震える舌
2012/08/25 ( Sat )
![]() | あの頃映画 「震える舌」 [DVD] (2011/11/23) 渡瀬恒彦、十朱幸代 他 商品詳細を見る |
「震える舌」(感想)
(監督)野村 芳太郎
(原作)三木 卓
(主演)渡瀬恒彦 十朱幸代
今回のプログ・DE・ロードショー 夏の納涼企画・その2作目は
この作品です。
平和な家庭に忍び込んだある異変。
それは幼い娘のいつもと違う行動として現われ
開口不全・歩行困難、そして、激しい発作を引き起こす。
困惑する両親を尻目に“破傷風菌”は娘の体を蝕んでいく。
病気との想像を絶する闘い、疲労困憊し感染への恐怖に取りつかれる夫婦―。
子供の頃、何とはなしにTVで観た記憶があるのですが?・・・
開始30分ぐらいで挫折・・・耐え切れませんでした。
大人になった今、意を決して観たのですが
それでも、しんどい。
むしろ、親の立場、子の立場、両方の部分がわかるだけに
余計にこたえます。
昔と同様、開始30分程でDVDの残時間を計算し
「・・・本当にあと耐えられんのか?」と
思いました。
闘病映画ではあるのですが
監督自ら予告編で語っているように“恐怖映画”の手法を使って
撮影されているので
(おそらくは『エクソシスト』等も参考したであろう、少女の使い方)
正直、観せ方がえげつないです。
医療機器や病院の内装・外観。
光や音によって発作がおきてしまう為に光を遮断した病室。
子どもの声や配膳台が動くだけで
“あの”発作を見せられるかと思うと
緊張。弛緩。緊張。緊張。緊張。といった具合で
夫婦二人の何十分の一かの苦しみをうかがい知ることが出来ます。
娘の身を案じながらも感染の恐怖にも苛まれる二人
渡瀬恒彦演じる夫の憔悴具合。
十朱幸代演じる母親が精神に変調をきたしていき
「産まなきゃ良かった」と口にする辺りの赤裸々さ。
あと開口不全で噛み締めすぎて口から流れ出る血。
血の量なんてそこら辺のホラー映画からしたら少ないはずなのに
心底、こたえます。
咽喉が塞がろうとするため男性医師が
「この子の歯、乳歯?永久歯?乳歯だね。また生えてくるからいいよね」と
有無を言わさず、前歯を折り、それを取り出す一連の場面等
かなり精神力な体力(?)が必要です。
そんな中でも主治医である女医・能勢先生の
懸命に治療に臨む姿勢に、感銘を覚えます。
原作は
![]() | 震える舌 (新潮文庫 草 189-1) (1980/04) 三木 卓 商品詳細を見る |
同名小説。