オイディプスの刃
2013/05/09 ( Thu )
![]() | オイディプスの刃 (角川文庫 緑 376-3) (1979/05) 赤江 瀑 商品詳細を見る |
「オイディプスの刃」(感想)
(著)赤江 瀑
夏の光が明るくかがやく日の午後、大迫家に惨劇が起こった。
庭の赤いハンモックに寝ていた刀研師
秋浜泰邦の若い肉体を、名刀「次吉」が切り裂いた。
息子からそれを知らされた母は、同じ刃で胸を突いた。
一方父は、罪をかぶるために割腹自殺を遂げたのだった。
三人の死は、残された異母兄弟三人の運命を狂わせる。
魔性の名刀「次吉」に魅入られた者たちの行きつく果てを妖美華麗な世界に描く、傑作長篇。
久しぶりに再読。
どっぷりと浸かっていた時期がありました。
この濃密な作品世界、自分の人生と恐らくは
全く交差しないであろう「刀」と「調香師」の世界。
明らかに分かっているからこそ
読みたくなる作品というものが
この世にはあるのだと教えてくれた作品です。
ラベンダーの香りから連想する作品が
『時をかける少女』からこの作品に切り替わったことも懐かしく思い出します。
なぜ、ラベンダーの香りだったのか
花言葉を読んで想像するのも一興かと。
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