死に金
2013/05/15 ( Wed )
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「死に金」(感想)
(著)福澤 徹三
末期癌で死に瀕する男―矢坂。
闇金で築いた巨額の遺産をめぐって五人の人生が交錯する。
実話をもとにした衝撃のミステリー。
最後が若干綺麗すぎかな・・とも思いましたが
おもしろかったです。
馳星周ならこの倍の量を使って
金に踊らされていく人間達をもっと描いた感じもしますが
逆に、連作単編集という体裁をとることで
それぞれの人間たちの金への関り方が浮き彫りになり
飯島:若い頃、矢坂と親交があったがあることを元に袂をわかったヤクザ。
辰野組若頭補佐。 賭場の支払いが滞っている。
刈谷:三十過ぎの経済ヤクザ。辰野組内で頭角を現している。
辰野:辰野組組長。三次団体から直参への野心を抱く。
浩美:矢坂の別居した妻。矢坂の莫大な遺産を目当てに籍を抜かない。
瑞希:看護師志望の大学生。入院患者として矢坂と知り合う。
そうすることで、病室に寝ている“矢坂”という男の印象も
対比としてどんどん濃くなっていくのが
印象的でした。
“金が無意味だとわかるのは、本気で金に執着した人間だけだ”
“勝つついうことは、何かを捨てるということだ
人生に勝つというのなら、それに見合うだけのものをすてねばならん。
おまえにそれができるか”
“おまえは金の奴隷だ。金に使われえる奴が持っている金を死に金というんだ”
“見栄は金と時間を無駄にするうえに、余計な負担をしょいこむ”