「
チャンプ(1979版)」(
感想)
(監督)
フランコ・ゼフィレッリ(出演)
ジョン・ボイド フェイ・ダナウェイ リッキー・シュローダー今回のプログ・DE・ロードショーはこの作品でした。
昔、友人たちが、「あの映画は泣いた~~」としきりに褒めていたのですが
観る機会が訪れず、今回かなり期待しての初見となりました。
元世界チャンプの父ビリーと彼をチャンプと呼び、慕う息子“T・J”。
彼らはハイアレア競馬場の厩務員として働いていた。
酒とギャンブルに明け暮れていたビリーが
ギャンブルで大勝し、息子にサラブレッドの若馬をプレゼントするのだが
それは大きな運命の変化を伴うものであった・・・
T・Jの演技は凄い。
最後の最後はさすがにくどいと感じる部分もありましたが
主演のジョン・ボイドやフェイ・ダナウェイを圧倒するような場面もあり
驚きました。
ジョン・ボイトは『真夜中のカーボーイ』の若者から
えらく変わった印象を受けました。
この作品はリメイクなので元々の作品(1931版)がいかに
先進的だったかを想像させます。
『クレイマー、クレイマー』と『ロッキー』を思い起こさせるというのか・・・
『ロッキー』では何者でもなかった青年が、世界チャンピオンと戦うことにより
“何者”かになれることを証明し
『クレイマー、クレイマー』では父親と息子が共に生きていくことの難しさと喜びを
描いています。
あれ・・・?
なんでこの作品は、そこまで胸にこないんだろう?
自分をチャンプと呼んでいる息子の為に、“男”=強い父親であろうとする
父親の姿になんで、心が動かないんだろう???
・・・結局のところ、ジョン・ボイト演じるビリーの行動に共感できないからかも
しれません。
幼い子供の貯金箱から金をせしめギャンブルに向かい
大勝したその金で美しい競走馬を買ってやる。
(それは父親としていいのかよ?)
親として見せなければならないことは
別にあるんじゃないのか。
37歳というピークを過ぎたボクサーという設定
肉体を苛め抜く描写が少ないですし
息子に“俺はこれだけの男なんだ”と証明するのなら
まだしも、いわば自業自得の結果の世界戦というのも・・・
最後、彼は自分の挑戦が愚かだったことを悔います。
本当に世界チャンピオンでなくてもいい
普通の父親として、息子と共に生きて欲しかった
そんな気がします。