文体練習
2013/05/10 ( Fri )
![]() | 文体練習 (1996/11) レーモン クノー 商品詳細を見る |
「文体練習」(感想)
(著)レーモン クノー
(翻訳)朝比奈 弘治
他愛もないひとつの出来事が
99通りものヴァリエーションによって変幻自在に書き分けられてゆく。
20世紀フランス文学の急進的な革命を率いた
クノーによる究極の言語遊戯が遂に完全翻訳された。
前人未到のことば遊び。
部屋の片付けが一段落したことにして
階下に下りると見慣れたマークが・・・
さすがに、家人の冷たい目を浴びながら
読み始めたのですが
なんだ、これは!?
“面白い!!くだらないけど面白い” 『笑の大學』より
正確にいうと、くだらないかそうでないか
ギリギリのところで、やりきっている著者の挑戦心
(ある意味、文化=暇潰しということを示す)遊び心も感じさせます。
遊びだからこそ、真剣というか。
感動も、涙とも無縁でありながら
“ものごとを記述する”ということが
こんなに、豊かなものかとにやにやと笑いながら
驚かされます。
初期の神林長平作品を何故か思い出しました。
あとは、この作品を翻訳した翻訳者の苦労も相当なものだったと思います。
そして、装丁、中身の字体、デザイン等も含め
作品の面白さを最大限、引き出すように作られているのにも
驚かされます。
この作品の存在を教えてくれた友人のTくんに感謝を。
ありがとうございます。
著者は『地下鉄のザジ』を書いた人でもあるそうです。
映画(ルイ・マル監督だったんだ)をかなり昔、親が観ていたのを
何故か、一緒に観た記憶があります。
やばい、『死刑台のエレベーター』も観たくなってきました。
あのサントラも格好良いんですよね・・・
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