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GIANT KILLING 12巻

GIANT KILLING 12 (モーニングKC)GIANT KILLING 12 (モーニングKC)
(2009/10/23)
ツジトモ

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GIANT KILLING 12巻」(感想
(著)ツジトモ
(原案・取材協力)綱本 将也

東京ダービー開幕。
不振にあえぐ東京ヴィクトリーと戦うETU。

勝っているのに
この追い詰められた感じは何なんでしょうか。

面白いなぁ。
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空色動画 3巻

空色動画 3 (シリウスコミックス)空色動画 3 (シリウスコミックス)
(2009/04/23)
片山 ユキヲ

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空色動画 3巻」(感想
(著)片山 ユキヲ

遅くなりましたが
空色動画、3巻の感想を。

女子高生3人組がアニメを作っていくこの作品
1~2巻までの集大成ともいえる文化祭編と
ストリートアート集団・狩生派との壁アニメ合戦が映えるレト編が収録。

惜しいことにこの巻で完結です。

動画(アニメ)を「つくる」ことが重要な要素であるために
これ以上続けるのが難しかったのか

別の理由があるのかは一読者の立場では
わかりませんが

この気持ちの良い主人公たちの物語を
もう少し読みたかった。

シンプルにそう思います。

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NR(ノーリターン)

NR(ノーリターン)NR(ノーリターン)
(2004/12)
川島 誠

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NR(ノーリターン)」(感想)
(著)川島 誠

心底、つまんねえ。

記憶を失った少年の物語なんですが・・・・
久し振りに、読み進めるのが苦痛な作品でした。

どの世代の読者に向けて書かれているのか
わかりませんし
正直、何が語りたかったのかも
わかりませんでした。

この著者の作品は
『800』がやっぱり素晴らしすぎるのか。

特徴としては陸上部分の爽快さと
綺麗事でない独特の乾いた感じの性描写が
あげられると思うのですが。

今回の作品ではそれが生かされずに
そのまま、素材だけ
とりあえず、入れられているというのか・・・。

中年の主人公の再生を描くはずの『もういちど走り出そう』の
結末のしょーもなさに唖然とし

その当時、白石一文も併行していくつか読んでいて
「お前らの出す結論って、不倫とかしかねーのかよ」と
うんざりした記憶があります。

図書館で久し振りに見かけてこの著者の作品を
手にとったのですが・・・

いや~。
次にこの著者の作品を読むことはないと思います。

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ささめきこと 5巻

ささめきこと 5 (MFコミックス アライブシリーズ)ささめきこと 5 (MFコミックス アライブシリーズ)
(2009/09/23)
いけだ たかし

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ささめきこと 5巻」(感想
(著)いけだ たかし

前巻までの表紙とも違い
作品の展開とともに
ヒロインの一人“汐”の憂いが全面に出ています。

まぁ・・・作品としては今後どうするんでしょうかね。

お互いの感情を受け入れるのか。
友人関係に戻るのか。

著者がどういう結末をつけるのか
それによって
この作品の最終的な評価は分かれるような気がします。

正直、この著者の描くコメディ部分は
自分は合わないのですが

今巻では
相手を出会ったこと、好きになったことを後悔する
恋愛時の感情の揺り返しの表現が
上手くて。
こういった感情表現のためだけに読んでるなぁ~と思った次第です。

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プラナリア

プラナリアプラナリア
(2000/10)
山本 文緒

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プラナリア」(感想
(著)山本 文緒

いや~。面白い。

乳がんの手術後、プーをつづけているヒロイン
春香の内面を描いた表題作。

なんというか、昨日読んだ『ブラック・ティー』よりも
確実に言葉の量や密度のようなものが上がっていて
それが、ますます、主人公のどこにも行けなさ
ダメさ、自己憐憫の強さ、周囲の人間の無神経さが際立っています。

あとは離婚前に「さもしい生き方」と非難され
働くことが好きで、怠けることが嫌いだった主人公が
慰謝料で買った古びた1LDKに無気力に暮らす『ネイキッド』
ここの友人との会話と互いの関係がとてもリアル。

娘と息子、そして出向され給与の減った夫の為に
パートに出かける主人公の生活を描いた『どこかではないここ』

たぶん、その他の作家さんであれば
犯罪に手を染めたり、ギャンブルにハマったりする展開を
用意するかもしれませんが

そういう展開にもせず
破綻の見え隠れする日常を淡々と
綱渡りのようにわたっていく主人公と
思い通りにならない家族の姿が印象的でした。

あとは『囚われ人のジレンマ』と『あいあるあした』

最後の『あいあるあした』以外は
基本的には救いがなく
主人公たちのイヤーな感じが変にリアルで

きれいごとで割り切れない
ままならない感じがいいです。

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ブラック・ティー

ブラック・ティーブラック・ティー
(1995/03)
山本 文緒

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ブラック・ティー」(感想
(著)山本 文緒

この著者の作品は
なにか読んだことあるはずなんですが・・・
(タイトルすら思い出せません)

その時はピンとこなかったのですが

この作品は面白かったです。
なんというのか、リアルな登場人物のイヤな感じ
読んでいて、いつまでも消えない違和感のようなものが
だんだん、気持ち良くなってきます。

不意に、友人や家族から告げられる一言が強烈な
『寿』『ニワトリ』

上記の二話ほどではないにしろ
一つのセリフがポンと作品の色合いを変えさせる
『夏風邪』

「あー。この辺の感覚は一生理解できねえ」と思った
DV夫に対する感情を描いた『少女趣味』

都会で暮らす為の、前向きでないサバイバル
(といったらいいのか・・・)
表題作『ブラック・ティー』『水商売』

などがオススメです。

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ドラゴン・ティアーズ―龍涙

ドラゴン・ティアーズ──龍涙ドラゴン・ティアーズ──龍涙
(2009/08/07)
石田 衣良

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ドラゴン・ティアーズ―龍涙」(感想
(著)石田 衣良

『キャッチャー・オン・ザ・目白通り』
『家なき者のパレード』
『であい系サンタクロース』
『ドラゴン・ティアーズ―龍涙』
の4編収録。

IWGPこと池袋ウエストゲートパークシリーズも九冊目。

このシリーズの読者であれば
各話タイトルを見れば
「ああ、多分、こんな感じの話だろうな」と想像がつくと思います。

残念なことに、読み終わっても
「まぁ、こんなもんでしょう」と
予想の範囲内から一歩も出ていないことに
もはや、何も感じなくなりつつあります。
(表題作なんて、
結構、びっくりしなければいけない内容を含んでいるはずなのですが)

う~ん。
まぁ、面白くないとわけではないというのが
結構、曲者というのか。

もはや、固まったパターンに
流行や時事ネタを取り入れて作品を作っていく。

それが、ある程度の基準はクリアしているのが
なんとも・・・・

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ダブルハウス

ダブルハウス (YOUNG YOUコミックス)ダブルハウス (YOUNG YOUコミックス)
(1998/08)
不明

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ダブルハウス」(感想
(著)榛野  なな恵

ニューハーフのマホと夜間ビル掃除の女の子・藤子。
同じアパートのお隣同士に住むふたり。
世の中の枠組にはとらわれない二人の関係を描く3篇と
読み切り『ティンカーベルの犯罪』を収録。

再読。

この作品もお気に入りの一つです。
マイノリティであることを声高に主張はしない。
ただ、そのことに自覚して、受容し
きちんと生きている姿に
人間として、憧れます。

同著者の『papa told me』の
主人公・知世が作品の構造上、年を取らないため
外見・立場は小学生のまま
どんどん思考が大人=著者に近づきすぎて
無理が生じているように思うのですが

この作品では成人した登場人物を
配しているために
そんな違和感もなく
読むことが出来ます。

読みきり作品も、結末の不確かさも含めて
独特の雰囲気があって
忘れがたい作品です。

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GIANT KILLING 11巻

GIANT KILLING 11 (モーニングKC)GIANT KILLING 11 (モーニングKC)
(2009/07/23)
綱本 将也

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GIANT KILLING 11巻」(感想
(画)ツジトモ
(原案・取材協力)綱本 将也

川崎戦決着。

面白いなぁ。

もう少し、展開が速くても良いかなと思っていた時期もあったのですが
もうこのまま、ゆっくりと楽しませてくれるのも、いいかなと思いました。
(『おおきく振りかぶって』と一緒で)

ボールをいかに繋いでいくのか。
ポジション争い。

当たり前のことですが
今まで登場してきた人物たちの個性が見えるたびに
愛着がわき
次の展開が楽しみになります。

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GIANT KILLING 10巻

GIANT KILLING 10 (モーニングKC)GIANT KILLING 10 (モーニングKC)
(2009/04/23)
綱本 将也

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GIANT KILLING 10巻」(感想
(画)ツジトモ
(原案・取材協力)綱本 将也

今回もまだ、面白さが衰えません。
サポーターたちの話が少しずつ増えているのが嬉しいところです。
五輪代表入りで赤崎の離脱。
村越と王子こと“ジーノ”も欠場。

迎えた川崎戦でメンバーはベテラン陣を起用するも
ゲームキャプテンは椿・・・
その采配は吉とでるか、凶とでるのか。

ETUがクラブチームとしてやっていくには
選手もフロントも地元の人たちも
食堂のおばちゃんたち、ジュニアのコーチも巻き込んだ
カレーパーティー。

価値観の共有ということには
やっぱり、同じことをする、同じ釜のメシを食べると
いうことは重要なことかもしれない・・・なんて思います。

今回の相手の川崎も
個性的な選手・八谷のクドさが特にいい感じです。

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乙嫁語り 1巻

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
(2009/10/15)
森 薫

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乙嫁語り 1巻」(感想
(著)森 薫

中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の暮らし。
山を越えてやって来た美しい花嫁・アミルは20歳。
彼女を娶った花婿は若干12歳の少年・カルルク。
8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか……?

1巻の段階でいうのは、早すぎかもしれませんが
これは傑作かもしれません。

まずはヒロイン・アミルのキャラクターだけで
勝ちのような気がします。

弓が上手
姉さん女房
なんでもさばける(鶏とか兎とか)
野生
天然
強い
でも乙女
でもお嬢様
                  (あとがきより)

あと、特筆すべきは絵の美しさ。
衣装や絨毯、柱など
手を抜かずにきっちりと描かれているところに圧倒されます。

そして、その絵に負けない登場人物たち
(行動・思想など)

すごいと思うので

じっくりと時間をかけて作品を作っていってもらいたいなー
と思います。

アンケート葉書なども
前作同様lに凝っていて
著者の人となりが伺えます。

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さよならの次にくる<新学期編>

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)
(2009/08/30)
似鳥 鶏

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さよならの次にくる<新学期編>」(感想
(著)似鳥 鶏

名探偵の伊神さんは卒業、葉山君は進級、そして迎えた新学期。
曲がり角が衝突したことがきっかけで、可愛い一年女子の佐藤さんと知り合った。
入学以来、怪しい男に後をつけられているという
佐藤さんのために、葉山君はストーカー撃退に奔走することになる。
苦労性の高校生・葉山君の、山あり谷ありの学園探偵ライフ。
爽快なフィナーレまで一気呵成に突き進む学園ミステリ、後編。

いやいや、なかなかのものでした。
各所に散りばめられていた伏線が収束・解明していく
ラストは見事でした。

卒業式と新学期。
ある種の区切りを表す為に2冊に分けてありますが
間を空けずに
一気に読んだ方が気持ちが良いと思います。

ネタバレのために反転。

探偵役の退場によって
探偵の居なくなった作品世界で

主人公が探偵役に成長していく物語に
なるのかと期待して・・・外れ。

新しいキャラクターに探偵役が移行するのか
と感心して・・・それも外れ。

卒業しても、以前とほぼ同じように登場する
探偵役・伊神にいささか戸惑ったのは事実です。
(最終的にそれにも意味はあったのですが・・・)


ただ、2作目でここまで読みやすくなるとは
思っていませんでしたので

これから
この著者がどのような作品を出していくのか
期待したいと思います。

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さよならの次にくる<卒業式編>

さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)
(2009/06/20)
似鳥 鶏

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さよならの次にくる」(感想
(著)似鳥 鶏

「東雅彦は嘘つきで女たらしです」
愛心学園吹奏学部の部室に貼られた怪文書。
部員たちが中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、
オーボエ首席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出た。
初恋の人の無実を証明すべく
葉山君が懸命に犯人捜しに取り組む
「中村コンプレックス」など、「卒業式編」は四編を収録。前編。

前巻で気になっていた回りくどい文章は減り
キャラクターたちに慣れてきたというのもあって
前作より読みやすくなっていました。

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亜玖夢博士の経済入門

亜玖夢博士の経済入門亜玖夢博士の経済入門
(2007/11/28)
橘 玲

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亜玖夢博士の経済入門」(感想
(著)橘 玲

“相談無料。地獄を見たら亜玖夢へ”
新宿、歌舞伎町裏の「亜玖夢コンサルタンツ」。
異形の博士が学識の全てを傾け相談者の悩みを解決する。
ブラックユーモア溢れる一話一理論。

行動経済学やゲーム理論の初歩が非常に分かりやすく説明されています。
全体のテイストとしては『笑ゥせえるすまん』に近い感じがします。

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一夜の櫛

一夜の櫛 (新潮文庫)一夜の櫛 (新潮文庫)
(1988/02)
連城 三紀彦

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一夜の櫛」(感想
(著)連城 三紀彦

髪の艶と柔らかさが自慢の津加子。
六歳年上の夫は四度目の浮気が進行中だ。
彼女は同窓会で再会した辻沢と、月に二、三度は逢いながら、体の関係もなく、
ただ別れぎわ、辻沢が彼女の髪に触れるだけという関係を続けてきた。
辻沢と旅にでた鄙びた温泉宿で夜中に二つに割れた櫛。
この櫛に津加子は2人の関係の終わりを痛いほど感じとっていた・・・。

14編収録の短編集。

やはり表題作の出来が他の作品よりも
出来が良い感じがします。

あとはよく出来た姑の内面を描いた『葉陰』が
短編としても綺麗に終わって
余韻も素晴らしいものがありました。



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追跡者

追跡者 (1962年) (創元推理文庫)追跡者 (1962年) (創元推理文庫)
(1962)
パトリック・クェンティン

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追跡者
(著)パトリック・クェンティン
(訳)大久保 康雄

ベネズエラに石油の調査に行っていたマーク・リドンは
8週間ぶりにニューヨークに帰ってきた。
ところがアパートには新婚まもない妻の姿は見えず
その代わりに妻の昔の婚約者の死体が転がっていた・・・

ようやく、積んでいたこの本を読み終わりました。

まぁ、不満がないわけではないんですが
読後感がすっきりというのか。
定番の始まりから
収まるべきところに話が収まったというのか。
気持ちが良かったです。

主人公もさることながら
脇役の書き込みが良くて
本当に、自分はこういう脇役がきちんと描かれている作品には
とみに弱いんだなと実感しました。

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ラストシネマ

ラスト シネマラスト シネマ
(2004/05/20)
辻内 智貴

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ラストシネマ」(感想
(著)辻内 智貴

要領が悪いせいか
最近、とみに時間に追われております。
llllll(-_-;)llllll

読書する時間も
昼休みがほとんどという有様なんですが
今回は職場の休憩室で目を赤くしながら読み進めました。
(端から見るとかなり・・・・)

昭和四十年代の田舎町。
少年は、東京で映画の仕事をしていた“雄さん”の見舞いに行くのが日課だ。
“雄さん”は彼の知らない東京のこと、そして映画の話をしてくれる。

ふとしたきっかけで少年は“雄さん”が
かつて、映画に出演したことを知る。

エキストラではなく、一言だけ台詞のある役を。

実は余命いくばくもない“雄さん”のために
少年は題名も知らないその映画を探そうとするのだが・・・

もう、直球でベタと言われればそうなんですが。
この著者のもつ爽やかさが
そういった余計なものを省いてくれている感じがします。

おそらく、浅田次郎であればもっと泣ける、
もっと上手い作品に仕上げるとは思うのですが。

自分はこの作品の著者がこの人で良かったと思います。
上手く表現できませんが
“作品”そのものが望むカタチに納まっている感じがします。

主人公の少年・“雄さん”だけでなく
脇をかためる登場人物・特に主人公の父親のキャラクターが見事です。

あとは
『中村正太郎さんのこと』という短編。
なんというか、すごく良いです。

中村正太郎さんという
市井の人物とその生活を描くことにより

その語り口の柔らかさにゆっくりと乗せられ

人間の望む幸せについて
色々と考えさせられます。

小学生の息子が
各々に違う素材(毛糸・新聞紙・小枝)を
揃えた蓑虫のケースをみながら正太郎さんは思います。

少々長いですが抜粋。

(こいつらは)

と正太郎さんはふと胸に呟く。

(他の仲間を羨んだりすることがあるのだろうか?)

そんなことを考えてみる。

新聞紙を与えられた虫が隣のケースを見て、毛糸の方が良かったな、
などと考えたりすることがあるのだろうか。

(無いだろう)

少しの馬鹿馬鹿しさを覚えながらも正太郎さんはそんな事を考えてみる。
どん、と椅子に背をもたせかけて、正太郎さんは夜空を見た。

よく分からないが、ふ、と何かこう、こころが空に溶けていくような気がした。

(――人間の幸福も)

と正太郎さんは胸に呟いてみる。

(もしかしたら、そんなものなのかも知れない)

煙草をまた一つ喫み、ふうと白い煙を吐いた。

(誰を羨む事も、自分を誰と比べてみる事も無いのかもしれない)
そんなことを思ってみた。

(幸福は、一人一人、それぞれの暮しの中に、初めから与えられているのかも
知れない・・・・)

それぞれが、自分に与えられた暮らしの中で、丁度、虫がああして蓑を紡ぐように、
人間もまた、幸福を紡げるものなのかも知れない――

県道を走る車の灯りが、遠く一つ、通りすぎてゆく。

 

若かりし頃は、こういった考えが馴染めないというのか
消極的すぎるような感じに思えたり

自分の望んだ生活や夢とか、目的意識のようなものに
集中してしまいがちだと思うのですが。

多少、年を取ってきますと
勿論、そういったことも重要なのですが

“不幸になる考え方”というのか
自分の価値を、他者のモノサシに委ねることであったり
「~~してあげたのに」とか
不幸自慢とか
自分の内部に固着しすぎたりすることが

自分で自分に
無駄にツラい思いをさせているかということも
わかってきます。

いかに、そこに入り込まずに
生きていく技術みたいなものも必要なのかなと思います。

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ハックス! 2巻

ハックス! 2 (アフタヌーンKC)ハックス! 2 (アフタヌーンKC)
(2009/05/22)
今井 哲也

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ハックス! 2巻」(感想
(著)今井 哲也 

いや、なんでしょうか、このおもしろさは。

今回は全体的にゆっくりとストーリーは進むのですが

主人公の面白がれる感性と

(日本語としておかしいですが・・・)

それによってもたらされた
行動力によって
平凡であった高校生活が彩りを増していく感じが
とても新鮮です。

多分、“好き!!”という
プリミティブな感情が
いかに、人を動かす原動力になるか。

この作品では教えてくれます。

主人公には自覚はないのでしょうが

通常の人間であれば、
行動を起こす際に、いくつかのストッパーといいますか
心理的な抑制、時間的な制約
そして、一番大きな“自分に対する言い訳”が
邪魔をするわけですが。

彼女はそんなことを意に介さず
どんどん、進んでいきます。

謎であったタイトルである「ハックス」の意味も
明らかになったり
色々と面白いのですが

主人公の行動力に惹かれている
少々引っ込み思案な友人の
ハタノさん。

ある意味、自分のつくった抑制に悩む
普通の少女がどういう風に変わっていくのか
非常に、気になります。

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サクラダリセット

サクラダリセット  CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)
(2009/05/30)
河野 裕

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サクラダリセット」(感想
(著)河野 裕

特殊な能力を持つ人間が集う街・咲良田。
記憶を保持する能力をもつ少年・浅井ケイ。
世界を三日分、元に戻す「リセット」の能力を持つ少女・春埼美空。
二人は「猫を生き返らせてほしい」という依頼を受けるのだが……。

好きな作家の一人・乙一が絶賛しているということで
読んでは見たのですが・・・

うーん。
能力者が集う街・咲良田。
ジョジョでいうとこの「杜王町」といった感じですかね?

登場人物の外見描写等が少ない、あるいは絵に頼りすぎ?
なのかはわかりませんが
きちんと小説(文章)で登場人物を描写して欲しい。

まだまだ、文章自体が書きなれていない印象が強く
誰の感情なのか。誰の行動なのか
数回確認しなければいけませんでした。

ただ、独特のせつなさや
いくつかの面白いアイデアもあったので
次回作に期待をしたいと思います。

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心を開かせる技術

心を開かせる技術―AV女優から元赤軍派議長まで (幻冬舎新書)心を開かせる技術―AV女優から元赤軍派議長まで (幻冬舎新書)
(2007/03)
本橋 信宏

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心を開かせる技術」(感想
(著)本橋 信宏

タイトルからするとインタビューのHow to本のようですが
ノンフィクションライターでもある著者が
いかににてAV女優やサラ金の取立て屋、有名劇画原作者
キャリア官僚、赤軍派議長にたいしてアプローチしていったか
人間の多面性なども
多いに感じさせて十分に楽しめます。

勿論、技術的なことも述べられるのですが
“相手の話を真剣に聞くこと”その気持ちが
いかに重要か改めて勉強になりました。

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六つの手掛り

六つの手掛り六つの手掛り
(2009/04)
乾 くるみ

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六つの手掛り」(感想
(著)乾 くるみ

短編集。
6編収録。
『六つの玉』
『五つのプレゼント』
『四枚のカード』
『三通の手紙』
『二枚舌の掛軸』
『一巻の終わり』

見た目は「太ったチャップリン」こと
林茶父(はやし・さぶ)が解決する事件の数々。

後半の2編が
いかにもこの著者らしく
トリックに対するこだわりを強く感じます。

(以前、自分の書いた作品のトリックに
読者の反応が薄かったために
自作解説をきっちり書きこんだだけのことはあります)

あと、この著者特有の、女性認識(笑)は
今回は『五つのプレゼント』で垣間見えるくらいで
さらっと読めました。

もう一つの特徴である無駄に過剰な性描写も
短編では影を潜めているので
読みやすいです。

ただ、どうしても、以前の作品の影響で
読者として、だまされたいと思ってしまい
過剰に期待してしまうのが残念といえば残念・・・。

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Beautiful Sunset

Beautiful Sunset (フラワーコミックス)Beautiful Sunset (フラワーコミックス)
(2008/05/26)
小玉 ユキ

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Beautiful Sunset」(感想
(著)小玉 ユキ

再読。
初期短編集2巻。
5編収録。

どちらかというと
普段、漫画を読まない人たちに
好まれそうな作品が多い印象です。

個人的にインパクトがあったのは家の前に
置かれていた老人の面倒をみる若い夫婦たちを描いた
『さくらんぼうの宴』がなんともいえません。

世代や立場によって評価が大きく変わりそうな作品です。

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マンゴーの涙

マンゴーの涙 (フラワーコミックス)マンゴーの涙 (フラワーコミックス)
(2008/01/25)
小玉 ユキ

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マンゴーの涙」(感想
(著)小玉 ユキ

再読。
初期短編集1巻。
6編収録。

ベトナムの少女・マンが登場する表題作と
その兄・チーを描いた『白い花の刺繍』
高校時代の憧れだった親友がホームレスになっていた
『ROVER』がオススメです。

良い意味で、少女漫画ぽくないところがいいです。

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エコール・ド・パリ殺人事件

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社ノベルス)エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社ノベルス)
(2008/02/08)
深水 黎一郎

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エコール・ド・パリ殺人事件」(感想
(著)深水 黎一郎

モディリアーニやスーチンら
悲劇的な生涯を送ったエコール・ド・パリの画家たちに
魅了された有名画廊の社長が密室で殺される。
しかし、貴重な絵画は手つかずのまま残されていた。

生真面目な海埜刑事と気ままな甥の瞬一郎が
被害者の書いた美術書をもとに真相を追う。
芸術論と本格推理をクロスオーバーさせた渾身の一作。

これは拾い物でした。

正直、絵のことはまったくの門外漢なのですが
だからこそ、この作品の中で登場するレザルティスト・モウディ
「呪われた芸術家たち」という架空の美術書の記述
美術論のお陰で非常に勉強になりました。

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23 : 45 : 00 | 本感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

蛇苺の庭

蛇苺の庭 (Mag comics)蛇苺の庭 (Mag comics)
(1996/09)
近藤 ようこ

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蛇苺の庭」(感想
(著)近藤 ようこ

わたしはサヤカ
わたしは四歳

わたしも寂しい。

橋本家。
表札には橋本一郎・リエ・咲子・珠実・サヤカの
五人の名前が書かれています。
ごくごく、普通の一般家庭のように見えますが・・・

読んでいく中で
その外側から見た家族の姿とは
かけ離れた現実があらわになって行きます。

キレイ事では済まされない
家族の関係。

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ゆうやみ特攻隊 4巻

ゆうやみ特攻隊 4 (シリウスコミックス)ゆうやみ特攻隊 4 (シリウスコミックス)
(2009/04/06)
押切 蓮介

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ゆうやみ特攻隊 4巻」(感想
(著)押切 蓮介

最愛の姉を殺した悪霊に復讐をするため
姫山高校心霊探偵部に入部した1年・辻翔平。
そこには心霊を暴力で調伏させる
心霊探偵部部長・通称“隊長”の2年・花岡弥依。
同じく2年で情報担当・越島かえで。
霊感犬・2号とともに
謎の島“黒首島”を支配する鉄(くろがね)一族との
死闘を繰り広げる第四巻。

肉弾ホラー第4巻。

なんというか勢いが。すごい。
なんだ、このマンガは。

今巻は敵対する鉄一族の酷さも際立っていて
やっぱり、敵役が強くて、悪かったりすると
非常に盛り上がりますね。

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今夜も宇宙の片隅で

今夜も宇宙の片隅で今夜も宇宙の片隅で
(2009/07/01)
笹生 陽子

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今夜も宇宙の片隅で」(感想
(著)笹生 陽子

―連載休止中の人気漫画『惑星5』で繋がる連作短篇集。

中学二年の優等生・岩国シュンは興味本位で
ネットのカキコミからクスリを買うことに。
そこに現われたのは同小の同級生の不良・相沢だった・・・。

長編にくらべると
いささか、物足りないところもあるのですが

連作短編ということをうまく使って
あとネットでのHN等も利用して

webに接続することが当たり前になった時代の空気や
色んなところで登場人物が相互に関係していることを
さりげなく書くところに
著者の上手さを感じます。

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理由(わけ)あって冬にでる

理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)
(2007/10)
似鳥 鶏

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理由(わけ)あって冬に出る」(感想
(著)似鳥 鶏

芸術棟に、フルートを吹く幽霊が出るらしい―
吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが
幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。

幽霊を否定する必要に迫られた部長に協力を求められ
葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが
予想に反して幽霊は本当に現れた!
にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは?
コミカル学園ミステリ。

ラストのエピソードによって全体の印象が変わってしまうので
著者の本来書きたい物語の方向性とはいえ
必要だったのか、否か?
悩むところです。

あとは久し振りに長くて回りくどい文章だったので
前半慣れるのに時間がかかりました。

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星はいつでも屋根の上 全3巻

星はいつでも屋根の上 1 (パーティコミックス)星はいつでも屋根の上 1 (パーティコミックス)
(1990/05)
小池 利春

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星はいつでも屋根の上 2 (パーティコミックス)星はいつでも屋根の上 2 (パーティコミックス)
(1991/03)
小池 利春

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星はいつでも屋根の上 3 (パーティコミックス)星はいつでも屋根の上 3 (パーティコミックス)
(1992/02)
小池 利春

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星はいつでも屋根の上 全3巻」(感想
(著)小池 利春

築50年 家賃2万 風呂無し 電話は黒電話が一つの古いアパート。
“メゾンとりい前”

その一室に引っ越してきた大学1年生 石綿裕次郎。
彼の夢はシンガーソングライターになること。

そんな彼の前に現われたのは
隣の部屋に住む一つ年上の女子大生 天川星乃。

そんな二人のもどかしいまでの恋愛漫画です。

初出が1989年だから・・・ちょうど、20年前の作品です。

改めて、読み返してみるとかなり照れくさい。

読んでいるこっちが恥ずかしくなってしまうような
まっすぐなストーリーです。

舞台であるメゾンとりい前の構造からしても
某一刻館(笑)を彷彿とさせます。

漫画的にものすごく面白いとか
人生に大きな影響を与えた作品というわけでもありません。

でも、何でなのかはわかりませんが
この作品には愛着というのか、不思議な思い入れがあります。

登場人物のほとんどが善人だったり
主人公の自信のなさ (成長はしていくのですが)
ヒロインが良くも悪くも
“男性の視点”からの理想像だったり

今となっては色々と物足りないところはあるのですが・・・

人を好きになった時に起こる高揚や
見える世界の美しさ。
(錯覚かもしれませんが・・・)

人に自分の気持ちを伝える難しさ
伝わった時の喜び、伝わらなかった時の悲しみ。

そういったものが
決して、スマートではないのですが
身近に、手触りできるかのように感じることができる
そんな作品です。

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以下略

以下略以下略
(2009/04/28)
平野 耕太

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以下略」(感想
(著)平野 耕太

再読。

ダメ人間が一杯出てきて、色々ダメなマンガです(笑)

ヤクザさんが良い味、出してます。

・・・実家に帰って本を探していたら
『coyote』が出てきました。
久し振りに読み返したらエラく面白かったです。

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