「
日本をダメにしたB層の研究」(感想)
(著)
適菜 収B層=B層とは、グローバリズム、改革、維新といったキーワードに惹きつけられる層。
あらゆることに「参加」したがり、「コスパ」という言葉を愛し
社会の「幼児化」を進めている人々。
近代において発生した「大衆」の最終的な姿。
―なぜ日本人は「参加」したがるのか。
これは先の取引先さん(息子さんではなく、本人さん)から借りたものです。
うーん、結局は自分もB層には属するだろうなと思います。
(先の選挙でも民主党には入れていないけども・・・)
まずは、最初、B層用語辞典から
“民意を問う”=政治を放棄すること
基本的には言い切りの強さが目立ちます。
“国民は成熟しない”
“啓蒙活動を続ければ、そのうち、B層が悔い改めてきちんとした選択を
するようになるのでしょうか?
これは根拠のない未来信仰、責任逃れのロジックにすぎません。
現在の問題は現在において処理すべきです。
そもそも成熟しないから、悔い改めないからB層なのです。
間違った選択しても、責任転嫁の上、自己正当化します。”
“政治家は有権者の御用聞きではありません
政治家がやるべき仕事はただ一つ。議会で議論することです。
移ろいやすい民意、熱しやすい世論から距離を置き、
過去と未来に責任を持ち、冷静な判断を下すことです。”
“新しいものはたいてい「嘘」”
“今、やらなければならないことはなにか?
それは先人の言葉を振り返ることです。
使い古された言葉を、愚直に何度も繰り返すことです。
危機に直面したら、先人に問うこと。
歴史はつねに同じことが繰り返されているからです。”
“大事なことは「新しく」見えるものを警戒することです。
旧態依然としたデマゴーグが、新しい衣装を身にまとい、
威信だ革命だのと騒いでいるのが現在のB層社会です。
小手先の「改革」は病状を深めるだけです。”
巻末の2005年からの“B層おバカ年表”では
(皮肉を効かせた選択で)日本という国の迷走ぶりが
明らかになります。
内容のすべてを首肯する訳ではありませんが
一読の価値はあるかと思います。