ハード・ラック・ウーマン
2011/09/26 ( Mon )
![]() | ハード・ラック・ウーマン (講談社文庫) (1990/05) 栗本 薫 商品詳細を見る |
ロックバンド「ナイトメア」のピー(グルーピー)が殺された。
被害者の名はライ。誰も本名を知らない。
グルーピーの中でも嫌われ者の彼女。
バンドのメンバーに疑いがかかるのだが・・・
著者の書いた『ライク・ア・ローリングストーン』に登場する
主人公のバンドを壊してしまう少女・ネコのエピソードと
『ぼくら』シリーズの登場人物である石森信(シン)を加えることにより
出来上がった作品ともいえます。
『ライク・ア・ローリングストーン』では、青春の終わり
人生の岐路、あったかも知れない未来を提示し
主人公の選択が“生活”に組み込まれていくさまを
まざまざと見せつけ、ネコは
本当にキレイに主人公、そして、読者の前からも消えてしまいます。
この作品『ハード・ラックウーマン』では
“ネコ”の後日譚とも言える作品であり
“ライ”という名前の女が何を考えていたのか。
どんな女だったのか。
シンという男の目を通して
タイトル通り“悪い星の下に生まれた女”の姿が
語られていきます。
正直、昔読んだ時にはあまり、ピンときませんでしたが
(謎解きも含め)
今回は非常に胸に迫るものがあり
年を重ねることによって、共感できるもの、理解できるものは
やはりあるのかもしれません。
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