今年の個人的順位です。
2016/12/31 ( Sat )
さて、今年の順位です。
第一位『星野、目をつぶって。』
(著)永椎 晃平
小早川はクラスの中でも日陰者。休み時間は寝たフリ・・・。
クラスメイトには名前も憶えられてない・・・。
とあることから、集団行動を嫌い、高校生活を何とか
静かにやり過ごそうとしている。
だが、ある夕暮れ、そんな彼の前に
彼とは正反対のクラスの人気者・星野海咲の誰も知らないある秘密を知ってしまう。
本来、接点のなかった二人は、どうなっていくのか?
主人公・小早川のはじけっぷりが良かったです。
少年漫画雑誌でありながら、恋愛そのものを否定するような暴言を吐いたり。
ある種、屈折・抑圧している少年の叫びが胸をうちます。
小早川だけでなく、主要登場人物もそれぞれ、表に出ている顔と
内に秘めた感情に差がある人間が多く
作品の中で大きな意味を持つ、“メイク“にも通じる部分があります。
第二位『私の少年1~2巻』
(著)高野 ひと深
ふとしたことで知り合った30歳女性・多和田聡子と12歳の少年・早見真修
サッカーを教える事から、二人の距離は徐々に近づいていくが・・・
(1巻の段階でもちらちらと提示されてきた、少年の(父親)への無関心。
ほぼ、ネグレストと呼んでいい状態)
主人公たち、双方も二人のお互いに対する感情や行動が
きめ細かく描かれていますが。
社会・周囲の人間からはどのように見られるのか
2巻ラストのインパクトは凄かったです。
今後の展開が楽しみです。
第三位『スローモーションをもう一度 1巻』
(著)加納 梨衣
80年代のものを愛する二人の高校生。
クラスではイケているグループに属している・大滝と
隣の席に座っている地味な女の子・薬師丸。
まず、1話のラストが素晴らしいです。
少しずつ、二人の距離が近づいていく様が
もどかしく、可愛らしくてたまりません。
第四位『双亡亭壊すべし』
(著)藤田 和日郎
一話のインパクトは流石の一言です。
第五位『てのひらの熱を 1~3巻』
(著)北野 詠一
ものすごく姿勢と人のいい少年・木野下慎也。
全国大会6連覇の天才空手少年・柳屋匠。
きっかけは偶然。
ただ、彼らの“空手道”がここから始まる!!
『週刊少年マガジン』に久々の空手マンガの復活。
とわくわくしていたのですが、なぜ、この作品が・・・と編集部の考え方に
強く疑問を感じました。
もっと評価してもらいたい作品でした。
今回は、人と人が出会い、それにより変わって行く。
そんな出会いの化学反応のようなものに強く惹かれた気がします。
個人的にも、色々とあった年でした。
みなさんも良いお年をお迎え下さいますよう
お祈り致します。
ありがとうございました。
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よるのばけもの
2016/12/30 ( Fri )
「よるのばけもの」(感想)
(著)住野 よる
夜にばけものになる“僕”と
クラスで浮いている矢野。
二人の交流の先で、最後の一点で
がらりと印象が変わります。
そろばん 売りのヤマタネ半生記
2016/12/29 ( Thu )
「そろばん 売りのヤマタネ半生記」(感想)
伝説と言われる相場師ヤマタネこと
山崎種二の自伝です。
是川銀蔵とはまた、違った相場師なのですが
人生の厚みが二人とも、今の人間とは
圧倒的に違います。
一投に賭ける
2016/12/28 ( Wed )
「一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリート」(感想)
(著)上原 善広
これは、ものすごかったです。
常識を疑い、自分でやり投げのトレーニングの内容・量を決めていく。
その過酷さ。
まずはそこに驚きますが。
日本人的なかくあるべき、選手像に全く縛られない姿にも衝撃を受けます。
へうげもの 23巻
2016/12/27 ( Tue )
「へうげもの 23巻」(感想)
(著)山田 芳裕
徳川の上に人をつくらず。大坂占領天下泰平。大義名分かなぐり捨てて、豊臣潰そう夏の陣。
家康の野望に抗う織部。天下一数奇宗匠に、Xデーが迫り来る。
いやいや、だんだんこちらの方も最後に向かって進んでいっております。
あるものを見つけた時の家康の表情。
織田有楽斎の表情も。
胸の奥にぐっとくるものがあります。
テンプリズム 11巻
2016/12/26 ( Mon )
「テンプリズム 11巻」(感想)
(著)曽田 正人
こ、これはひどい。
もはや、登場人物たちの行動が以前の描写と整合性が取れていなくて
ある意味笑う・・・笑うしかないというべきか。
うーん。この著者の作品でこんな気持ちを味わう気がするとはねぇ・・・
カエルの楽園
2016/12/25 ( Sun )
「カエルの楽園」(感想)
(著)百田 尚樹
まず、最初に自分はこの作家が好きではありません。
政治思想云々の前に『影法師』という作品で
ある高名な作品をパクリ、その上、ベタベタのお涙頂戴ものにした不快感があるからです。
この作品を手にとったのは、中学二年になる息子が読んでいたからでした。
作品そのものは面白く、寓話として、何を意味しているのか。
色々と思い当たるように書かれてはいます。
ラストについても、あえてインパクトが強いように書かれています。
子供がどのように受け取るのか。
むしろ、(親が読んで欲しい望むような)良い本ばかりよりも
そうでない本を好んで読んできた自分としては
あえて、この本を読み、行間だとか、作者の意図だとか
作者自体の考えそのものも、自分の頭で考える
良い下地の一つになるようにも思います。
空飛ぶ馬
2016/12/24 ( Sat )
「空飛ぶ馬」(感想)
(著)北村 薫
やはり、表題作までの流れが良いです。
今回は、ヒロインの年齢よりも
もう一人の主人公である春桜亭 円紫さんよりも年下であることに
地味に驚き、落ち込む。
四十前でこの落ちつきかぁ・・・。
フィリップ・マーロウよりも、歳が上になったことにも
ショックを受けたことを思い出しました(笑)
君の名は。
2016/12/23 ( Fri )
「君の名は。」(感想)
(監督)新海 誠
ようやく、観る事ができました。
もう、様々なネタバレから耳を塞ぎ、眼をつむりなんとか、観ました。
「おおっ!!」(新海誠作品とは思えない○○シーンとか
やっぱり映画館で観て良かったと思いました。
まぁ、細かい所で、「それは無理あるんじゃ・・・?」というところもありましたが
最後が、今までの作品のテーマからすると
あの終わり方になって、ほっとしたというのが、正直なところです。
夕暮れライト 1~5巻
2016/12/22 ( Thu )
「夕暮れライト 1~5巻」(感想)
(著)宇佐美 真紀
これは下の娘が借りてきたのを読ませてもらいました。
下の娘は少々口が悪いのですが・・・
この作品も、いいたいことはわりと言うタイプなので非常に気に入っていたようでした。
親の再婚相手には自分と正反対のおとなしいめの娘がいるということ。
その娘を守るような幼馴染の男兄弟(温厚そうだけど・・・な兄と無愛想な硬派な弟)が二人居る設定です。
ある意味、王道ですが
新しく、家族になっていくさまなどは読んでいて気持ちの良いものでした。
一瞬の雲の切れ間に
2016/12/21 ( Wed )
「一瞬の雲の切れ間に」(感想)
(著)砂田 麻美
これは良かった。
一つの事柄が、波紋のように関わった多数の人間の人生を変えていく。
時が解決してくれることなのか
それすらも安易な答えは出さずに
淡々と人生のある一点から変化していく様を描きます。
バタバタしているので後で、追記します。
META
2016/12/20 ( Tue )
「META」(感想)
(アーティスト)METAFIVE
久しぶりに友人と食事に行った時に、車の中で聞きました。
思わず、CDを買いに行ったのですが、CDを売っているところが無くて
(もう、配信の時代だろうと友人からも呆れられましたが・・・)
まぁ、それはさておき、
高橋幸宏
小山田圭吾
砂原良徳
TOWA TEI
ゴンドウトモヒコ
LEO今井 ・・・・凄いメンバーだこと。
乙嫁語り 9巻
2016/12/19 ( Mon )
「乙嫁語り 9巻」(感想)
(著) 森 薫
おそらく、このマンガを読んでいる読者ほぼ全員が娘のように思っているパリヤ編の続きです。
裁縫が下手で、口下手で、意地っ張り。
そのせいで友達も少ない彼女がどうなって行くのか。
読んでいるとほっこりしてきます。
ミロクローゼ・その夜の侍
2016/12/18 ( Sun )
「ミロクローゼ」(感想)
(主演)山田 孝之
(監督)石橋 義正
今回のブログDEロードショーはこの作品と『その夜の侍』でした。
まずは、ミロクローゼの方から。
一人3役をこなした山田孝之。
一気に見終わりました。
3人の役柄が、特に熊谷ベッソンのダンスが(個人的には)楽しくてたまりません。
ある種、『ファイト・クラブ』に近いような気がします。
ブレネリギャー・熊谷ベッソン・タモン。
恋とか、愛とか、よくわからんものを追いかけていったら・・・
ミロクローゼとどうなるのか?
「おお、そうくるのか」という感じで。
わりと納得できました。
それにしても、鈴木清順も何をやっているんだか(笑)
「その夜の侍」(感想)
(監督・脚本)赤堀 雅秋
(出演)堺 雅人 山田 孝之
以前、観た時の印象と大きく変わりません。(2014/01/27~)
共感出来る登場人物がほぼ見つからない。
予告編が一番出来が良い気がします。
ただ、今回、平凡だと思っていた日常が壊れていって
それをどういう風に修復していっていいのかわからない。
修復できるかすらもわからない。
堺雅人演じる中村の所在の行き場のなさが伝わってきました。
プリンを崩すことによって、
その抜け出せない状態からのもがきを表しているのかな・・・とも思いましたが
カスタードが好きな自分にとっては(笑)
こんなに汚くプリンを撮るなよな・・・と思った次第です。
山田孝之演じる木島の「バーベキュー!バーベキュー!」は当時かなりのインパクトを受けたのですが。
この後に観た
ピエール瀧とリリー・フランキーのとんでもない二人により
どんどんと本人も気がつかない内に変わっていく
『凶悪』の雑誌記者・藤井役を演じた山田孝之も凄かったです。
(この作品も当分観返す気には、当分なりませんが・・・・
ラストシーンの山田孝之の顔もかなりのものでした)
・・・さぁて、気持ちを切り変える為に録画している『勇者ヨシヒコ』でも観る事にします。
ありがとうございました。
金の国 水の国
2016/12/17 ( Sat )
「金の国 水の国」(感想)
(著)岩本 ナオ
昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。
毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、
とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい
慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。
A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり
B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい―――
そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い・・・!?
読み応えありました。
主人公二人の甘すぎない、飄々とした感じはこの作者さんならではといった感じです。
惜しむらくはもう少し、サブキャラクターたちにページを割いてくれたら
もっと愛着がわいた気がします。
春の呪い 1巻
2016/12/16 ( Fri )
「春の呪い 1巻」(感想)
(著)小西 明日翔
これまたおもしろい作品です。
最愛の妹・春を喪い、悲嘆に暮れる姉・夏美。
そんな彼女の元に妹の婚約者である冬吾からある条件付きで付き合うことになる。
ヒロイン・夏美の二面性。
妹の婚約者である冬吾の中にある葛藤。
そして、往々にして二人の会話や行動の中に登場する春の痕跡。
絵の線がどことなく、硬いところや急いで描いた所が少々散見されますが
それらを差し引いても二人の追い込まれている精神状態がしっかりと描かれ
どのような結末をするのか。次巻で完結するとは巻末に記載されていますが・・・・
1巻の終わり方もこれまた非常に気になる所で終わっているので、楽しみでなりません。
『喪の仕事』 DVD化もしていませんし、暗い作品ですけども
とても好きな映画の一つです。
その雰囲気に良く似ています。
私の少年 2巻
2016/12/15 ( Thu )
「私の少年 2巻」(感想)
(著)高野 ひと深
30歳OL多和田聡子と12歳小学生早見真修。
聡子は真修の家庭が抱える歪さを垣間見る事に――!?
聡子は真修よりは(当たり前ですが)年齢的にも上で常識人であるが故に、2巻ラストで
彼の為に嘘(常識的な範囲のアドバイス)をつくのですが
それに対するラストページは撃ち抜かれるかのようなインパクトがありました。
真修にしても聡子にしても
互いのことが、大切な存在になりつつあるもかかわらず。
冷静に考えて、世間や周囲の人間からは誤解されるのは目に見えています。
こういう風に、“恋愛”と安易にカテゴライズできない感情と二人の関係は
どのように変化していくのか。
丁寧に書かれている分、じっくり見守りたいです。
それにしても・・・あとがきが内容とは全く温度が違っていておもしろいです。
特に編集者・H澤さんのチェックとそれに慄く、著者のやりとりの上で
この作品の美しさが保たれているのだなぁ・・・と
思った次第です。
ワールドトリガー 17巻
2016/12/14 ( Wed )
「ワールドトリガー 17巻」(感想)
(著)葦原 大介
この巻では、ランク戦という“動”の戦いと
ある件を上層部に対して交渉を行う“静”の戦いが見所です。
ユーマと修という二人の主人公をしっかり使い
より、面白くなってきましたが・・・
ユーマはある種、正統派の少年漫画の主人公の要素、特に物理的な“力”や“技”をもっています。
修は単なる正義感の強い少年ではあったものの、経験や、多くの人たちの有形無形の助けの中で
自分の限界を知りつつも、彼自身の個性が育ちつつあります。
ただ、著者の方の病気が気になります。
無理をせずにしっかり治療をされて頂きたいと思います。
一人交換日記
2016/12/13 ( Tue )
「一人交換日記」(感想)
(著)永田 カビ
親との確執、初めての一人暮らし、愛のこと、そしてその後の生活――。
いや、ネットでも読めますが、最終回のページで
「・・・おい。ホントに大丈夫か・・・」と衝撃を受けたことを覚えています。
描き下ろしは期待していたほどはなく・・・。
前作は、ある程度、自分なりに理解できる部分や「なるほど」と思う部分が多かったのですが
本作は後半になるにつれ、段々とありていに言って「・・・わからん」「・・・ついていけない」という感じが強かったです。
どれだけ愛情や称賛を受けても(受け慣れていないせいか)受け入れない。
どちらかというと、慣れている否定的な言葉を求めてしまう。
好意を示してくれている人が居ても
それと同じ量の感情で応えられない自分の心を知ったり。
本来ならば成長の過程で大なり小なり感じる部分を
今、体験している。
本人としては、大変だとも思います。
思いますが・・・
特に後半になるにつれ
(他者・自分からも)否定することで、自己を保ってきた人間は
そのねじくれたプライド、自己肯定感の逆のような
自己否定感(こんな言葉はもちろんないと思います)に縋っている
強く感じてしまいます。
自分の殻にこもり、どんなに言葉をかけても届かない人の事や
「どうせ、自分なんて・・・」とかよく言う人は劣等感の塊のようで
その実、プライドが物凄く高いこと人が多かったなぁということを思い出しました。
蜘蛛ですが、なにか? 2巻
2016/12/12 ( Mon )
「蜘蛛ですが、なにか? 2巻」(感想)
(漫画)かかし朝浩
(原作)馬場 翁
この作品は“私”こと蜘蛛の魔物に転生した通称・蜘蛛子が
現在の所ギリギリの状態で、サバイバルしている所が良いです。
今回は、冒険者に追いかけられ、“私”こと蜘蛛は不運にも迷宮最下層に転落・・・。
そこは上層にはいなかった凶悪モンスターの巣窟だった!
上層に戻るため蜘蛛糸を駆使して巣を拡大していた私にアイツが襲い掛かってきた!!
今回は人間の時の知恵を使いながら、なんとか戦っていく
蜘蛛のデザインもポップで、可愛らしく。
小学4年生の娘も気に入って読んでいます。
ハイキュー!! 24巻
2016/12/11 ( Sun )
「ハイキュー!! 24巻」(感想)
(著)古舘 春一
春高出場を控えた烏野排球部に舞い込んだある一つの知らせ。
それがまた新しい成長に向かう原動力となる。
正直、白鳥沢戦後はどうするのか?
読みながら、自分では少々テンションが上がらなかったのですが。
今巻は良かったです。
正直、キャプテン・コーチ・監督から怒られて当然ではあるのですが(笑)。
焦燥感からの行動であるならば、一読者としては面白いと感じてしまいました。
一人だけ練習に参加できなくても、貪欲に様々なものを吸収していく様は
やはり、ぞくぞくとしてしてしまいます。
かぐや様は告らせたい 1~3巻 ~天才たちの恋愛頭脳戦~
2016/12/10 ( Sat )
「かぐや様は告らせたい 1~3巻 ~天才たちの恋愛頭脳戦~」(感想)
(著)赤坂 アカ
「恋愛は告白した方が負けなのである!」
家柄も人柄も良し!! 将来を期待された秀才が集う秀知院学園!!
その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…
何もないまま半年が経過!!
プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった!?
正直、この一つのアイデアからよくぞ、ここまで話を膨らませてきたなぁ・・・と感心しました。
主人公格の二人だけでなく、他の登場人物も適度に二人の間に介入し、影響を与えたり
邪魔をしたり、“天才”の頭脳戦とまでは言うとちょっと盛り過ぎな感じですが
十分楽しめます。
蟻の王 1~4巻
2016/12/09 ( Fri )
「蟻の王 1~4巻」(感想)
(原作)塚脇 永久 (漫画)伊藤 龍
日本の全てを牛耳る財閥の長・六道鬼三郎が死んだその瞬間
鬼三郎の隠し子である田舎ヤンキー・亜久里四郎の生活は一変する・・・・。
国家権力対最強ヤンキー。
うーん。序盤は面白かったのですが・・・
多種多彩な仲間も増えてはきたのですが
あんまり、そいつらも上手く使っているとは・・・???
ラスボス?と思しき長男との戦いもはじまりましたが・・・・
鬼平犯科帳 THE FINAL
2016/12/08 ( Thu )
「鬼平犯科帳 THE FINAL 」(感想)
(主演)中村吉右衛門
原作は父親が好きで、自分は高校生の頃『剣客商売』を読んでいて
幼い反発心から、「『鬼平犯科帳』は読んでみらんか?」と言われても
「いや、老後にとっておく」とか我ながらよくわからん返答をしていました。
(今考えると恥ずかしい返答をしていたものです)
とあることで入院をすることになり、手持ちの読む本も無くなった頃に
父が『鬼平』をごっそり持って来てくれて、非常に助かったことや
交換する訳ではないのですが、『剣客商売』を貸したのを
『雲竜剣』 という話の内容から、急に思い出しました。
忠吾(尾美 としのり)もしっかり役柄をこなしてくれたり
大滝の五郎蔵(綿引勝彦)
伊三次(三浦 浩一)
おまさ(梶 芽衣子) 三人の密偵たちに京極備前守から頂いた酒を振る舞うシーンで
「ああ、本当にシリーズが終わることを含めた慰労の酒なんだな・・・」と思わず涙目になってしまいました。
ああ・・・ここに相模の彦十(三代目猫八)と小房の粂八(蟹江 敬三)の姿がないのが
辛い。
でもあのEDはやはり良かった。
長い間ありがとうございました。お疲れ様でした。
いまさら翼といわれても
2016/12/07 ( Wed )
「いまさら翼といわれても」(感想)
(著)米澤 穂信
神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。
夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘―折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)。
奉太郎、える、里志、摩耶花―“古典部”4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇!
六年半ぶり・・・の新作ですが
高校一年生の一年を描いた『遠まわりする雛』(自分はこの作品が一番好きですが)
高校二年生になった古典部の面々の物語です。
特に、奉太郎と摩耶花の最初の出会いの険悪さの理由がわかる『鏡には映らない』
奉太郎のモットーの根源に迫る『長い休日』
いくつかの作品は読んだり、アニメになった分を観たことがあっのですが
今回の表題作はある意味、『遠まわりする雛』の続編とも取れます。
個人的には
もう一つか(できれば)二つ長編が出た上で
シリーズの末尾を飾るのは、
高校三年生の一年を描いた連作短編集の最後の作品のような気がします。
あと嬉しいことに
創元の『ミステリーズ!vol.80 DECEMBER 2016』にもう一つのシリーズ
小市民シリーズの新作が載るそうです。
こちらも楽しみでなりません。
転生したらスライムだった件 3巻
2016/12/06 ( Tue )
「転生したらスライムだった件 3巻」(感想)
(原作) 伏瀬
(漫画)川上 泰樹
スライムとして生まれ変わったリムルは
着々と仲間を増やしていきます。
ある種、チート能力もありますが、今回はそれでも一撃を喰らうシーンもあり
バランスを考えているなぁという印象。
笑えるキャラクターも多く、飽きさせません。
文句の付けようがないラブコメ 1巻
2016/12/05 ( Mon )
「文句の付けようがないラブコメ 1巻」(感想)
(著)鈴木 大輔 (作画)肋兵器
取引先の方から貸して頂きました。
女神とその生贄として捧げられた男の物語。
1巻の段階ではなんとも判断ができませんが、男の方にもそれなりの過去があり
お気楽すぎないところはわりと良かったです。
1518!(イチゴーイチハチ!) 3巻
2016/12/04 ( Sun )
「1518!(イチゴーイチハチ!) 3巻」(感想)
(著)相田 裕
生徒会の一大イベント、生徒総会の準備に追われる執行部メンバーたち。
公志朗と幸はムービー班として総会で流す動画を企画することに。
いやー。爽やかです。
自分が学生の頃に“生徒会”の人たちは真面目で正直「エライな~」と思いながらも
何が彼らのモチベーション(当時はこの言葉も知りませんでしたが)なんだろうと不思議に思っていましたが
この作品ではそれぞれの入る理由が描かれています。
相場師一代
2016/12/03 ( Sat )
「相場師一代」(感想)
(著)是川 銀蔵
若干16歳で単身満州に渡って商売を始め、朝鮮半島で成功失敗を繰り返す。
そして株。波瀾の生涯と地道な独学の日々を自ら語る。
“私は1日1日、それこそ真剣勝負をやっておるんです。
失敗しても誰も助けてはくれんし、自分の努力で運命を開拓していく以外、生き残る道はない。
だから私は1秒、1分間に全力を傾けて真剣勝負を続けました。
だからどんな状況の時でも正確な判断が要求され、それを下してきた。
人間には一生のうち二度や三度のチャンスはある。それを生かすか殺すかの決断のために、
日常の努力と精進、そして真面目といった理論と実践とを通 じて日夜思考の訓練を重ねることが成功への確率を増進する。
そのために数多くの真剣勝負を経験し、勝負勘を養うことだ。
「勘」とは、経験の集積から湧き出 る真実的総合判断なのである。”
本当に波乱万丈としか言いようがない人生です。
失敗から立ち直るスピードというか、気力というか
そんなものが溢れていて、このバイタリティはどこから出てくるのか?
読むと改めて得る事の多い本の一つです。
あさひなぐ 21巻
2016/12/02 ( Fri )
「あさひなぐ 21巻」(感想)
(著)こざき 亜衣
二ツ坂VS.國陵――
インターハイ本選出場をかけた、団体決勝戦が遂に決着!!
いや、本当におもしろいです。
21巻ともなってくると登場人物たちの些細な描写でも
「ああ、こういう風に考えているんだろうな・・・」とか伝わってくるような気がします。
決勝戦での二人のだけの世界。
そして、勝負に対する考え方。
1巻の頃からは顔つきの変わったヒロイン・東島 旭の姿。
また、新しいライバルの登場や
憧れの先輩である真春も大いに悩む描写。
やす子先生の合コンとその顛末も読みごたえがあります。