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ヴィンランド・サガ 11巻

ヴィンランド・サガ(11) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(11) (アフタヌーンKC)
(2012/01/23)
幸村 誠

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ヴィンランド・サガ 11巻」(感想
(著)幸村 誠

王という奴隷。
奴隷という自由。

クヌートは着々とイングランドも手中におさめ
多くの部下を率いながらも
彼が唯一心を開くのは、嫌悪し
間接的に殺害した実父・スヴェン王の幻影のみ

一方、奴隷の身分から
自由身分の身まで手が届きそうなトルフィン。
友人を得、父・トールズのような「本当の戦士」を模索する彼。

互いが、この不完全な世界で
“地上の楽土”を求めるクヌート。
“奴隷や争いのない世界”を考え始めたトルフィン。

二人の再会は
どのような影響を及ぼすのか?

あとがきも含めて
“父と子”の人間関係に深く考えさせられた巻でした。
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ヒットラーのむすめ

ヒットラーのむすめ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)ヒットラーのむすめ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)
(2004/12)
ジャッキー フレンチ

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ヒットラーのむすめ」(感想
(著)ジャッキー・フレンチ
(翻訳)さくま ゆみこ

きっかけは、時間つぶしのゲームだった。

雨がふりつづいていたある日、スクールバスを待つ間に
オーストラリアの少女アンナがはじめた「お話ゲーム」は
「ヒットラーのむすめ」の話だった・・・。

もし自分がヒットラーの子どもだったら、戦争を止められたのだろうか?

もしいま、だれかがヒットラーと同じようなことをしようとしていたら
しかもそれがぼくの父さんだったら、ぼくはどうするべきなのだろうか。

知り合いの司書さんに教えていただきました。

これは、すごい!!
「ヒットラーのむすめ」の物語によって

どんどん、悪とは?正義とは?
きっかけとなり、深く考えていく主人公たち。

主人公の親子関係を含め
日常に追われる人間たちの中で

主人公たちは
様々な疑問にぶち当たります。

答えのない問いの多さに

彼らが無意識のうちに
自己の思考を深めているのが
わかります。

物語がどういった結末を迎えるのか?
そして、その余韻に打ちのめされます。

児童書であるがゆえに語れること。
だからこそ、伝えられることも確実にある。

そんなことを教えてくれた本でした。

良い本を教えていただきありがとうございました!!

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メガロポリスの虎

メガロポリスの虎 (角川文庫 緑 383-6)メガロポリスの虎 (角川文庫 緑 383-6)
(1975/04)
平井 和正

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メガロポリスの虎」(感想
(著)平井 和正

発達しすぎた機械文明の恐怖を一人の男の異常な行動を通して描く長編。

・・・と文庫には書かれていますが
正確には、高度に発達した機械文明ですら
糊塗出来ない人間の獣性と
それに気がつかされた男の物語なんですが

高度に発達した超コンピューターが制御する“自動管制社会”のなかで
イマジネーター社に属する4Dフィルムディレクター大村は
あるブルーフィルムについての意見を求められる・・・。

人間精神改革運動・精神矯正法通称<虎狩り>を受けて
暴力を含む兇悪な獣性を矯正された人々の住むメガロポリス。

ブルーフィルムは単なる発端に過ぎず
大村は次第に起こる事件の中で
登場する謎の女・ヴェスパと遭遇し
そして人類そのものの置かれている状況に直面する。

先日、『ガタカ』を観たときにこの作品のことを思い出しました。

読んだのが、25年ぐらい前?
自分の持っている角川文庫版の初版が1975年ぐらいなんですが。
(発表は1968年!!)

当時の少年にとって、こんなにSFで泥臭くて
熱量があって、とんでもない作品があるものかと
衝撃を受けたことを思い出します。

今、読み返してみても
登場人物たちの息づかいが
聞こえてきそうな緊迫感。

人間に対する絶望やら苦しみの先に
伏線が収束していき
ほんの一筋、垣間見える光明。

基本的には
オーソドックスなハードボイルドの型。
コンピューターに支配された世界というSFの型。

そんな型を使いながらも
その枠を容赦なく噛み砕き、咀嚼し
完全にこの著者でしか書けない世界に
構築しなおす“力”。

想像力と今、読むと疲れるぐらいの文章の濃さ。

本当に、初期の頃のこの著者の作品は
どれを読んでも凄い。

人によって、合う合わないは
物凄くあるとは思いますが・・・

ああいった多感な時期に読んでおいて
良かった・・・と
20数年たって思います。

あとは、表紙も生頼範義さんの描く絵でないと
締まらないと、個人的には思っています。

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君に届け 15巻

君に届け 15 (マーガレットコミックス)君に届け 15 (マーガレットコミックス)
(2012/01/25)
椎名 軽穂

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君に届け 15巻」(感想
椎名 軽穂

正直、期待はあまりしていなかったのですが
今回は、久しぶりに読み応えのある巻でした。

吉田(ちー)と矢野(あかね)という
友人二人の心の動き、揺れが
細かく描写されていて
しみじみ、読むことができました。

今まで大切にしていた関係から
新しい関係に臆病になる吉田。

色々なものが見えすぎるが故に
自分に対して低い自己評価をもつ矢野。

ヒロイン・爽子からするとそんなものは
とうにクリアしてきたかのように見えた
頼りがいのある友人たちも
実は爽子同様に普通の女の子たちで

彼女たちの扉を
それぞれのやり方で開こうとする
男子二名の姿にも
ひさしぶりにグッときました。

各話ごとの扉絵の出来も良くて。
繰り返しになりますが
本当に久しぶりに盛り返してきた印象です。

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ぶたのたねシリーズ

ぶたのたねぶたのたね
(1989/10)
佐々木 マキ

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また ぶたのたねまた ぶたのたね
(2005/11)
佐々木 マキ

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またまたぶたのたねまたまたぶたのたね
(2010/01)
佐々木 マキ

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ぶたのたね シリーズ」(感想
(著)佐々木 マキ

下の娘が大好きな絵本です。
ぶたよりも足の遅いおおかみの奮闘ぶりを描く3部作です(笑)

何がすごいかって、きつねはかせにもらった
「ぶたのたね」をまくと、ぶたがたわわに、木になるんですよ。

文章にすると、たいしたこと、ありませんが
絵で見たときのインパクトはもの凄いものがあります。

気になった方は画像検索をオススメします。

著者の方はどうしても
“村上春樹のイラストの人”という印象が強かったのですが
「こんな(とんでもない)こと考える人なんだ~」と
驚いてしまいました。

3部作のラストページもほとんど同じ内容で
ペーソスとユーモアの入り混じった
おおかみの姿に自然と愛着が湧いてきます。

それにしても
『はれときどきぶた』もそうですけど
“ぶた”って絵本に向いている素材なのかもしれませんね。
はれときどきぶた (あたらしい創作童話 13)はれときどきぶた (あたらしい創作童話 13)
(1980/09/05)
矢玉 四郎

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鋼鉄の華っ柱 5巻

鋼鉄の華っ柱 5 (少年サンデーコミックス)鋼鉄の華っ柱 5 (少年サンデーコミックス)
(2012/01/18)
西森 博之

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鋼鉄の華っ柱 5巻」(感想
(著)西森 博之

『道士郎でござる』『お茶にごす』と
傑作が続いたせいか

個人的に、この作品に対するハードルが
自然と高くなってしまっていたのですが。

今巻でいよいよ本領発揮というか
単に腕力で解決するのではなく
どうやって相手を追い詰めていくのか

すべて、計算ずくと思いきや
不意に見せる、うろたえ振りなどで

読者から、主人公が
イヤな人物として、みられないように
考えられている
著者の絶妙なバランス感覚に
舌を巻きます。

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ましろのおと 5巻

ましろのおと(5) (講談社コミックス月刊マガジン)ましろのおと(5) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2012/01/17)
羅川 真里茂

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ましろのおと 5巻」(感想
(著)羅川 真里茂

うーん。
継続して読んでいる作品なんですが・・・
最近、読みたいという意欲が減ってきた気がします。

仲間もライバルたちもいて
部活マンガとしての“型”は整っているのに

なぜ、読んでいて、わくわくしないのか?

主人公の技量が突出していることや
周囲の人間が初心者が多く
達成感、成長の見せ方が難しい?
もう少し、巻数が必要??

著者がどういう風に話を持っていきたいのか?

部活を盛り上げたいというわけでもないし
ライバルに勝つということにも
(今のところでは)
そこまで価値を見出している訳ではなさそうです。

タイトル通り“自分の音”を見出すためには
次巻の展開がターニングポイントになるような気がします。

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月光条例 16巻

月光条例 16 (少年サンデーコミックス)月光条例 16 (少年サンデーコミックス)
(2012/01/18)
藤田 和日郎

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月光条例 16巻」(感想
(著)藤田 和日郎

あー。
何がしたいのか、わかりません。

メインヒロインのヌードとか。
その他のヒロインにも困惑させるような質問をぶつけていますが・・・

その知恵比べも、最後の最後しか面白くない。

正直、読者サービスでも何でもないですよ。

今、『月光条例』を購入しているファン
おそらく、筋金入りの藤田マンガファンですら

どうしたんですか、藤田先生・・・と
頭を抱えるレベルのような気がします。

正直、こんな時に『吼えろペン』が連載していたら
炎尾燃から富士鷹ジュビロに“目を覚ませっパンチ!!”を
おみまいしてもらうのに・・・

辛い。

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DOGS/BULLETS&CARNAGE  7巻

DOGS/BULLETS & CARNAGE 7 (ヤングジャンプコミックス)DOGS/BULLETS & CARNAGE 7 (ヤングジャンプコミックス)
(2012/01/19)
三輪 士郎

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DOGS/BULLETS&CARNAGE  7巻」(感想
(著)三輪 士郎

個人的には、このシリーズの中で
一番好きな1、2を争うおバカさんでイタいキャラクター“曲刀”が
表紙を飾ってくれたことは、嬉しいのですが。

肝心の内容は・・・
「まぁ、そりゃそうだろうね」という感想しか浮かばない
ある人物の正体だったり(笑)

またしても、深まる謎といわんばかりに
新しい伏線の投入だったり

作品内では緊迫した状況のはずなのに
いまいち、それが感じられないのが
残念でなりません。

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ガタカ

ガタカ [DVD]ガタカ [DVD]
(2009/06/03)
アラン・アーキン、イーサン・ホーク 他

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ガタカ」(感想
(監督)アンドリュー・ニコル
(主演)イーサン・ホーク

今回の“ブログDEロードショー”の作品はこちらです。

遺伝子工学の進歩により
胎児の段階で劣性遺伝子を排除することが出来るようになった近未来。

処置をせず、自然の形で生まれた主人公・ビンセントは
心臓が弱く、30歳までしか生きられないと宣告されていた。

劣性遺伝子排除されて生まれ
父の名を継いだ弟・アントンと比べて
“不適正者”であると思っていた。

度胸比べの遠泳で弟に
勝った彼は家を出ることに・・・

宇宙飛行士になる為に
優秀な遺伝子の持ち主であるジェロームと契約を結び
彼の遺伝情報を貰うことで
“ガタガ”に入社する。

再見です。

映像は綺麗。
スタイリッシュっていうのか
独特の美意識が感じられます。

ガタカの本社ビルだったり
綺麗すぎて、むしろ能率が心配な職場(笑)とか
ロケットがバンバン飛んで
宇宙飛行士を輩出する会社があるかと思えば
車はクラシカルな(電気)自動車だったり
お酒を飲むところは昔のクラブ風。

ロケットに入る前の通路とかも
70年代のSFを想起させるだけど
素材が良いのか。
ギリギリ、おしゃれに見える不思議さ(笑)

以下、ネタバレを含みます。

ただ、脚本がなぁ・・・

“不適正者”であるが故に
遺伝子の優秀さのみが偏重される世界から遠くへ行きたい。
宇宙飛行士への憧れ。
ここの動機はよくわかります。

家を出る際に
家族写真から自分の顔だけを剥ぐところなんて
胸に突き刺さります。

ガタカに入っても
毎朝、爪を切ったり、遺伝情報を残さないように
執拗に体を洗う主人公。

まぁ、ここで他人を騙る大変さはよくわかります。

ただ、どう考えても、穴だらけなんですが、その計画(笑)

目は手術しちゃだめ→コンタクト。
身長足りない→骨延長手術。
まず、この時点で???

それに、宇宙に行った後の遺伝子検査があった場合
どう乗り切るつもりだったんだろ?
計画、甘すぎ。

遺伝子”が重要ってことが言いたいのは分かりますが
ガタカに入社する際に必ず僅かに採血されるシステムも・・・
指紋認証の方が痛みはないっていう気がします。

顔写真(映像)観ても、気がつかないっていっても
“遺伝情報”を優先する風潮を口にはしていましたが・・・。
少々、無理がありますね。

あとはジェロームについても
これを言ったら話が成立しませんが

それだけ遺伝子が発達してる未来なら
再生医療でその辺は回復させることは出来ないのかな?

おそらく遺伝子に縛られるのではなく、本人の努力で克服できるというのが
この作品のテーマだと思うのですが。

ビンセント“不適正者”でも努力する人
“適正者”が遺伝子にあぐらをかいている人たちって風な
単純な分け方が感じられて
いまいち、納得が・・・
ユマ・サーマン演じるアイリーンがその中間ということでしょうが・・・

適正者でもプレッシャーに耐えかねて自殺未遂を起こす。
適正者でも兄のことは思い出せない。
ついでに遠泳で二度負ける(笑)。
適正者でも人を殺す。

これだけ、書いてたら
どっちが人間として強いのか、わかりません(笑)
“出生よりも後天的な努力や思い”が大事だよってテーマが
伝わらない気がします。

間違ったエリート意識の方が遺伝子よりも問題あるっていうのが
言いたかったのかな・・・

あと、疑問に思ったのは
ビンセントもあるシーンで暴力を使います。
そして、適正者も暴力を使います。
つまり、暴力性というものは遺伝子に左右されない?

後天的な資質(学習)もしくは、人間は暴力という手段を
捨てることができない、ということなのかな。

ラストでは
「え?その格好で宇宙、行くの?」
「ジェローム!!おい、ちょっと待て!!」とか。
初見の時と同じ反応をしてしまいました。

それにしてもジェローム・・・。

2階の窓からアイリーンを見る姿。
ビンセントを守るため、必死で階段を登る姿。

それだけ、高給とってるなら
エレベーターをつけることぐらい考えなよ・・・

彼なりに、ビンセントを愛していたんだろうな。

直接の描写はなくても
酔ったジェロームを抱きかかえるシーンとか。
そんな印象を受けました。

ある意味、ジェロームにとって
ビンセントが外の世界の窓みたいになっていたのかも・・・

自分には、交通事故で脊髄損傷して下肢麻痺
車イスの友達がいるのですが
彼は奥さんも子供もいて、とても明るい人物なんですよね。

彼らを知っているだけに
ちょっと、ジェロームの扱い
特に、ラストは許容しがたいものがあります。

個人的には、ビンセントも、自分の正体を
自ら明かして、その上で宇宙飛行士として
宇宙に行ってもらいたかった。

心疾患もなんとか出来ないの?その近未来の技術は(笑)

ジェロームもまた、夢を見つけ
自分の旅を(人生を)歩んでもらいたかった。
そして、金メダルじゃなくても生きていけることを
証明して欲しかった。

遺伝子偏重しすぎる、その社会の
ある種の洗脳から
自由になってもらいたかった。
メダルの色やそもそもメダルの有無だけが
人間の価値じゃないと思って欲しかったなぁ。

ビンセントがガタガ社で
自分の力で努力している姿を見ていた訳なんだから・・・

あと、ほとんど話に関係ないのですが
個人的に嬉しかったのは
アーネスト・ボーグナインの姿が見れたことです。

『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』のドミニクや
『ワイルドバンチ』のダッチを思い出しました。

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四月は君の嘘 1~2巻

四月は君の嘘(1) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(1) (月刊マガジンコミックス)
(2011/09/16)
新川 直司

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四月は君の嘘(2) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(2) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2012/01/17)
新川 直司

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四月は君の嘘 1~2巻」(感想
(著)新川 直司
かつて、“神童”と呼ばれ
国内外のピアノコンクールで優勝していた主人公・有馬公生は
あることがきっかけで、ピアノが弾けなくなってしまう・・・

ピアノから離れた生活を送る公生に
幼なじみの女の子・椿から
もう一人の幼なじみでサッカー部部長・渡涼太のことが
好きな女の子・宮園かをりを紹介される。

第一印象は最悪で、単なる「友人A」として
何とかその場をやり過ごそうとする公生。

しかし、彼女のヴァイオリニストの才能。
コンクールでの彼女の演奏を聞いてから
彼の中で残っていた何かが、動き始める・・・

この著者は、スロースターターなのかもしれません。
2巻を、読み終えてまずそう思いました。

前作『さよならフットボール』でも
1巻は正直、そこまで良い作品という印象はなかったのですが
2巻になってからの登場人物たちの様々な思いと
伏線の回収があいまって、一気に突き抜けた感じがありました。

この作品でも
1巻はどちらかというと
挫折した少年がある破天荒な出会いによって
自己や自信を取り戻していく。
青春マンガの王道だな~としか思っていなかったのですが

2巻での演奏シーンでの迫力で
また、一気にこちらの想像を超えてくれました。

そして、かをりというヒロインが
単に主人公に音楽を取り戻させる
単なるミューズのような役割(存在)ではなく
同じような演奏者としての”エゴ”と“才能”そして“もろさ”も
有している一人の人間として
描かれているところが新鮮です。

2巻では、かをりに病弱の伏線が引かれたり
四人の男女の関係も
徐々に変化の兆しが見えはじめてたり
今後の展開が楽しみになってきました。

できれば、この作品も1・2巻併せて読まれることを
おススメします。

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アゲイン!!3巻

アゲイン!!(3) (KCデラックス)アゲイン!!(3) (KCデラックス)
(2012/01/17)
久保 ミツロウ

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アゲイン!!3巻」(感想
(著)久保 ミツロウ

そもそも俺は

がんばってる時に

「もっとがんばれ」って

言われるのが

この世で一番

だいっきらい

なんだよっ!!!


いいな~。このセリフ。

タイムスリップした主人公・今村金一郎。
正式に応援団に入団し、辞めていた先輩も復帰し
宇佐美団長と共に応援団の再建を目指す・・・はずなんですが

今回も見事なまでに
ネガティブさ炸裂しています。

ただ、文句は言いつつも
応援団の練習にはきちんと参加していたり

素直でない性格がいい感じです。

先輩たちの手の抜き具合に気がつくと
タイムスリップしたからなのか
それとも、もともとの性格なのか

縦社会に盲従するわけでもなく
言いたいことを自然と口にしたり

普通の部活マンガと、ちょっと違うところも
魅力の一つになっています。

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ハルシオン・ランチ 全2巻

ハルシオン・ランチ 1 (アフタヌーンKC)ハルシオン・ランチ 1 (アフタヌーンKC)
(2010/03/05)
沙村 広明

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ハルシオン・ランチ(2) <完> (アフタヌーンKC)ハルシオン・ランチ(2) <完> (アフタヌーンKC)
(2011/09/07)
沙村 広明

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ハルシオン・ランチ 全2巻」(感想
(著)沙村 広明

会社が倒産し、職も家族も失った男
ホームレス・化野元の前に現れた謎の少女・ヒヨス。

彼女の特技は食べること。
通常の食べ物だけではなく、リアカーだって何だって食べる
彼女の前に様々な人間やそれ以外のものが現れる。

主人公はホームレスから脱出できるのか?
謎の少女・ヒヨスの正体とは?

・・・なんてことがどうでもよくなる位に
無駄に炸裂するギャグマンガです。

正直、以前読んだ『ブラッドバレーの馬車』で
こんな不幸な作品描くやつは、同じくらい不幸な目にあうがいい!!
とか思って読んでいなかったのですが

実際、後輩に勧められて読んでみると
面白くて、面白くて。
声を出して笑ってしまいました。

作品タイトルや登場人物たちの名前からして
アレなんですが・・・

2巻で話がきちんと(?)終わらせているところなんかは
好印象です。

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なにかもちがってますか 2巻

なにかもちがってますか(2) (アフタヌーンKC)なにかもちがってますか(2) (アフタヌーンKC)
(2012/01/06)
鬼頭 莫宏

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「なにかもちがってますか 2巻」(感想
(著)鬼頭 莫宏

主人公の光と一社による“世直し”は
次なる目標に対象を変えようとしていた・・・

あらあらあら・・・。

おそらく、多くの読者の予想と期待に反して
急に物語の勢いというか
方向性が変わったようにも思える2巻目。

これからの展開の為の、あえての変化球なのか
本当に路線変更なのか。

これからの展開が全く読めないのも
期待と不安が入り混じった
不思議な読後感でした。

ただ、前巻でも感じた、彼らの“幼さ”“愚かさ”が
今回はもっと具体的に表現されています。

中学生という限界。
移動手段を含めた金銭的なものや
時間的制約等が提示され

超能力をもっていたとしても
いかんともしがたい現実があることを
わかりやすく、表現されています。

同じく2巻目が発売された
『デストロイアンドレボリューション』との違いを
読み比べてみるのも、一興かもしれません。

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男の争い

男の争い (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)男の争い (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2003/12/10)
オーギュスト・ル ブルトン

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男の争い」(感想
(著)オーギュスト・ル・ブルトン
(翻訳)野口 雄司

強盗の罪で服役したトニーは
五年の刑を終えパリの街へ舞い戻った。
相棒のジョーと共に計画していた宝石店強盗のためだ。
服役中に患った肺の病気を隠しつつも
綿密な計画のもと果たして、大量の宝石強奪は成功するのか?

・・・・おお。映画版と全然違う!!
それくらい印象が違います。

映画では宝石店襲撃に焦点が当てられていたのですが
原作では、トニーの人物造形がより、リアルに人間臭く描かれており

その分、話を聞きつけた因縁のあるギャングたちとの抗争が
メインとなっています。

どちらも好きですが
原作の“濃さ”もかなり、気持ちがいいです。

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草子ブックガイド 1巻

草子ブックガイド(1) (モーニングKC)草子ブックガイド(1) (モーニングKC)
(2011/09/23)
玉川 重機

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草子ブックガイド 1巻」(感想
(著)玉川 重機

本作のヒロイン・内海草子は
本を読むのが大好きな中学生。
授業中でも、本を読んでいる程。

内気で、他人と打ち解けるのが苦手な草子にとって
本の世界は、唯一の彼女の居場所だった。

そんな中で、古書店・青永遠屋の主人は
彼女の感想“ブックガイド”を楽しみにし
少しずつ彼女の世界は広がっていく・・・・

後輩から勧められた本です。
これはおススメです。

絵柄や作品に対する思い入れが濃すぎると感じるところや

話の発端で
仕事をしない父親のせいで
古書店から本を万引き(後で返却するとはいえ)するのは
少々、フィクションでも納得はいきませんが。

まぁ、それがきっかけで古書店の手伝いをしたり
様々な人々との出逢いになるのですが・・・

自分が読んだことのある本、未読の本
どちらも、興味を惹かれるように
描かれているのが魅力的です。

あとは、著者あとがきの中で
何故、この新しいペンネームにしたのか。
語られますが。

それがなんとも言えずいい感じなのです。

もう、そこに居ない人たち。
そこには、存在しない物。

著者の記憶の中に存在する
それらを、単に憶えておくことだけではなく

もう一度、自分の名前としてつけることによって
命を吹き込む。
自分の名前として継いでいく。

この作品そのものにも言えることなんですが
小説や過去の人間たちが発する
何かを受け取ること。

その(文字通りの)感受性を
日々の生活の中でいかに保持できるか。
いろいろと考えさせられます。

表紙とカバー下の技術というのか
演出も綺麗で、気に入っています。

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シュガーレス 10巻

シュガーレス 10 (少年チャンピオン・コミックス)シュガーレス 10 (少年チャンピオン・コミックス)
(2012/01/06)
細川 雅巳

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シュガーレス 10巻』(感想
(著)細川 雅巳

10巻は少々盛り返してきた印象。
前巻までの超人的な描写は少なくなり

トーナメント戦の登場人物の中にも
容赦なく卑怯な手段をとる人間が出てきて
ある意味、こういう奴もいないと、と
ホッとしました。

あとは、著者が7巻ぐらいから
フルヌード(無論、男の)を描くことに
目覚めたのか(笑)
意味もなく、上半身を露出するシーンが多いのも謎です(笑)

期待していた、口だけ番長
田中ヒラオリくんが
途中、エラく格好いいセリフを吐いたりしていたのですが
結果は、予想通りといいますか
順当な結末を迎えてしまいました。

残念。

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戻る男

戻る男戻る男
(2010/06)
山本 甲士

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戻る男」(感想
(著)山本 甲士

ある日、スランプを迎えた作家・新居航生の元に届いたのは
過去へのタイムスリップを可能にしたという
あまりにも胡散臭い案内だった。
新手の詐欺と考え、手紙を破り捨てようとするが

原稿依頼されているエッセーのいいネタになることや
中学時代に苛められる原因となった出来事や
二股をかけられていたことなど
改変したい過去がいくつかあることに気づき
そのタイムスリップに参加することにすることに・・・

一気に読み終えることができました。

この著者は書きたいことが、ブレない
テーマが明確になっている作家さんなので

人によっては、期待していた作品と違うという方もおられるかもしれませんが

個人的には
読み終えても、きちんと内容が腑に落ちるといいますか。
気持ちいいですね。

作中に様々な作品の名前が登場しますが
自分も好きな作品だったり、観たり、読んだりしたことのある
作品ばかりだったので
また、その作品も再読・再見したくなりました。

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麒麟の翼

麒麟の翼 (特別書き下ろし)麒麟の翼 (特別書き下ろし)
(2011/03/03)
東野 圭吾

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麒麟の翼」(感想
(著)東野 圭吾

寒い夜、日本橋の欄干にもたれかかった男の胸にはナイフが・・・。
翼のある麒麟像の前で死んだ男。
容疑者と思われた若い男は直後にトラックにはねられ
意識不明の重態に陥っていた。

一見、簡単に終わるように見えた事件の真相に
加賀恭一郎が挑む。

長期シリーズとなった分
登場人物もしっかり、頭の中にイメージできており
スムーズに読むことができました。

『赤い指』『新参者』と今回の作品を含め
“親と子”というテーマが
加賀自身も含め、シリーズの主軸になりつつある
印象を受けました。

それにより、ある種“市井の神”のごとき存在に
なってしまいそうだった加賀も
今回、ある人物の言葉により
なんとか、人間に留まったような感じがします。

このシリーズは
事件そのものや解決よりも
その先に力点が置かれているというのか。

(事件の解決は今回も比較的
あっさりしています)

それよりも
人が殺されるということが
現代ではどのように、扱われるのか。
被害者家族が遭遇する状況。
被疑者に対する扱い。

そして、犯人の動機の奥に
実は、もう一つ大きな問題が存在していて
そこは、読み応えがありました。

読み終えてみて
東野圭吾版『人間の証明』のような印象も受けました。

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バクマン。16巻

バクマン。 16 (ジャンプコミックス)バクマン。 16 (ジャンプコミックス)
(2012/01/04)
小畑 健

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バクマン。16巻」(感想)
(原作)大場 つぐみ
(漫画)小畑 健

これも“文句は言うけど、買うことは買う”マンガです。

ただ、今回はそこそこ、面白かったですかね。

すっかり忘れていた(笑)
連載漫画を1本打ち切る権利が
こんな使い方をされるとは思いませんでした。

確か、嫌いなマンガとか言ってた気もしますが。。。

まぁ、いいや。

ある意味、マンガの終わり方、終わらせ方。

作品そのものの寿命を誰が判断するのか?

作者なのか、編集者(部)なのか
やはり、読者=人気なのか。

年配のマンガ家再生編(?)も
どうなることやら。

感性だけでなく、絵の技術にもかかわってくる
“年齢”というものを
この著者たちはどう考えているのか?

どういう風に料理するのか
少し、楽しみです。

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WORST 28巻

WORST 28 (少年チャンピオン・コミックス)WORST 28 (少年チャンピオン・コミックス)
(2012/01/06)
高橋 ヒロシ

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WORST 28巻」(感想
(著)高橋 ヒロシ

はっはっは。

もはや

笑いしかでてきません。


「文句は言うけど、買うことは買うんだよね」
と友人からも笑われるのですが。

これは、流石に、コンビニで立ち読みで良いかもと思ってしまいました。

予想以上の酷さです。

最強と言われた男が
主人公をパイプ椅子で顔面を殴った理由、コレ?

そして、それを聞いて
対抗心のあったグループも納得して、仲間になるぜ!!

鈴蘭統一って、そんなもんだったのか・・・

挙句の果てには主人公・花の

「鳳仙も竜胆も武装も“敵”ではなく(広く言えば同じような奴ら)
じゃないんじゃないか」とのお言葉・・・

・・・うん。言いたいことは分かる。

でも、その上で自分の中の“野生”とか“血”とか
“俺とコイツ、誰が一番強いのか”とか決めてきたんでしょ。

前作『クローズ』との巻数合わせて
26+28=54巻 続いてきて、でた結論がそれなのか・・・

あと後半は、困った時の萬侍帝国の登場(笑)
まぁ、これで、いよいよ話も終わりだなぁと思うと
正直、ホッとします。

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民宿雪国

民宿雪国民宿雪国
(2010/12/01)
樋口毅宏

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民宿雪国」(感想
(著)樋口 毅宏

ある国民的画家の数奇な生涯を描いたエンターテインメント。
期待した展開が何度も何度も裏切られ、物語のラストはとんでもないところに着地する。
昭和史の裏面に挑む怒涛の長編書下ろし。

相変わらずの作風。
文章に含まれる雑多な小ネタに笑わされつつも
内容としては、正直、薄い印象。

あとがきや参考文献でも描きたかったことは
推測できるのですが

下品なジェットコースターノベルから出発して
そのまま突き進んでおけば

それはそれとして面白かったのですが

無理に他のテーマとからめようとすると
上手くまとまりきらず

「・・・で、結局、何なん?」の一言で終わってしまう
ラストにたどり着いた感じの作品でした。

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惡の華 5巻

惡の華(5) (講談社コミックス)惡の華(5) (講談社コミックス)
(2012/01/06)
押見 修造

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惡の華 5巻」(感想
(著)押見 修造

うわぁ~~。
本当に『さくらの唄』に匹敵する
新しい青春トラウママンガになってしまいました・・・。

今回、特に登場人物たちの眼の描写が
いい感じです。

醒めた目、激情を秘めた目、困惑の目
狂気を含んだ目。

初めての恋愛。
本当にささいなこと。
誰かに自分の存在を見つけてもらうこと。
誰かの特別であること。

それを知ってしまったあとに
相手の気持ちが、自分から離れようとしている
それを知った狂おしさ。

相手に対して与えられるものの少なさ。
そして、それすら捧げても、相手の心に届かない
無力感。

自分の未熟さ。

社会という枠の中から
すでに逸脱しつつある主人公の今後は?
終わりのヒキも含め
どこに着地するのか。

10年後、20年後に
自分の過去を
思い出の一つ
愚かなエピソードの一つとして
笑えるようになるのか

相変わらず、著者の思春期を淡々と描く
あとがきマンガも、ある意味“引く”けども
どこか羨ましくもあります。

ここまでの“内圧”というか
内に溜め込んだものはなかったなぁ。

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下山の思想

下山の思想 (幻冬舎新書)下山の思想 (幻冬舎新書)
(2011/12/09)
五木 寛之

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下山の思想」(感想
(著)五木 寛之

どんなに深い絶望からも人は起ちあがらざるを得ない。
すでに半世紀も前に、海も空も大地も農薬と核に汚染され
それでも草木は根づき私たちは生きてきた。
しかし、と著者はここで問う。再生の目標はどこにあるのか。

再び世界の経済大国をめざす道はない。
敗戦から見事に登頂を果たした今こそ、実り多き「下山」を思い描くべきではないか、と。
「下山」とは諦めの行動でなく新たな山頂に登る前のプロセスだ
という鮮烈な世界観が展望なき現在に光を当てる。
成長神話の呪縛を捨て、人間と国の新たな姿を示す画期的思想。

帯に書かれている言葉には強く惹かれるものがあります。

本当に普通、というか、もう老境に居る小説家が
賢しげな言葉を使うのではなく
わからないことはわからない。

ただ、自身の経験から “民”とはなにか。
“国”とはどういうものか。
生き残った人間だから感じる劣等感など。
経験した人間でした語れない言葉を
ある意味、淡々と語っていたり

今、ビジネス書の部門で盛んに賑わせている
「インフレ本」などにも触れ
その中にもどこか真実が隠れていると
そういう本との付き合い方、距離感が絶妙でした。

後半に収録されている“ノスタルジーのすすめ”が
エッセーとしては全く別のものを継ぎ足した感じが
ありますが・・・

それを差し引いても
新しい日本の在り方を
模索する一つのヒントとなりえる本でした。

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とめはねっ! 9巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 9 (ヤングサンデーコミックス)とめはねっ! 鈴里高校書道部 9 (ヤングサンデーコミックス)
(2011/12/27)
河合 克敏

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とめはねっ! 9巻」(感想
(著)河合 克敏

相変わらずの安定感。
書道部の面々は
新しいキャラクターを含め生き生きと動いている印象を受けます。

が、今回の作品の肝は
主人公・大江縁の祖母・英子と
ライバル校・鵠沼学園の指導者・笠置亜紀子との価値観の違い。

同じ湘南女学院の書道部で同窓生の彼女の青春の1コマ。
そして彼女たちを指導する先生との交流。

そして、大家といわれる人間
だからこそ、より謙虚であろうとする姿。

書道を志す者各々にとっての“書”があり
それらが人生やその人の価値観に密接に関係していることを
気持ちよく感じることができました。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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弱い日本の強い円

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)
(2011/10/12)
佐々木 融

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弱い日本の強い円」(感想
(著)佐々木 融

大震災直後に最高値更新――その理由がわかりますか?
「財政赤字拡大で円安に」「人口減で円は売り」「為替相場は国力を反映する」
――市場に溢れる誤った解説を一刀両断。為替相場を見る基本をやさしく解説。

為替相場には、国力等は関係ないと小気味良く断じた後
ディーリング・ルームで何が行われているか等の挿話を挟みながら
日銀介入の意図、効果等について、経験者だからこと書けることが記されています。

色々な意味で為替の基本、今、日本が置かれている状況等を学ぶことができます。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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体は全部知っている

体は全部知っている体は全部知っている
(2000/09)
吉本 ばなな

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体は全部知っている」(感想
(著)吉本 ばなな

昨日読んだ『小銭をかぞえる』の毒を
少しでも、薄めるために
この著者の作品を手に取りました。

だからと言って、吉本ばななに
毒が無いとか
単なる癒しの物語の書き手とか思っている訳ではなく

なんて言ったらいいのかわかりませんが
この人や小川洋子は“毒”をそのまま描くのではなく
表現に包んで、一見分かりにくくしながら
実は純度を高くしている印象を受けます。

あとは、この著者の独特の視点に惹かれます。
この人の視点で世界を見てみたい。

書きながら、後天的に得たものなのか
先天的なものなのかは定かではありませんが
周囲の人間関係や自然、あるいは大きく言うと
世界の在り様を、少しでも見えているのではないか。

村上春樹とはまた違った手法で
経験知というものを、独特の視点で細かく抽出し
言語化できる、数少ない作家のような気がしています。

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小銭をかぞえる

小銭をかぞえる小銭をかぞえる
(2008/09)
西村 賢太

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小銭をかぞえる」(感想
(著)西村 賢太

女にもてない「私」がようやくめぐりあい、相思相愛になった女。
しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は緊張をはらんだものになっていく。
金をめぐる女との掛け合いが絶妙な芥川賞候補作『小銭をかぞえる』
女が溺愛するぬいぐるみが悲惨な結末をむかえる『焼却炉行き赤ん坊』の二篇を収録。

金欠、妄想、愛憎、暴力。救いようもない最底辺男の壮絶な魂の彷徨は、悲惨を通り越し爆笑を誘う。

とは書かれていますが
うーん。・・・笑えねぇ。
自分もある程度の悲惨さ、あるいは残酷描写等がある一定の閾値を超えると
笑いに転化される方なのですが・・・。
この作品では、到底無理。

いつものごとく、金の無心をしにいく場面があるのですが
その時の心理状態、行動を含め
自身のプライドを宥めるためにカップ酒をあおり
ほとんど、交流の途絶えた友人の職場に会いに行く。

正直、友人の方に感情移入してしまうというのか。
実際に職場に来られたら、たまらねぇな。というの率直な感想です。

これも、またいつものごとく
同棲相手とのケンカの部分も
激昂して、暴力もしくは罵詈雑言を吐き散らし
怒りがおさまったあとでは懐柔に走るのも
これもまた変わりません。

著者自ら、子供を望まない理由を語りますが
『羊の木』で登場していた、不幸のDNAの話を
思い出してしまいました。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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まおゆう魔王勇者 1~2巻

まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 (1) (角川コミックスエース)まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 (1) (角川コミックスエース)
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まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 (2) (角川コミックス・エース 264-5)まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 (2) (角川コミックス・エース 264-5)
(2011/12/21)
石田 あきら

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まおゆう魔王勇者 1~2巻」(感想
(原作)橙乃 ままれ
(漫画)石田 あきら

「この我のものとなれ、勇者よ」

「断る!」 


という冒頭のセリフがすべてを物語っていますが。
それこそ、RPG等で繰り返されてきた、ラスボス戦での1コマから話はスタートしていきます。

本屋で最近良く見かけるこの作品。
何の気なしに読み始めたのですが・・・面白い。

その日のうちにweb上でのスレまとめを読み終え
単行本化された原作も勢いで買ってしまいました。

まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」
(2010/12/29)
橙乃 ままれ

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まおゆう魔王勇者 2忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀まおゆう魔王勇者 2忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀
(2011/01/31)
橙乃 ままれ

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まおゆう魔王勇者3 聖鍵(せいけん)遠征軍まおゆう魔王勇者3 聖鍵(せいけん)遠征軍
(2011/04/28)
橙乃 ままれ

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まおゆう魔王勇者 4この手でできることまおゆう魔王勇者 4この手でできること
(2011/07/16)
橙乃 ままれ

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それにしても単行本の高いこと・・・
年末年始の財布には
かなりこたえる出費でした。

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強制ヒーロー 2~3巻

強制ヒーロー 2 (ビッグ コミックス)強制ヒーロー 2 (ビッグ コミックス)
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宮下 裕樹

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強制ヒーロー 3 (ビッグ コミックス)強制ヒーロー 3 (ビッグ コミックス)
(2011/11/30)
宮下 裕樹

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強制ヒーロー 2~3巻」(感想
(著)宮下 裕樹

これも3巻完結。

周囲でも読んでいる人が少なく
あまり、話題にはなりませんでしたが
自分は、結構この物語が好きでした。

「徴正令」というシステムで集められた5人の男女。
年齢、性別、生活様式すら、まるで違う5人の見出していく
“正義”とは?

3巻のラストシーンで
本当にわずかではあるのですが

非日常を経て、日常に戻った
主人公の成長。
主人公が得たもの。

彼が守ることの出来る程度の“正義”が
確実に感じられて、好きでした。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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