息子
2015/04/26 ( Sun )
![]() | 息子 [DVD] (2005/05/28) 三國連太郎、永瀬正敏 他 商品詳細を見る |
「息子」(感想)
(監督)山田 洋次
(主演)三國連太郎 永瀬正敏
今回のブログ・DE・ロードショーは“春の感涙祭”ということなので
この作品を選びました。
もう何回観たのか、わかりませんが
若い頃は息子(浅野哲夫)役の永瀬正敏が凄く共感できていたのが
子供をもち、歳をとってくると父親(浅野照男)役の三國連太郎にもしみじみと感情移入してしまいます。
多分、もっと子供が大きくなって、巣立っていったらもっとそうなんでしょうね。
その時にも、また観て見たいと思います。
ある意味 山田洋次版『東京物語』でもあり
戦争にも触れられ、そして、現在も直面する高齢化社会の問題点を早くも予見していた作品でもあります。
芸達者な役者陣にも助けられ
特に、原田美枝子演じる長男の奥さんである(浅野玲子)と父親(浅野照男)の会話とか
若い頃よりも、今になって余計に沁みます。
誰も悪くない。本当に昔のように生きられないことをありのままに描いていますし
息子(浅野哲夫)の方は父親や優秀な兄への反発からか
東京で暮らしていたが
いかりや長介・田中邦衛の二人にだけでなく、多くの人たち
そして、和久井映見演じる(川島征子)出会うことによって
一人前の男になっていく姿をしっかりと描いています。
特に、父親(浅野照男)が息子(浅野哲夫)に対して歌を歌うシーンは
何回観ても何回観ても おかしいやら、嬉しいやら、自然と涙が出てきます。
そして、最後の、父親(浅野照男)帰宅のシーン。
「おい、いま けぇったぞ」
あのセリフがますます意味をもったものとして
灯りがともる家を観ながら感じるのでした。