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ヴィンランド・サガ 10巻

ヴィンランド・サガ(10) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(10) (アフタヌーンKC)
(2011/04/22)
幸村 誠

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ヴィンランド・サガ 10巻」(感想
(著)幸村 誠

前巻から、前半部とは、
全く違う装いをみせるような作品ですが

どうやら、父・トールズのような“本当の戦士”に
向かっている途上のようです。

悪夢の中での
トルフィンの悔悟の涙には賛否両論あるかもしれません。

ある種、同著者の作品『プラネテス』で
修羅になりきれなかった(堕することのできなかった)
主人公・ハチマキと同じかもしれません。

そう考えると、ハチマキ・その父ゴローは
タナベやハル子さんのお陰で
修羅になることを拒否でき

“宇宙船以外何一つ愛せない男”である
ロックスミスは

アシェラッド・クヌートと同じく
何者かに魂や心を売り、人間であることを辞めた
存在なのかもしれません。

他者の愛によって、人間でいられる。
この作品もそれがテーマなのかもしれません。

ただ、今回トルフィンの心境の変化、誓いとは
うらはらに
傭兵・蛇の語った農場の規模と自警団のバランスは
今後の重要な伏線でしょうし

いずれ、起きるであろう戦闘の際に、トルフィンは
どう決断するのか、見所です。
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テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

20 : 00 : 00 | コミックス感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

なみだめネズミ イグナートのぼうけん

なみだめネズミ イグナートのぼうけんなみだめネズミ イグナートのぼうけん
(2010/08/06)
乙一

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「なみだめネズミ イグナートのぼうけん」
(さく)乙一
(え)小松田大全

ぼくのなまえは

イグナート。


ちっぽけなネズミのぼくは、いつも涙目、ひとりぼっち。
そんなぼくにも、生まれてはじめて友だちができた。
ナタリア。
口は悪いけど、ぼくにパンを分けてくれたやさしい人だ。
でも、ナタリアはいなくなった。
いやがるナタリアを、兵隊が連れ去った。
ちっぽけなぼくだって、たまにはでっかいことをおもいつく!
ナタリアに会いにいこう。 旅に出るんだ。

ぼくのあし、うごけ!

おくびょうもののネズミと口の悪い亡国の王女ナタリアの友情物語。

本棚の整理をして、出てきたので
興味を示した小3の息子に貸してみたのですが
あまり、本を読むのが得意ではない彼が
一気に、読み終えていました。

かなり、気に入ったらしく何度も読んで
妹にも、彼なりに説明をしていました。

作品自体はどこをとっても乙一作品といった風情で
自分に対して自信のない(自己承認が困難な)主人公と
口の悪い他者とのかかわりによって少しずつ成長していく
物語です。

何回か読んでみると
直接は語られませんが
実はバックグラウンドではこの国の抱えている現状
村と王宮の内部での食料等についても
さらっと語られているのがわかります。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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テルマエ・ロマエ Ⅲ巻

テルマエ・ロマエ III (ビームコミックス)テルマエ・ロマエ III (ビームコミックス)
(2011/04/23)
ヤマザキマリ

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テルマエ・ロマエ Ⅲ巻」(感想
(著)ヤマザキマリ

流石に、もう風呂のネタも・・・と思いきや
まだまだ、健在。

スゴイなぁ。

特に、13話の最後の1コマなんて
吹き出しました。

あとは映画化決定の帯に笑いました。
スゲぇ。

主演・阿部寛(笑)


阿部さんは平たい顔族じゃねーのかよ。

宇宙兄弟の実写版には、全く心が動きませんが
これは、ちょっと、見てみたいですね

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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未来日記 12巻

未来日記 (12) (角川コミックス・エース 129-19)未来日記 (12) (角川コミックス・エース 129-19)
(2011/04/26)
えすの サカエ

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未来日記 12巻」(感想
(著)えすの サカエ

こちらも完結。

まぁ、コレを使えばなんでもありじゃん。という
いわば禁じ手を使いながらも

強引ではありましたが
最後まで、読みきらせた著者の力技と

最終巻で、ようやく・・・
本当に、ようやく、成長した感のある
主人公とヒロインの姿に
ほっとした、変な安堵感がありました。

それにしても隻眼のテロリスト・雨流みねねが
ここまで活躍するとは思いませんでした。

他に、主人公を導くような存在が居なかったからかもしれませんが・・・

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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星は歌う 11巻

星は歌う 11 (花とゆめCOMICS)星は歌う 11 (花とゆめCOMICS)
(2011/04/19)
高屋 奈月

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星は歌う 11巻」 (感想
(著)高屋 奈月

うーん。
正直、この11巻は良かったです。

大団円というか
きちっとメイン二人の
話を収めるところは収めた、感じが良かったです。

まぁ、正直、伏線だったようなところは
意外と回収もされず。
(伏線じゃなかったかもしれませんが・・・)

まぁ、出てくる大人に余裕がなく
理解のない人間が多いのには辟易しました。

(ある種、認知の歪みか)と思わせるくらいの
本当に、単色というか
悪い人、ヒドい人、理解してくれない人たち・・・

もう少し、でも違った一面を見せてくれたら
多少の感情移入はできたかもしれません・・・

あとは、健気な主人公に
(口は悪くても)結局は優しい周囲の人々。

その落差にいまいち、馴染めなかったところは
大きいです。

ただ、ラストの終わらせ方は
(メインのヒロインではない)
その人物の新しい門出を感じさせ
なかなか余韻のあるいい終わり方でした。

全体的な評価が、非常に
難しいです。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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友達100人できるかな 5巻

友達100人できるかな(5) (アフタヌーンKC)友達100人できるかな(5) (アフタヌーンKC)
(2011/04/22)
とよ田 みのる

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友達100人できるかな 5巻」(感想
(著)とよ田 みのる


帯に完結巻!!って

書いてあって愕然。


ショックを受けながら、読み始めていくと

当初から張られていた伏線だった
女子グループのリーダー・山本杏
男子グループのリーダー・大貫光とのやりとりなど
一気に伏線が回収されていき、

確実に、主人公・直行の努力が実っているところうや成長が感じられ
嬉しいやら寂しいやら。

それにしても
もう少し、この作品世界を楽しみたかった。

それだけ、この作品は魅力的で
登場人物たちのほとんどの人(人以外も多数含む)に
愛おしさを感じます。

第21話の『パラダイス銀河』での
道明寺さんとのやりとりなんて・・・(泣)

そして、中盤、ラストまでの展開を読んで
やはり、ぐっ、とくるというのか。
素直に、感動しました。


ちょっと 

君と地球を

救ってくるね


このセリフも最初とリンクしていて良いですし

最終話のサブタイトルも

色んな意味でセンスが良くて
なおかつ、ポジティブなメッセージを
今の時代に作れるマンガ家さんはあまり居ない気がします。

そう考えると、中弛み等もなく
(一抹の寂しさも感じながら)
この終わり方しかなかったのかなと思います。

ネタバレの為反転。
本当に、道明寺さんとの別れのシーン。

“ついでみたいに言うなよ”なんて
前の文章からすれば
もっと、盛り上げることもできたはずなのに
あえて、それをしないところや

最後にカウンターを壊すところも。
そして、最後の友だちが100人目なのかどうか
分からないところも
良いですよね。

最終的に、友達の数ではなく
直行の中に“愛”が在るのか無いのか。
そこだったんだと。

表紙にも表現されているように
自分とも分かり合える
36歳の自分と11歳の自分。
同じ人間だけど、それでも、分かり合えるかどうか。

2周目の直行がこの冒険で得たものは
そこすら凌駕するもののようにも思えます。

カバー裏も楽しませていただきました。

描けば描くだけ、どんどん面白くなっていく
マンガ家さんなので
次回作をまた、楽しみにしています。

本当に、良い作品でした。
ありがとうございました。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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STAR DRIVER<スタードライバー>輝きのタクト

STAR DRIVER<スタードライバー>輝きのタクト 1 【完全生産限定版】 [DVD]STAR DRIVER<スタードライバー>輝きのタクト 1 【完全生産限定版】 [DVD]
(2011/01/26)
宮野真守、早見沙織 他

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STAR DRIVER<スタードライバー>輝きのタクト全25話」 (感想

4月に転勤になったMさんが
(今までありがとうございました!!)

置き土産としてくれた
『STAR DRIVER<スタードライバー>輝きのタクト』
正確にはTV放送版の動画だったのですが

Mさんの「絶対、気に入りますから!!」という言葉に押され
「え~?」と半信半疑で観始めたのですが

出だしの、
「何だ、この銀河美少年って?」とか
「綺羅星!!って、オイ」とかツッコミながら観ていたのですが

ミズノとマリノの双子のエピソードや
主人公の親友であり、三角関係のライバルでもある
スガタの変貌辺りから

結局、最終話まで楽しませてもらいました。

伏線として、未回収な部分や
説明が不足しているところ

見る側が自分で勝手に
考えながらいけないのかな?

ラスト2話、特に最終回が急ぎ足で
バタバタした印象も受けましたが

メタフィクションの手法を上手く使ったり
そうかと思うと、よく分からない
独特の“変な”勢いがあって、面白かったです。

テーマ:DVD - ジャンル:映画

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月光条例 13巻

月光条例 13 (少年サンデーコミックス)月光条例 13 (少年サンデーコミックス)
(2011/04/18)
藤田 和日郎

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月光条例 13巻」(感想
(著)藤田 和日郎

(帯より)

『マッチ売りの少女』の
結末が気に入らなかった。
なんでかわいそうな女の子が、
かわいそうなコトに
なっちまうんだよ!! 

『うしおととら』第1巻より



20年後、 

藤田和日郎が

見つけた

ひとつの答えが、

ここに。


いや~。
素晴らしい。

帯の見本といいますか

この文章を見ただけでもウルっとしました。

やっぱり、作者やその人の漫画をきちんと
理解している人が作る
“帯”というものはこういうものだ、と教えられた気がします。

作品の内容ですが
いや、ほんとに予想外だったというか。

今回登場する、『マッチ売りの少女』は
この作品が描かれた“核”ともいえるエピソードなので
おそらくラストに登場すると勝手に、
思い込んでいましたので

ここで登場するのか!と驚きました。

現在、物語を牽引している「月打キャラ」“チルチル”も
そして、おとぎ話界の長老の一人“はだかの王様”ですら
救いたいと思った
“マッチ売りの少女”

彼女を救いたいという
チルチルの焦燥、疾走に
作者・藤田和日郎の積年の思いがこもっていて
たまりません。

かわいそうだ。

主人公が
不幸な結末に

なっちゃうのは。

「読み手」の
子供たちだって
かなしく
思っているよ。

そんなの
いやなんだよ。

だから
今度こそ
もたもたしない!

今度こそ
強くなってやる!

次は絶対に
助けてみせるぞ!


この辺は『うしおととら』で
ジエメイを助けられなかった主人公・うしおを彷彿とさせます。

うしおと違って陰、というか怨みの感情が強い分どちらかというと

子供を殺した妖怪を追う・鏢(ひょう)や
自動人形を憎む鳴海に近いですかね。

あるシーンでは人間に絶望した、不動明にも似ています。
(帽子をみるとドロロンえん魔くんにも見えます・・・)

セリフにも作者・藤田和日郎の怒りが
込められていて

マッチを買わずに冷たく当たる町の人間には

けっ。
こいつらマッチを買いもしなかったクセに
翌朝、お前の死体を
見て、とってつけたよーに
涙を流すんだぜ。

ま、クズ偽善者どもなんて
どーでもいいか。

さ。

おまえの
クソオヤジの
家に案内しな


そのクソオヤジこと、義父のところに現われて

おまえか?

小さい娘にろくに食べ物も
与えず、薄着のまま
マッチを売らせているオヤは。


想像力がないなァ
カンケーがないからって、
面白くないコトを
やりすごすヤツばっかりだと思ったか、コラァ。


子供は親の

家畜じゃねえぞ。



ここまで本音を書かれると
正直、胸がすきますね。


同じ作品世界の“青い鳥”が諌めても

ウルセエ

つまんねえ建て前を
ピーピーさえずりやがって。

なんの役にも
立たねえ「幸せ」の無能シンボルが。


と幸せの青い鳥にむかって
こう言い放つ有様です。

本当に、子供の頃から思っていた
凶暴なまでの怒りがビシビシ伝わってきます。

そして、とうとうチルチルは「作者」である
アンデルセンに会いに行き
ストーリーの改変を迫るのですが・・・

ここも本当に読み応えがありました。

一人の「読み手」から
怒り、あるいはその否定をするために
物語のキャラクターを創造し
「作者」となった藤田和日郎。
そして「作者」アンデルセン。

そして、作中の人物として
アンデルセンを描くことによって
ここで「作者」であることの業の深さ。
物語ることの難しさ。
誰に何を言われようとも“譲れない”ものが
互いにあることを
理解したような気がします。

『うしおととら』最終巻で

少女を助けるヒーローなんざ、要らないのかもしれない。

7年間、こいつらに戦ってもらってようやくわかった。

だって。少女が戦わなきゃ。
ただ雪の中、手に息を吹きかけて泣いてちゃ、
誰もふりむいちゃくれないもの。
戦わなきゃ。
しんどくても辛くても、
自分でやんなきゃ。(まんがを描くのもね)


と書いていた時点から

また今回のアンデルセンとの対話を描くことによって
『マッチ売りの少女へ』の思いがまた
変わってきたように感じます。

そして、ヒーローの在り方。

(今巻の表紙にも、さりげなく、それが表れている気がします)

あと、今回は本編だけでなく
あとがきのけっこうコラムに代えて
~老人と海~が描かれていて
涙が止まりませんでした。

どうか、この4ページの短い作品だけでも
多くの人たちの目に触れることを
願っています。

もちろん、食事や住居、衣服。
生きるために必要なものは沢山あります。

物語なんてものは
その次だと自分でも思いますが・・・

ただ、現実の過酷さに対して
物語は、本当に無力なのか。

苦しい時、辛いとき
ほんの一瞬でも
気持ちを奮い立たせたり
辛さを忘れさせてくれたり
物語や笑いはそういった力があると
信じたいです。

本編の内容についても少し。
例によって、反転。


今回、チルチルが魔法により分離した為
分離したチルチルの片方が岩崎月光ということでしょうか?

セリフ中に“心が「どっどど」と”と話した「センセイ」は
宮沢賢治で確定でしょうが

ミチルとエンゲキブの正体がまだ、わかりませんね。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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箱庭図書館

箱庭図書館箱庭図書館
(2011/03/25)
乙一

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箱庭図書館」(感想
(著)乙一

最新作は六編収録の短編集。

読者の方のボツ原稿を送ってもらって
著者がリメイクするといった
ある意味、賛否両論あるであろう企画
「オツイチ小説再生工場」からの作品集。

賛否どちらかといわれると
個人的には“否”のほうなんですが
それでも、できあがった作品が

ものすごく、好み!という作品はないにしても

“乙一作品”として
ある一定水準を超えているのが
嬉しいやら、複雑なところ(笑)です。

『死にぞこないの青』や『銃とチョコレート』のあとがきを
思い出してしまう『小説家のつくり方』や

ふたりぼっちの文芸部部員の痛すぎるやりとりを描いた
『青春絶縁体』は
『きみにしか聞こえない―Calling You』や『ウソカノ』
『暗いところで待ちあわせ』『百瀬、こっちを向いて』
などが好きな方にはどストライクかもしれません。

拾った鍵の鍵穴を探す『ワンダーランド』は
久し振りに『GOTH』を読み還したくなりました。

同じく『ホワイト・ステップ』では
あとがきでも書かれているように
『きみにしか聞こえない―Calling You』や
『しあわせは子猫のかたち』など

送られてきたボツ原稿が
やはり著者のファンあるならば
選ぶ著者の視点、そして、それを読む読者も好みというか
ある種の傾向に偏るのかもしれません。

それでも、六つの作品を共通する町と軸となる登場人物を
設定したところで
きちんと統一がとれ、商品として
発表できるレベルにまでなっているのには
驚きます。

あとは、あとがきで、小説家がいかにして
ある種のアイデアと文章を
小説としてリライトしていくか、
その過程が垣間見れたり
著者の作品に対する考え方が感じられて
その部分も楽しめました。

あとは
作品とは直接関係ないのですが
“別名義でラブコメの小説を書いていたり”とか
“現在、複数の名義で活躍中”と明記されていたのが
ようやく、すっきりした(笑)気がしました。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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木村くんは男友だち

木村くんは男友だち (KCデラックス)木村くんは男友だち (KCデラックス)
(2011/04/13)
逢坂 みえこ

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木村くんは男友だち」(感想
(著)逢坂 みえこ

妻を愛する夫・鉄男。
夫を愛し、学生生時代からのクサレ縁である男友だちも大事にする妻・ミホ。
そして、ナルシストで色男、敏腕小説編集者だけど、一見チャラい男友だち・木村。
三者三様の本音が交錯し

“男女の中に友情は存在するのか”

“既婚者は異性の友だちを持ってはいけないのか”

という問いに迫ります。

祝!!逢坂みえこ、新作!!

前作『たまちゃんハウス』から少々、間が空きましたが
逢坂節は健在です。

『ベル・エポック』で見せた
主人公・鈴木綺麗と大学時代の友人・イシバシで描いた関係を

数年ぶりに著者が
より現実的に描いてくれています。

そして、この作品の結末を読むと
美しいものは美しく、切ないものは切なく

それでいて、現実の苦さを知りつつも
なおかつ、品良く締めてくれるところに
改めて、この著者の読者で良かった!!と思わせてもらいました。

そして、あと、本音がダダ漏れ(笑)の
巻末あとがきで、きちんとオチをつけるが関西人らしくて
この辺のバランス感覚の良さは
流石の一言に尽きます。

ファンとしては嬉しいところです。

個人的な考えですが
少女漫画は、ある種のファンタジーであり
ファンタジーであるがゆえに
現実から自らを癒すよすがにもなり
現実の鋭く切り取る武器にもなる、と思っています。

だからこそ、今の少女漫画家は
今の少女たちとかつての少女たちを
相手にするがゆえに
より、リアリストでなければならないのかもしれません。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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県庁おもてなし課

県庁おもてなし課県庁おもてなし課
(2011/03/29)
有川 浩

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県庁おもてなし課」(感想
(著)有川 浩

とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。
観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環として
地元出身の人気作家に観光特使就任を打診するが・・・。

「バカか、あんたらは」

いきなり浴びせかけられる言葉に掛水は思い悩む―
いったい何がダメなんだ!?
掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。

基本的なキャラクターの設定は
『図書館戦争』シリーズ、その他の著者の作品群で見たことのある感じで
ある種の既視感をおぼえますが・・・

驚かされるのは、巻末で
本物の高知県県庁のおもてなし課職員さんと対談されている
ところです。

前半のフリーランサーの作家(民間)と県庁(官)の職員
仕事に対する意識の違い、そのスピード感覚の“差”が
小気味良い様に表現されます。

ただ、県庁の職員側も単に、やる気がないように
書かれているのではなく、公平性など
民間では思いもつかないような部分で足止めを食らったり
民間と同じように前例の有無などに苦しめられます。

「なんで、うちの県には有川浩がおらんのじゃ~」(笑)
という気になりますが

地域活性化とか言葉だけが上滑りするのではなく

何よりも、自分の県には「何があるのか?」
もしくは「何がないのか?」

地元の人間では“風景”になりすぎているものに
気がつくことにより
「おもてなし課」はようやく
他者(観光客の)意識に少しずつ近づいていきます。

きちんとどこに予算をつけるのか
アシスタントの女性の意見によってら
食事の内容。トイレの問題、HP、パンフレットについても
きめ細かく考えられていくのは
ワクワクしてしまいます。

有川作品に必要な恋愛小説の部分も
二組のカップルの話としてきちんと語られますが。

個人的にはそれよりも
一個人の(作家)が直接、間接的に
一つの組織のある部分を活性化させ、
彼ら自身を自ら変化させたことに
純粋な驚きと、おもしろさを感じました。

興味をもたれた方は高知県庁おもてなし課のHPも
よければ、ご覧になられてください。

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キケン

キケンキケン
(2010/01/21)
有川 浩

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キケン」(感想
(著)有川 浩

成南電気工科大学機械制御研究部、通称「機研」。

うーーん。
著者が好きな『妖精作戦』を思い出しました。
青春の一時期を“部活”で切り取った作品なんですが

他の作品に比べ、登場人物の性格等が少々薄く感じました・・・

自分も、学校=在校生のものという意識があるので
よほどのことがないかぎり母校等には
顔を出さないので
作中のある人物の考え方に
かなり共感するものがありました。

ラストのある趣向には、少々、ぐっときましたが・・・
他の作品からすると、少々落ちる印象があります。

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よいこの黙示録 1巻

よいこの黙示録(1) (イブニングKC)よいこの黙示録(1) (イブニングKC)
(2011/03/23)
青山 景

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よいこの黙示録 1巻」(感想
(著)青山 景

小学生30人、大人1人 1つのクラスで作られる「新興宗教」

篠田節子『仮想儀礼』もそうなんですが
宗教を作る”あるいは神(もしくはカリスマ)を作る”ということは
とても、好きなテーマです。

その中で浮き彫りになる
個々の救い”であったり、反対に人間の持つ生の欲望”

どちらにしても、信じる”という行為が人間にとって
いかに、良くも悪くも大きな影響を与えることについて
しばし、考え込んでしまいました。

コミックスは始まったばかりで
これからどう変化していくのか

彼らの宗教は、彼らに、そして周囲に何をもたらすのか?
とても楽しみです。

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宇宙兄弟 13巻

宇宙兄弟(13) (モーニングKC)宇宙兄弟(13) (モーニングKC)
(2011/03/23)
小山 宙哉

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宇宙兄弟 13巻」(感想
(著)小山 宙哉

今巻は特に一話、一話毎の
終わり方、見せ方が
上手くなってきてるというか
どんどん格好良くなってきている気がします。

それにしても、映画化かぁ・・・

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吐息と稲妻

吐息と稲妻 (りぼんマスコットコミックス クッキー)吐息と稲妻 (りぼんマスコットコミックス クッキー)
(2011/03/15)
谷川 史子

商品詳細を見る

吐息と稲妻」(感想
(著)谷川 史子

六編収録の短編集。

中でも『雪の女王』が気に入りました。
内容自体は“(定番の)幼馴染もの”なのですが
男の彼女である『雪の女王』が登場しないのが新鮮でした。

表題作はタイトルがものすごく良いだけに
少々肩透かしの印象。

全体的に幼馴染のものが多く
通して読むと若干飽きてくるところが難点かなぁ・・・

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ゆうやみ特攻隊 7巻

ゆうやみ特攻隊(7) (シリウスコミックス)ゆうやみ特攻隊(7) (シリウスコミックス)
(2011/04/08)
押切 蓮介

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ゆうやみ特攻隊 7巻」(感想
(著)押切 蓮介

あらららら。
こっちの方向にきましたか・・・

主人公の一人・辻翔平と黒首島の因縁がとうとう語られますが・・・

うーん。
こういう展開はあまり好きじゃないんですよね。

ネタバレの為、反転

結局のところ、“血統”なのか?
伏線はいくつか引かれていたとはいえ

できれば、自分の意志で
無理とか無茶で、道理を引っ込めて欲しかったですね。
何かを代償にするとか。

結局のところ、眠っていた力が覚醒する”とか
親父が魔族”とか・・・そういったパターンは
正直、勘弁してもらいたいところです。


まぁ、そうはいっても
この著者ですから

こちらの予想をねじ伏せるような
展開を期待します。


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桔梗が咲いた

桔梗が咲いた (角川文庫)桔梗が咲いた (角川文庫)
(1986/08)
片岡 義男

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桔梗が咲いた」(感想
(著)片岡 義男

再読。

オートバイに乗る少年。
彼と年上の美しい女性のほんのわずかの邂逅。
その美しい情景から
三人の女性と一人の作家の座談会に物語は移ります。

座談会に臨む
(この著者らしい)美しい彼女たちの過去が語られ
てっきり、彼女たちが主役のように思えたのですが

その三人の会話の中から

理想の、そしてどこにもいない抽象的な少年を
いわば、“理想のオートバイ少年”を
物語に着地させようと、作家の想像力が展開していく
不思議な物語です。

最終的には一人の作家がいかにして
物語を紡ぎだしていくのか
『彼女のリアリズムが輝く』とは違った
創作の方法が語られます。

読んでいて、不意に登場する感のある
“あとがき”も、良い意味で物語を補完し
著者の作った一つの世界が
きちんと閉じたことを感じさせます。

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花もて語れ 2巻

花もて語れ 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)花もて語れ 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
(2011/03/30)
片山 ユキヲ

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花もて語れ 2巻」(感想
(著)片山 ユキヲ

ハナの“朗読”は満里子の心を動かすことができるのか?

いや~。繰り返しになりますが、これは良いマンガです。

『やまなし』の朗読の後半部分で
またも涙目になってしまいました。
最近、涙腺がゆるくなってばかりで・・・

満里子がお礼として朗読した
『春と修羅』も
先日、読み返したばかりで
驚きもひとしおでした。

作中では二人の友情と
またライバルとしても良い関係を続いていきそうです。

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進撃の巨人 4巻

進撃の巨人(4) (少年マガジンコミックス)進撃の巨人(4) (少年マガジンコミックス)
(2011/04/08)
諫山 創

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進撃の巨人 4巻」(感想
(著)諌山 創

おおっ!盛り返しやがった。

というのが正直な感想です。

絵で描き分けができる著者ではないので
今回の過去編のお陰で
ようやくメイン3人とサシャ(笑)以外のキャラクターが
把握できてきました。

今巻では、巨人は、捕食した人間を消化しないのかという
新たな謎が提示されましたが・・・

謎の解明といった意味では
今巻でもほとんど進んでいないのですが

その不満を補って余りある
前半のあるシーンで

主人公と、タイトルそして
昨今の情勢も省みてしまって

読みながら
涙目になってしまいました。

究極のところ
世界がどうであろうと
(生きている以上は)生きていくことしかできないわけで

ならばこそ、生者としてできることは
命に対して、誠実に生きることしかできない・・・
とか思ってしまいました。


あとは(強引に話を変えますが)サシャがスゴいです。
(色んな意味で)

巻末のウソ予告がなかったのは
残念ですが

著者の変な笑いのセンスも健在です。

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キック・アス

キック・アス DVDキック・アス DVD
(2011/03/18)
アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ 他

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キック・アス」(感想
(監督)マシュー・ヴォーン
(出演)アーロン・ジョンソン クロエ・グレース・モレッツ
ニコラス・ケイジ

主人公のデイヴは、スーパーヒーローに憧れる高校生。
誰もヒーローになろうとしない事に疑問をもち
ネットで購入したスーツを着てヒーロー“キック・アス”として活動を開始する。

ある時、三人組に襲われていた男を救う場面を
見物人から動画に撮られYouTubeにアップされて話題を呼ぶ。

そして、ある親子との出会いをキッカケに
麻薬組織のボスであるダミーコから狙われることになるのだが・・・。

うーーーん。

最初は、笑いながら
特殊能力のない普通の高校生がヒーローを目指し
なんとか奮闘するところは楽しみながら見ていたのですが。

中盤から、後半に入って、見ていて感じる違和感が
強くなってきました。

まぁ、R指定もむべなるかな。
暴力シーンは無駄にエグいし
主人公と同級生ヒロインの盛りのついた描写にげんなり・・・

正直、自分にとっての見所は途中から登場する“ヒットガール”が
後半ダミーゴのアジトに討ち入りに入る、数分間ぐらいですかね。

ラストのキッチンに隠れてからの数分間は
妙に間延びして、つまらなかったし

前半のヤクの売人の所では
「あ・・・殺しちゃうんだ」と正直、引きました。

結局、ダミーゴに復讐を企む父親の洗脳で
ためらいなく、普通に(麻薬に関係する人間なら)殺せる11歳の少女・・・。
まぁ、ヒーローっていうにはちょっと賛同しかねるところです。

普通の高校生である“キック・アス”との対比という意味も
あるのかもしれませんが・・・
成功していたとは、正直思えません。

最後の狂言回しのような、レッドミストとの因縁も
スパイダーマンとグリーン・ゴブリンの焼き増しにしか見えないし
(2の伏線といったところでしょうが・・・)

無理やり、色んな要素をぶち込んで
上手く消化できていない、そんな感じの印象を受けました。

自分にはちょっと・・・という作品でした。

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チアーズ!

チアーズ! [DVD]チアーズ! [DVD]
(2002/02/21)
キルステン・ダンスト、ジェシー・ブラッドフォード 他

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チアーズ!」(感想
監督ベイトン・リード
主演)キルステン・ダンスト

主人公のトーランス(トア)は
全国高校選手権優勝を続けているチアリーディング・チーム
「トロス」の新キャプテンに抜擢される。

今年も優勝と張り切るのだが
チームメイトの怪我から新メンバーのオーディション
そんな最中に持ち上がった演技の盗作疑惑など・・・
問題が山積するなか、彼女は「トロス」をどう率いていくのか?

今回も、“ブログDEロードショー”に参加させていただきました。

いやー。
開始して、すぐの夢のシーンで
「え、この作品を観るの?」と一瞬不安になりましたが・・・

盗作疑惑から
いい意味で色んな部分で
予想を裏切ってくれて

ネタバレの為反転

盗作をぬけぬけと肯定する元キャプテンの言い草とか。
元彼とか。
力いっぱいグーで殴りたくなります。

新しいプロの振り付け師を雇って
厳しい指導で強くなるんだ!とか思ってたら
詐欺とか。

結末も、決勝戦に出る前に
クリフが来ていることを喜ぶトーランスより
「クローヴァーズ」のリーダーのアイシスの方が
演技に集中しているような気がしますし
良い終わり方だったと思います。

『ロッキー』を思い出しました。


それにしてもこの作品は
ライバルチーム「クローヴァーズ」があってですよね。
特にリーダーのアイシスのキャラクターが良いです。

彼女がいるから
互いのリーダーとしての方向性も
明確化されます。

途中の小切手の下りも
トーランスはトーランスなりの誠意だった訳ですし

アイシスの対応も「クローヴァーズ」を率いる者として
当然の対応だと思います。

その上での全国大会での
お互いを認めた故のアドバイスの交換だとか

結果がでたあとのやり取りも
必要以上にベタベタしておらず
サラッと終わったところがセンスが良いですね。

正直、「クローヴァーズ」が主役でも
良かったんじゃないかと思ったぐらいでした(笑)

まあ、一つ個人的な希望を述べるとすると
もう少し、最後の大会への練習シーンが
多く欲しかった気がします。

『ロッキー』にしてもスポーツものには
努力の蓄積の描写が
きちんと積み重なれば、積み重なるほど
主人公たちに感情移入ができると思うので
そこが少々、気になりました。

それでも、最後の全国大会のチア・リーディングシーンは
圧巻で、何回も観返してしまいました。

全体を通してみると、
まず勢いがあって、気持ち良く観ることができました。

純粋に、楽しかったです。
また、次がどんな作品が選ばれるか
楽しみにしています。

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シュガーレス 6巻

シュガーレス 6 (少年チャンピオン・コミックス)シュガーレス 6 (少年チャンピオン・コミックス)
(2011/04/06)
細川 雅巳

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シュガーレス 6巻』(感想
(著)細川 雅巳


“俺は俺1人の力で

あの頃よりも上に行く

お前も

人を見下してばっかいると

俺みたいにマブタが

重くなっちまうぜ”



相変わらず、セリフが格好よすぎ。

今巻はジャージさんこと卜部が
主役級の活躍をしてくれます。

・・・すみません。本当に一年生の中で一番ヤラレ役とか勝手に思っていました。

表紙のシロもきっちり、締めるところは締めてくれて・・・

・・・あー。本来、主人公の椎葉岳は

「俺の首は安かねーんだよ 全員ブッとばしてやるから
治療費だけもらっとけ!!」

と謎の啖呵をきったり

とうとうシロに
“気絶して寝てるのがデフォルトのくせに”と
言われたりしています。

ただ


アレは

どうしようもない

バカ犬だからね

うかつに手ェ出すと

咬まれるんだよ

吠える

咬みつく

品が無い

笑っちゃうくらいに

剥き出しだ


彼があまりにも

前しか見ない

もんだから



脳ミソじゃなくて

アタマを

心臓じゃなくて

ココロを

ヤラレちゃってるんだよ


と他の登場人物に大きな影響を与えているのも
認めています。

少なくとも、昨日読んだ『WORST』よりは
数倍も面白く感じてしまいました。

主人公の資質というのか、資格という意味では
特にこういった、いわゆる不良マンガでは
“強さ”が一番の尺度になると思うのですが

もはや、この作品では
椎葉岳が負けても、負けても
(白目を剥き続けても)主人公たりえるのは
あきらめを知らずに戦い続けている姿勢が
主人公たりえているのかもしれません。

『WORST』の場合は
主人公・花が人格的な懐の広さ
(前作『クローズ』の古川修・ブルのように)
を持つことができるのか?

作中で最強の名をほしいままにしている
花木九里虎との関係をどう決着をつけるのか?

その二点をどうクリアするかによって
やっと、本当に主人公として認められる気がします。

まぁ、今でも鈴蘭の番長になる“器”には
思えないんですどね・・・

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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WORST 26巻

WORST 26 (少年チャンピオン・コミックス)WORST 26 (少年チャンピオン・コミックス)
(2011/04/06)
高橋 ヒロシ

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WORST 26巻」(感想
(著)高橋 ヒロシ

小学生の頃の同級生がコンビニを経営しているので
時々立ち寄るのですが

今朝、昼食の為にサンドイッチとお茶を買っていると
レジ横に『WORST 26巻』が平積みになっていたので
「おお、出てたんだ」とレジに置くと
同級生が「やめとけ。な」とレジを打ってくれません(笑)

誰も、並んでいないことを確かめ
自分)「なんで?」(小声で)
同級生)「おもろないぞ。お前が思っている以上にひどいぞ」
自分)「・・・なんか、逆に楽しみになってきた!!売って」
同級生)「やめとけって・・・」

冷静に考えると
売ってくれという客とそれを断る店長という
よく分からない光景が展開されていました。

他のお客さんがレジに並ぼうとされたので
ようやく、手に入れることができました。

15分程で読み終わったのですが・・・

結局、「予想も(悪い意味で)裏切り、期待も裏切る」という
最悪な結果となりました。

乱闘シーンもどっかでみた感じで

副ヘッド同士の決着は素敵なぐらいに水入りで
(色んな事に気がついていた、藤代 拓海の株だけ上がりっぱなし)

頭同士の決着は藪の中 って

悪い意味でパターン化してますね。

その上、何で、またいまさら萬侍帝国が・・・

昼過ぎに同級生に電話して謝りました。
「言ってた通りでした。申し訳ないです」って

本当にタイトルどおりの作品になってまいりました・・・・

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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シアター! 1・2巻

シアター! (メディアワークス文庫)シアター! (メディアワークス文庫)
(2009/12/16)
有川 浩

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シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
(2011/01/25)
有川 浩

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シアター! 1・2巻」(感想
(著)有川 浩

小劇団「シアターフラッグ」
――ファンも多いこの劇団に、解散の危機が迫っていた
・・・そう、お金がないのだ!!
その負債額300万円。

悩んだ主宰・春川巧は兄の司に泣きつくのだが・・・
兄は交換条件として

「2年間で劇団の収益から

この300万を返せ。

できない場合は

劇団を潰せ」


と提示する。
そして、プロの声優である羽田千歳の加入により劇団員は分裂、減少。
残ったメンバーで新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが・・・。
果たして、劇団は存続することができるのか?

一気に2巻まで読み終わりました。

それにしても、この著者は
金や現実的な事務処理能力の高い男を描くのが好きですね。

特有のベタ甘恋愛もそんなに感じず

劇団の存続の為に、個性豊かな劇団員たちが
少しづつ、演劇以外の事にも目を向けたり

“鉄血宰相”と異名をもつようになった兄の司自身も
ものを創ること、そしてそれに努力する劇団員の姿をみて
少しづつ変化がみられます。

登場人物一人ひとりの個性が2巻ぐらいになると
くっきりと表現され、非常におもしろかった。

特に今回は劇団員の四人の女性陣の
各々の“意地の張り方”が格好良く、可愛らしかった。

どうやら、次巻で完結とのことですが
スピンオフとかつくらずに、3巻でビシッと全ての人間関係
劇団・劇団員の今後も語りつくして欲しいですね。

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あなたが寝てる間に・・・

あなたが寝てる間に… [DVD]あなたが寝てる間に… [DVD]
(1998/08/21)
サンドラ・ブロック、ビル・プルマン 他

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あなたが寝てる間に・・・」(感想

(監督)ジョン・タートルトーブ
(主演)サンドラ・ブロック

地下鉄の改札で働くルーシーは、クリスマス・イヴの朝に
秘かに憧れていた弁護士ピーターがホームへ転落したのを助ける。

病院に連れて行き、些細な嘘から彼の家族から
(昏睡状態の彼の)婚約者と勘違いされてしまうことに・・・

今までの兄の女性遍歴を知る弟ジャックは
全く傾向の違う彼女に疑いを持つのだが・・・。

この映画、大好きです。
テンポ良く、一つの嘘が大きくなっていき
主人公を演じるサンドラ・ブロックの魅力が一番出ている気がします。

単純なヒロインでなく
孤独を感じさせるところでは感じさせ
このシーンで登場人物に深みがでた感じがします。

このあと、サンドラはオスカーを獲ったり
弟のジャック演じるビル・プルマンも
この後では大統領を演じたりしますが

この作品は彼らのまだ、素朴な魅力の溢れた
笑わせるところはしっかり笑うことができ
感動できるところは感動させてくれる、いい作品です。

登場人物も脇役も全て好きなのですが
個人的にはアパートの管理人の息子ジョー・Jrが
お気に入りです。

テーマ:DVD - ジャンル:映画

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宮沢賢治詩集 宮沢賢治全集1巻

新編宮沢賢治詩集 (新潮文庫)新編宮沢賢治詩集 (新潮文庫)
(1991/07)
宮沢 賢治、天沢 退二郎 他

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宮沢賢治全集〈1〉 (ちくま文庫)宮沢賢治全集〈1〉 (ちくま文庫)
(1986/02)
宮沢 賢治

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(著)宮沢 賢治  (編)天沢 退二郎

今朝は、驚く程青い空で
それに見とれていると
不意に、「・・・四月の気層のひかりの底を」という言葉が
頭に浮かんできたので
久しぶりに『春と修羅』を読み返してしまいました。

心象のはひいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲模様
(正午の管楽よりもしげく
 琥珀のかけらがそそぐとき)
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾しはぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
砕ける雲の眼路をかぎり
 れいろうの天の海には
  聖玻璃の風が行き交ひ
   ZYPRESSEN 春のいちれつ
    くろぐろと光素(エーテル)を吸ひ
     その暗い脚並からは
      天山の雪の稜さへひかるのに
      (かげろふの波と白い偏光)
      まことのことばはうしなはれ
     雲はちぎれてそらをとぶ
    ああかがやきの四月の底を
   はぎしり燃えてゆききする
  おれはひとりの修羅なのだ
  (玉髄の雲がながれて
   どこで啼くその春の鳥)
  日輪青くかげろへば
    修羅は樹林に交響し
     陥りくらむ天の椀から
      黒い木の群落が延び
       その枝はかなしくしげり
      すべて二重の風景を
     喪神の森の梢から
    ひらめいてとびたつからす
    (気層いよいよすみわたり
     ひのきもしんと天に立つころ)
草地の黄金をすぎてくるもの
ことなくひとのかたちのもの
けらをまとひおれを見るその農夫
ほんたうにおれが見えるのか
まばゆい気圏の海のそこに
(かなしみは青々ふかく)
ZYPRESSEN しづかにゆすれ
鳥はまた青ぞらを截る
(まことのことばはここになく
 修羅のなみだはつちにふる)
あたらしくそらに息つけば
ほの白く肺はちぢまり
(このからだそらのみぢんにちらばれ)
いてふのこずゑまたひかり
ZYPRESSEN いよいよ黒く
雲の火ばなは降りそそぐ

『小岩井農場』
パート一
(略)
(これがじつにいゝことだ
 どうしようか考へてゐるひまに
 それが過ぎて滅くなるといふこと)

パート四
(略)
いまこそおれはさびしくない
たつたひとりで生きて行く
こんなきままなたましひと
たれがいつしよに行けようか

(略)

そんなさきまでかんがへないでいい
ちからいつぱい口笛を吹け
口笛をふけ 陽の錯綜
たよりもない光波のふるひ
すきとほるものが一列わたくしのあとからくる
ひかり かすれ またうたふやうに小さな胸を張り
またほのぼのとかゞやいてわらふ
みんなすあしのこどもらだ

パート九

わたくしはなにをびくびくしてゐるのだ
どうしてもどうしてもさびしくてたまらないときは
ひとはみんなきつと斯ういふことになる
きみたちとけふあふことができたので
わたくしはこの巨きな旅のなかの一つづりから
血みどろになつて遁げなくてもいいのです

(略)

じぶんとそれからたつたもひとつのたましひと
完全そして永久にどこまでもいつしよに行かうとする
この変態を恋愛といふ

そしてどこまでもその方向では
決して求め得られないその恋愛の本質的な部分を
むりにもごまかし求め得ようとする
この傾向を性慾といふ

(略)

もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる

けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ

ラリツクス ラリツクス いよいよ青く
雲はますます縮れてひかり

わたくしはかつきりみちをまがる

『永訣の朝』

けふのうちに
とほくへいつてしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ

(あめゆじゆとてちてけんじや)

うすあかくいつそう陰惨な雲から
みぞれはびちよびちよふつてくる

(あめゆじゆとてちてけんじや)

青い蓴菜のもやうのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがつたてつぱうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした

(あめゆじゆとてちてけんじや)

蒼鉛いろの暗い雲から
みぞれはびちよびちよ沈んでくる

ああとし子
死ぬといふいまごろになつて
わたくしをいつしやうあかるくするために
こんなさつぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ

ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまつすぐにすすんでいくから

(あめゆじゆとてちてけんじや)

はげしいはげしい熱やあへぎのあひだから
おまへはわたくしにたのんだのだ
銀河や太陽 気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを・・・・・・
・・・・・・ふたきれのみかげせきざいに

みぞれはさびしくたまつてゐる
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまつしろな二相系をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらつていかう

わたしたちがいつしよにそだつてきたあひだ
みなれたちやわんのこの藍のもやうにも
もうけふおまへはわかれてしまふ

(Ora Orade Shitori egumo)

ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
あああのとざされた病室の
くらいびやうぶやかやのなかに
やさしくあをじろく燃えてゐる
わたくしのけなげないもうとよ

この雪はどこをえらばうにも
あんまりどこもまつしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ

(うまれでくるたて
こんどはこたにわりやのごとばかりで
くるしまなあよにうまれてくる)

おまへがたべるこのふたわんのゆきに
わたくしはいまこころからいのる

どうかこれが天上のアイスクリームになつて
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ

『松の針』

さつきのみぞれをとつてきた
あのきれいな松のえだだよ

おお おまへはまるでとびつくやうに
そのみどりの葉にあつい頬をあてる

そんな植物性の青い針のなかに
はげしく頬を刺させることは
むさぼるやうにさへすることは
どんなにわたくしたちをおどろかすことか

そんなにまでもおまへは林へ行きたかつたのだ

おまへがあんなにねつに燃され
あせやいたみでもだえてゐるとき

わたくしは日のてるとこでたのしくはたらいたり
ほかのひとのことをかんがへながら森をあるいてゐた

ああいい さつぱりした
まるで林のながさ来たよだ

鳥のやうに栗鼠のやうに
おまへは林をしたつてゐた
どんなにわたくしがうらやましかつたらう

ああけふのうちにとほくへさらうとするいもうとよ
ほんたうにおまへはひとりでいかうとするか

わたくしにいつしよに行けとたのんでくれ
泣いてわたくしにさう言つてくれ

おまへの頬の けれども
なんといふけふのうつくしさよ

わたくしは緑のかやのうへにも
この新鮮な松のえだをおかう
いまに雫もおちるだらうし

そら
さはやかな
terpentineの匂もするだらう

『無声慟哭』

こんなにみんなにみまもられながら
おまへはまだここでくるしまなければならないか

ああ巨きな信のちからからことさらにはなれ
また純粋やちひさな徳性のかずをうしなひ
わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき

おまへはじぶんにさだめられたみちを
ひとりさびしく往かうとするか

信仰を一つにするたつたひとりのみちづれのわたくしが
あかるくつめたい精進のみちからかなしくつかれてゐて

毒草や蛍光菌のくらい野原をただよふとき
おまへはひとりどこへ行かうとするのだ

(おら おかないふうしてらべ)

何といふあきらめたやうな悲痛なわらひやうをしながら
またわたくしのどんなちひさな表情も
けつして見遁さないやうにしながら
おまへはけなげに母に訊くのだ

(うんにや ずゐぶん立派だぢやい
 けふはほんとに立派だぢやい)

ほんたうにさうだ

髪だつていつそうくろいし
まるでこどもの苹果の頬だ
どうかきれいな頬をして
あたらしく天にうまれてくれ

それでもからだくさえがべ?
うんにや いつかう

ほんたうにそんなことはない
かへつてここはなつののはらの
ちひさな白い花の匂でいつぱいだから

ただわたくしはそれをいま言へないのだ

(わたくしは修羅をあるいてゐるのだから)

わたくしのかなしさうな眼をしてゐるのは
わたくしのふたつのこころをみつめてゐるためだ

ああそんなに
かなしく眼をそらしてはいけない

『青森挽歌』

こんなやみよののはらのなかをゆくときは
客車のまどはみんな水族館の窓になる
(乾いたでんしんばしらの列が
 せはしく遷つてゐるらしい
 きしやは銀河系の玲瓏レンズ
 巨きな水素のりんごのなかをかけてゐる)

りんごのなかをはしつてゐる
けれどもここはいつたいどこの停車場だ
枕木を焼いてこさへた柵が立ち
(八月の よるのしじまの 寒天凝膠(アガアゼル))

(略)

(おそろしいあの水いろの空虚なのだ)
汽車の逆行は希求の同時な相反性
こんなさびしい幻想から
わたくしははやく浮びあがらなければならない

そこらは青い孔雀のはねでいつぱい
真鍮の睡さうな脂肪酸にみち
車室の五つの電燈は
いよいよつめたく液化され

(考へださなければならないことを
 わたくしはいたみやつかれから
 なるべくおもひださうとしない)

(略)

あいつはこんなさびしい停車場を
たつたひとりで通つていつたらうか
どこへ行くともわからないその方向を
どの種類の世界へはひるともしれないそのみちを
たつたひとりでさびしくあるいて行つたらうか

(草や沼やです
一本の木もです)

ギルちやんまつさをになつてすわつてゐたよ
こおんなにして眼は大きくあいてたけど

ぼくたちのことはまるでみえないやうだつたよ

ナーガラがね 眼をじつとこんなに赤くして
だんだん環 をちひさくしたよ こんなに

し 環をお切り そら 手を出して

ギルちやん青くてすきとほるやうだつたよ
鳥がね たくさんたねまきのときのやうに
ばあつと空を通つたの

でもギルちやんだまつてゐたよ

お日さまあんまり変に飴いろだつたわねえ
ギルちやんちつともぼくたちのことみないんだもの

ぼくほんたうにつらかつた

さつきおもだかのとこであんまりはしやいでたねえ
ギルちやんぼくたちのことみなかつたらう

忘れたらうかあんなにいつしよにあそんだのに

かんがへださなければならないことは
どうしてもかんがへださなければならない

とし子はみんなが死ぬとなづける
そのやりかたを通つて行き
それからさきどこへ行つたかわからない

それはおれたちの空間の方向ではかられない
感ぜられない方向を感じようとするときは
たれだつてみんなぐるぐるする

耳ごうど鳴つてさつぱり聞けなぐなつたんちやい

さう甘えるやうに言つてから
たしかにあいつはじぶんのまはりの
眼にははつきりみえてゐる

なつかしいひとたちの声をきかなかつた
にはかに呼吸がとまり脈がうたなくなり
それからわたくしがはしつて行つたとき

あのきれいな眼が
なにかを索めるやうに空しくうごいてゐた

それはもうわたくしたちの空間を二度と見なかつた

それからあとであいつはなにを感じたらう
それはまだおれたちの世界の幻視をみ
おれたちのせかいの幻聴をきいたらう

わたくしがその耳もとで
遠いところから声をとつてきて
そらや愛やりんごや風 すべての勢力のたのしい根源
万象同帰のそのいみじい生物の名を
ちからいつぱいちからいつぱい叫んだとき
あいつは二へんうなづくやうに息をした

白い尖つたあごや頬がゆすれて
ちひさいときよくおどけたときにしたやうな
あんな偶然な顔つきにみえた
けれどもたしかにうなづいた

(略)

(宗谷海峡を越える晩は
わたくしは夜どほし甲板に立ち
あたまは具へなく陰湿の霧をかぶり
からだはけがれたねがひにみたし
そしてわたくしはほんたうに挑戦しよう)

たしかにあのときはうなづいたのだ
そしてあんなにつぎのあさまで
胸がほとつてゐたくらゐだから

わたくしたちが死んだといつて泣いたあと
とし子はまだまだこの世かいのからだを感じ

ねつやいたみをはなれたほのかなねむりのなかで
ここでみるやうなゆめをみてゐたかもしれない

そしてわたくしはそれらのしづかな夢幻が
つぎのせかいへつゞくため
明るいいゝ匂のするものだつたことを
どんなにねがふかわからない

(略)

たしかにとし子はあのあけがたは
まだこの世かいのゆめのなかにゐて

落葉の風につみかさねられた
野はらをひとりあるきながら

ほかのひとのことのやうにつぶやいてゐたのだ
そしてそのままさびしい林のなかの
いつぴきの鳥になつただらうか

I'estudiantina を風にききながら
水のながれる暗いはやしのなかを
かなしくうたつて飛んで行つたらうか

やがてはそこに小さなプロペラのやうに
音をたてて飛んできたあたらしいともだちと
無心のとりのうたをうたひながら
たよりなくさまよつて行つたらうか

わたくしはどうしてもさう思はない

なぜ通信が許されないのか

許されてゐる そして私のうけとつた通信は
母が夏のかん病のよるにゆめみたとおなじだ

どうしてわたくしはさうなのをさうと思はないのだらう

それらひとのせかいのゆめはうすれ
あかつきの薔薇いろをそらにかんじ
あたらしくさはやかな感官をかんじ
日光のなかのけむりのやうな羅をかんじ

かがやいてほのかにわらひながら
はなやかな雲やつめたいにほひのあひだを
交錯するひかりの棒を過ぎり

われらが上方とよぶその不可思議な方角へ
それがそのやうであることにおどろきながら
大循環の風よりもさはやかにのぼつて行つた

わたくしはその跡をさへたづねることができる

(略)

わたくしのこんなさびしい考は
みんなよるのためにできるのだ

夜があけて海岸へかかるなら
そして波がきらきら光るなら
なにもかもみんないいかもしれない

けれどもとし子の死んだことならば
いまわたくしがそれを夢でないと考へて

あたらしくぎくつとしなければならないほどの
あんまりひどいげんじつなのだ

感ずることのあまり新鮮にすぎるとき
それをがいねん化することは
きちがひにならないための
生物体の一つの自衛作用だけれども

いつでもまもつてばかりゐてはいけない

ほんたうにあいつはここの感官をうしなつたのち
あらたにどんなからだを得
どんな感官をかんじただらう
なんべんこれをかんがへたことか

むかしからの多数の実験から
倶舎がさつきのやうに云ふのだ
二度とこれをくり返してはいけない

おもては軟玉と銀のモナド
半月の噴いた瓦斯でいつぱいだ

巻積雲のはらわたまで
月のあかりはしみわたり
それはあやしい蛍光板になつて
いよいよあやしい苹果の匂を発散し
なめらかにつめたい窓硝子さへ越えてくる

青森だからといふのではなく

大てい月がこんなやうな暁ちかく
巻積雲にはひるとき・・・・・・

おいおい あの顔いろは少し青かつたよ

だまつてゐろ

おれのいもうとの死顔が
まつ青だらうが黒からうが
きさまにどう斯う云はれるか

あいつはどこへ堕ちようと
もう無上道に属してゐる

力にみちてそこを進むものは
どの空間にでも勇んでとびこんで行くのだ

ぢきもう東の鋼もひかる

ほんたうにけふの・・・・・・・きのふのひるまなら
おれたちはあの重い赤いポムプを・・・・・・・

もひとつきかせてあげよう

ね じつさいね
あのときの眼は白かつたよ
すぐ瞑りかねてゐたよ

まだいつてゐるのか

もうぢきよるはあけるのに
すべてあるがごとくにあり
かゞやくごとくにかがやくもの

おまへの武器やあらゆるものは
おまへにくらくおそろしく
まことはたのしくあかるいのだ

みんなむかしからのきやうだいなのだから
けつしてひとりをいのつてはいけない

ああ わたくしはけつしてさうしませんでした
あいつがなくなつてからあとのよるひる
わたくしはただの一どたりと
あいつだけがいいとこに行けばいいと
さういのりはしなかつたとおもひます

『宗谷挽歌』

こんな誰も居ない夜の甲板で
(雨さへ少し降ってゐるし、)
海峡を越えて行かうとしたら、(漆黒の闇のうつくしさ。)
私が波に落ち或いは空に擲げられることがないだらうか。
それはないやうな因果連鎖になってゐる。

けれどももしとし子が夜過ぎて
どこからか私を呼んだなら
私はもちろん落ちて行く。

とし子が私を呼ぶといふことはない
呼ぶ必要のないとこに居る。

もしそれがさうでなかったら
(あんなひかる立派なひだのある
 紫いろのうすものを着て
 まっすぐにのぼって行ったのに。)

もしそれがさうでなかったら
どうして私が一緒に行ってやらないだらう。

(略)

とし子、ほんたうに私の考へてゐる通り
おまへがいま自分のことを苦にしないで行けるやうな
そんなしあはせがなくて
従って私たちの行かうとするみちが
ほんたうのものでないならば

あらんかぎり大きな勇気を出し
私の見えないちがった空間で
おまへを包むさまざまな障害を
衝きやぶって来て私に知らせてくれ。

われわれが信じわれわれの行かうとするみちが
もしまちがひであったなら

究竟の幸福にいたらないなら
いままっすぐにやって来て
私にそれを知らせて呉れ。

みんなのほんたうの幸福を求めてなら
私たちはこのまゝこのまっくらな
海に封ぜられても悔いてはいけない。

(略)

永久におまへたちは地を這ふがいい。
さあ、海と陰湿の夜のそらとの鬼神たち

私は試みを受けよう。

そして一番好きな詩は

『告別』

おまへのバスの三連音が
どんなぐあひに鳴ってゐたかを
おそらくおまへはわかってゐまい

その純朴さ希みに充ちたたのしさは
ほとんどおれを草葉のやうに顫はせた

もしもおまへがそれらの音の特性や
立派な無数の順列を
はっきり知って自由にいつでも使へるならば
おまへは辛くてそしてかゞやく天の仕事もするだらう

泰西著名の楽人たちが
幼齢弦や鍵器をとって
すでに一家をなしたがやうに

おまへはそのころ
この国にある皮革の鼓器と
竹でつくった管とをとった

けれどもいまごろちゃうどおまへの年ごろで
おまへの素質と力をもってゐるものは
町と村との一万人のなかになら
おそらく五人はあるだらう

それらのひとのどの人もまたどのひとも
五年のあひだにそれを大抵無くすのだ

生活のためにけづられたり
自分でそれをなくすのだ
すべての才や力や材といふものは
ひとにとゞまるものでない

ひとさへひとにとゞまらぬ

云はなかったが、
おれは四月はもう学校に居ないのだ
恐らく暗くけはしいみちをあるくだらう

そのあとでおまへのいまのちからがにぶり
きれいな音の正しい調子とその明るさを失って
ふたたび回復できないならば

おれはおまへをもう見ない

なぜならおれは
すこしぐらゐの仕事ができて
そいつに腰をかけてるやうな
そんな多数をいちばんいやにおもふのだ

もしもおまへが
よくきいてくれ
ひとりのやさしい娘をおもふやうになるそのとき
おまへに無数の影と光の像があらはれる
おまへはそれを音にするのだ

みんなが町で暮したり
一日あそんでゐるときに
おまへはひとりであの石原の草を刈る
そのさびしさでおまへは音をつくるのだ

多くの侮辱や窮乏の
それらを噛んで歌ふのだ

もしも楽器がなかったら
いゝかおまへはおれの弟子なのだ
ちからのかぎり
そらいっぱいの
光でできたパイプオルガンを弾くがいゝ

他にもいい詩が一杯あるので
機会があったら読んでいただきたい本の一つです。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

23 : 00 : 00 | 本感想 | TB(1) | Comment(0) | UP↑

おしゃべりしていればだいじょうぶ

おしゃべりしていればだいじょうぶおしゃべりしていればだいじょうぶ
(2004/09)
五味 太郎

商品詳細を見る

おしゃべりしていたらだいじょうぶ」(感想)
(著)五味 太郎
そう、おしゃべりは素ッピンがいいのさ。
そのまんまがいいのさ。
それゆえにおしゃべりは貴重なわけよ。
どんなことにも効く、五味太郎の痛快おしゃべり哲学。

一つ間違えれば、単なるおっさんの戯言のようにも読めますが

既存の価値観をひっくり返し、権威や教育
耳当たりの良い内容のない言葉をあっさりと斬り捨て

たとえば『極意』と題された文章では

おしゃべりの基本は

あまり考えないことな。


頭に浮かんだことをそのまま口にするのさ。
浮かばないこともついでに口にしちゃうの。

これ言うと相手にどう思われるかしらとか
これを言うにはいったいどう表現したらいいんだろうか
なんて難しいことは一切考えずに、
ただべらべらやっているのがいいんだよ。

何がいいのかよく判らないけれど、
そのわからないところがなんともいいのさ。

ま、散歩しているみたいなものな。

散歩は健康にいいなんていう

散歩はだらしないよ。


散歩をしていると四季の移り変わりが
肌で感じられますし、行き交う人々との交流も
また楽しみのひとつですなんていう散歩は

最悪だな

邪道だね。

散歩はただ散歩していると

いうのがいいのさ。



その人の、そのままの言葉の方が(多少は)意味があるんじゃないか?と
読者に問うてくる感じがなんともいえません。

だいたい
“散歩は健康にいいなんていう散歩は
だらしないよ。”

ここで、だらしない、なんて言葉が
普通の人間の思考じゃ出てこない気がします・・・

あくまで、明確な答えは出さずに
あとは、自分の頭で考えろとばかりに

ニヤニヤと笑いながら
軽く、自分の言いたいことを、すっと言って
去っていくような、そんな本でした。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

20 : 20 : 00 | 本感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

さしむかいラブソング―「彼女と別な彼の短編」(片岡義男コレクション2)

さしむかいラブソング―彼女と別な彼の短篇 (ハヤカワ文庫JA―片岡義男コレクション)さしむかいラブソング―彼女と別な彼の短篇 (ハヤカワ文庫JA―片岡義男コレクション)
(2009/05/05)
片岡 義男

商品詳細を見る

さしむかいラブソング―「彼女と別な彼の短篇」片岡義男コレクション2」(感想
(著)片岡 義男 (編集)北上 次郎

こちらも編者でもある、北上次郎氏の解説が
ほとんどすべての的確な書評を書かれているので
本当に書くことがないくらいです。

今回は恋愛に焦点を当てた短編集なのですが
まず、表題作の意外な展開、終わり方には
圧倒されました。

あとはストリップ劇場で見かけた理想の女性を
探し旅をする男を描いた
『ひと目だけでも』

話の概略だけですと単なるストーカー
(便利というか、色々語弊のある言葉なんですが)を
主人公に据えた物語のように、思えてしまいがちなんですが。

最初のヒロインの外見の描写もさることながら

主人公自身が、自分が彼女に惹かれていることや
行動の逸脱具合を比較的、冷静に捉えているところ。
そして、実際に出会った彼女の立ち振る舞いなどを
読んでいると

「これぐらい、理想に近けりゃ探すかも?」

と思わせるような
そして、物語そのものも不思議な余韻を残すような
終わり方をしています。

あと、会社を辞めた男が久し振りに帰った地元で
恋人の親友に会うことになる
『いつもの彼女、別な彼』

この作品も恋人や、その親友である女性たちの心情が
全くといって良いほど(笑)
理解ができないので

「こういう意図なのか?」とか
色々と推測していると、物語は終わってしまい
しばし、ぼーっとしてしまうというのか
余韻が後を引きます。

自分にとって、片岡義男という作家の印象が
変わりつつあります。

正直、短編集も当たり外れがあるので
好きな作品集とそうでないものの差が激しかったり

昔は、こういったアーバン(笑)な恋愛小説に対する
抵抗感が強く

安易にさらっと昔の恋人を誘ったり
その誘いをかわしたり、乗ったりできたり

二股をかけていても、特に気にしなかったり
それに対して激昂するわけでもなく
冷静に悲しみをあらわしたりする登場人物たちが

まさしく“別世界”の人間にしか思えませんでした。

今でも、その感覚は残っているのですが
まぁ、いい意味で「それはそれ、これはこれ」と
自分とは切り離して読めるようになりました。

むしろ、自分と全く違うからこそ
面白くなってきたそんな印象すら受けてしまいます。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

23 : 59 : 00 | 本感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

王狩 1・2巻

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(2011/03/23)
青木 幸子

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王狩 1~2巻」(感想
(著)青木 幸子

2巻がようやく、手に入りました。

1巻の段階では“絶対的な記憶”を持つ主人公が強くないのが
逆に、新鮮な将棋マンガでしたが

2巻では主人公のライバルたちも
それぞれ見せ場があったり

主人公もようやく才能を開花させ始め
だんだんとおもしろくなってきました。

将棋を“絵”にして(読者)に面白さを伝えるのは
なかなか、難しいと思うのですが
結構、成功している方ではないかと思います。

インターネットの普及によって
対局等の情報が容易になった現代を
“高速道路”
そして、情報力の均衡した対戦相手との戦いを
“高速道路上の渋滞”と喩え

その渋滞からいかにして脱出するか
すなわち、いかにして勝つかを
模索している様が非常に分かりやすかった気がします。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

20 : 00 : 00 | コミックス感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

鋼鉄の華っ柱 1巻

鋼鉄の華っ柱 1 (少年サンデーコミックス)鋼鉄の華っ柱 1 (少年サンデーコミックス)
(2011/03/19)
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鋼鉄の華っ柱 1巻」(感想
(著)西森 博之

今のところ様子見です。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

20 : 00 : 00 | コミックス感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

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