名をどうして使っていたのか分かりませんが
この映画では私の感覚では10年前の件は「シロ」なので、
そして八重と秘書の二人を殺したのは、突発事項だったので、
ロージャとは違うかな・・・と思います。

>八重とソーニャは印象が少し、重なるかなという感じです。

私の感覚では、ソーニャは「同伴者」イメージで
ロージャでなくとも そうしたと思えます。
実際、あらゆる人から踏みつけにされていましたものね・・・特に父親。
(それを恨まないのが特徴)

でも八重は、娼婦になった理由はともかく、
犬飼に対する思慕は、
「自分の為にお金をくれた」=「結局は自分自身への愛情」だと思うので
ソーニャとは全く異なると思います☆

>ただ、樽見京一郎は“一つの微細な罪悪は百の善行に償われる”かなりそれに近いことをやってますね。

この映画の穴の1つが、犬飼の成りあがり方を一切描写していない点にあり、
彼は働き者ですし、酒も煙草もせず、多分女性にも狂わず(多少遊んでも)
お金は溜まるばっかりで、それをどう使うか?という時に
子供もいませんしね~妻と旅行するって言うタイプでもなさそうですし(笑)

描かれていないので何とも言えないのですが、
憶測で思うに、周りの人からおだてられ、誉められ、持ちあげられ、
高倉健の刑事と知り合いだった点から見ても
何か不始末をやらかした自社の社員もしくは町内の人間に対して
色々と親切にしてやったりして、ますます誉められ、

犯罪撲滅系にお金を使う流れになったように思います・・・
完全な憶測なので、お笑いください。
(原作は覚えていないので、この映画だけでの考えです)

>ラスコーリニコフは“選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ”
>逆に犬飼は最初の海峡を渡る時の経験で社会道徳を踏み外すことにより
>新しい自分=樽見京一郎=選ばれた非凡人として生きていくことを選択したと考えるのは
>穿った見方でしょうか。

これは、水上先生または内田監督がそういうお考えを持っていらしたような気もしますが、
私的にはどうしてもロージャは先に哲学があり、
たるみは成り行きでそうなった(出来れば目立たない方が良かったと思っている)ような、そんな気がするのです・・・。

どうも長々と失礼いたしました。
読んで下さり、有難う☆


.
by: miri * 2014/01/17 19:09 * URL [ 編集] | UP↑

miriさん こんばんは
コメントありがとうございました。
お返事が遅くなって申し訳ありません。

お書きになったコメントを何度も読み返し、『罪と罰』も再読していました。

> >実は、この『飢餓海峡』の質屋殺害はどうしても『罪と罰』が着想にあったのではという気がしていきます。
> この映画では質屋さんの件がハッキリと描かれていないので何とも・・・。

この部分は実際に樽見が関与したわけではないですし
おそらく、質屋殺害というのはおそらく『罪と罰』を読んだ作家は
一度は書きたくなるテーマかな?と単純に思ったのです。
(二人目の殺人が予定外であることも含め・・・この作品の場合、樽見自身には
一番目の殺人も計画などないのですが・・・)

> ショーケンのドラマが24日(金)にオンエアするので、
> 録画して見て、ラストも含めて確認したいと思います☆

ショーケンの演じる樽見は、原作とも映画とも違っていて
闇米の下りにしても、ある意味、人間は飢えの前では平等というようなところまで
突き抜けていっている気がします。
ラストはどうなのか、もの凄く興味があります。

> ロージャは「殺人の哲学」を持っていて
> たるみは、犬飼という偽名をどうして使っていたのか分かりませんが
> この映画では私の感覚では10年前の件は「シロ」なので、
> そして八重と秘書の二人を殺したのは、突発事項だったので、
> ロージャとは違うかな・・・と思います。

そうですね。ラスコーリニコフの歪んだ論理・「殺人の哲学」は
もっていませんし
ただ、八重と秘書を殺したときの衝動の中に、ラスコーリニコフの冷酷さ
死体を隠蔽し、嘘を平気で重ねる姿に、他人を犠牲にしても生き残ろうとする
独善的な姿が重なった気がします。

>八重とソーニャは印象が少し、重なるかなという感じです。
まぁ、まずは仕事が同じという点と

“聖化”されていないヒロインと“聖化”されたヒロインという印象を受けました。
> ソーニャは「同伴者」イメージで
> ロージャでなくとも そうしたと思えます。
> (それを恨まないのが特徴)
ここに、“聖化”された(不遇な境遇にありながらも心のどこかは神聖なものを有している)ヒロインと

八重は、純粋ではあったが神聖ではなく、(恐山の巫子(イタコ)に対してもあまり
信心をもってもいないようです)
正直、言って愚かです。
あの、特徴的な、爪に対するフェティズムの描写も

> 犬飼に対する思慕
の極端な表現だったのかな・・・と時間を経った今思います。

> この映画の穴の1つが、犬飼の成りあがり方を一切描写していない点にあり、
> 彼は働き者ですし、酒も煙草もせず、多分女性にも狂わず(多少遊んでも)
> お金は溜まるばっかりで、それをどう使うか?という時に
> 子供もいませんしね~妻と旅行するって言うタイプでもなさそうですし(笑)

確かに、刑事たちだけの証言だけではかなり
心もとないですね~。
映画的には、八重の視点で語られていた分
彼女と同じように犬飼の言動が理解できない感覚や
何故、そこまで強く嘘を言わなければならないのか。
挙句の果てに殺されてしまう。

ここでの、突然の主役の交代劇に
驚くのもつかの間
今度は、殺人者である樽見とそれを追う警察陣の視点で
追う者、追われる者を描き
そこでの、別人のように、平気で嘘をつく樽見の姿に
唖然としてしまいます。

> 描かれていないので何とも言えないのですが、
> 憶測で思うに、周りの人からおだてられ、誉められ、持ちあげられ、
> 高倉健の刑事と知り合いだった点から見ても
> 何か不始末をやらかした自社の社員もしくは町内の人間に対して
> 色々と親切にしてやったりして、ますます誉められ、
> 犯罪撲滅系にお金を使う流れになったように思います・・・
> 完全な憶測なので、お笑いください。
> (原作は覚えていないので、この映画だけでの考えです)

自分は、3000万の刑余者の為に寄付することにより
(無意識的か意識的かは別にして)2人への罪滅ぼしを図った。
ただ、それが、新聞に載ったのは誤算だった。

miriさんがあとでお書きになられているように
あと、地元に対する寄付をのぞいては
金を稼ぐ意味も、人前に必要以上にでることも
興味はなく(むしろ、忌避していたように思えます)

> これは、水上先生または内田監督がそういうお考えを持っていらしたような気もしますが、
> 私的にはどうしてもロージャは先に哲学があり、
> たるみは成り行きでそうなった(出来れば目立たない方が良かったと思っている)ような、そんな気がするのです・・・。

それは、その通りだと思います。
ラスコーリニコフは最初から、自分の頭と、彼独特の選民思想ともいうべき歪んだ哲学があり
樽見は、正当(過剰)防衛の末に、急に転がり込んできた大金をどうするかということで
後づけの理屈で別人になろうと画策したと思います。

ただ、だからこそ、頭で考えていたラスコーリニコフは殺人を犯した後からその苦悩に襲われ
樽見も恐山を最初、異常に怖がりましたが
そこからの切り替えは早く、(映画版では特に)往生際の悪い人間として描かれていた気がします。

> どうも長々と失礼いたしました。
> 読んで下さり、有難う☆

こちらも長くなってしまいましたが
また色々と考えることができました。
ありがとうございました。
by: きみやす * 2014/01/21 01:10 * URL [ 編集] | UP↑
きみやすさん、おはようございます☆
本も読んで、ドラマも見ました。

ドラマはスッカスカでしたが、まぁこの作品を一応知りたい人には
良い出来になっていたように思います。
ラストはあっという間だったので よく分からなかったけど、
原作や映画にない「断食」があったので、自殺のように思いました。
・・・八重さんは札束を持って走りました(笑)。

本の方は、終盤でほのめかしてあって、
あとがきでハッキリと書かれてあったので、
水上先生は、きみやすさんの仰るように「罪と罰」を
モデルというか・・・念頭に置くというか・・・
とにかく、意識なさってこの作品を書かれたようです。

いろいろと半月間、私なりにコメントさせて頂いたけど
何というか、お恥ずかしい言葉ばかりで、
もう、探してでも穴に入りたいです!(笑)

これからもこうして企画から、原作や他の映像作品などで
色々とお話させて頂きたいと思いますので、
これに懲りず、どうぞ宜しくお願いしま~す!!!


.
by: miri * 2014/01/27 08:41 * URL [ 編集] | UP↑

miriさん こんばんは!!
> 本も読んで、ドラマも見ました。

お疲れ様でした~。

> ドラマはスッカスカでしたが、
久しぶりの一刀両断、ありがとうございます(笑)

>まぁこの作品を一応知りたい人には
> 良い出来になっていたように思います。

> ラストはあっという間だったので よく分からなかったけど、
> 原作や映画にない「断食」があったので、自殺のように思いました。

自分は、ネットで一部分観ただけなのですが
あの「断食」は飢餓状態になることで、何かを取り戻そうとしたのか
なにかに対する贖罪だったのかな・・・とぼんやり考えています。

命は、表層の意識がどうであれ、生きようとする。
だから、自分の類いまれな生命力を弱めて
生きながらえないようにショーケン版は死の準備を始めていたのかも
知れませんね・・・。

> ・・・八重さんは札束を持って走りました(笑)。
マジですか(笑)
映像化された、八重さんどちらもキてますね。

> いろいろと半月間、私なりにコメントさせて頂いたけど
> 何というか、お恥ずかしい言葉ばかりで、
> もう、探してでも穴に入りたいです!(笑)

いえいえいえ。
著者がどういう考えで書こうと
書き終えられ、読者の手に届き、読まれた時点から作品は
読者のものでもある訳ですから
それは、気にされる必要はないですよ!!

読者の分だけ、感想があるのと同じ気がします。

ソーニャに対しての考え方。
ロージャ(ラスコーリニコフ)に対してもmiriさんはご否定なさっていましたが
どこか、無意識の内に母親として見ておられるようで

自分の、若かりし頃に訪れる“独善性”“傲慢さ”がまるで自分の事を語っている
かのような“ラスコーリニコフ”に対する傾倒とは違っていて
そこが、とても新鮮でしたし。

ソーニャに対しても
遠藤作品との連想なんて、自分には多分思いもつかなかったので
非常に刺激になっています。

>色々とお話させて頂きたいと思いますので、
>これに懲りず、どうぞ宜しくお願いしま~す!!!

こちらの方こそ、宜しくお願い致します!!
ブログの方にも、また近いうちにお伺いいたします。
それでは!!
by: きみやす * 2014/01/27 20:09 * URL [ 編集] | UP↑

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