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オトノハコ

オトノハコ (KCデラックス)オトノハコ (KCデラックス)
(2008/03/31)
岩岡 ヒサエ

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オトノハコ」(感想
(著)岩岡 ヒサエ

「変な声」 そう言われたことがある。

でも、高校入学から毎朝響いてくる歌声が気になってしょうがない田辺きみ。
なりゆきで合唱部に入部してしまったけれど・・・

声の悩みから恋の悩みまで
弱小合唱部の青春を描いた学園ストーリー。

再読。
独特の丸っこくて、可愛らしいキャラクターがこの著者の魅力。

弱小合唱部。
練習場所を探して放課後、空き教室を巡ったり
上手くなった友達に焦ったり
等身大の彼女たちの姿がとても良い感じです。

あとは細かな描写
さりげない1コマでそのキャラクターの心情を感じさせたり

声を“隣の教室のその先まで”
遠くに飛ばすように促されるシーンがあるのですが

それが、透けて見える教室の列として
絵として表現された時は
読んでいて、ぞくっとしました。

(絵がないと何を書いているのかわからないと思いますが・・)

著者がどのようにこの世界を見ているのか
それを、本当に1コマで表現できる、才能と技術を感じました。
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バガボンド 31巻

バガボンド(31)(モーニングKC)バガボンド(31)(モーニングKC)
(2009/09/03)
井上 雄彦

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バカボンド 31巻」(感想
(著)井上 雄彦

ようやく、ある人物の旅が終わりを迎え
読者に様々なものを与えます。

武蔵も、また旅の途上で
ある男と対峙することになります。

実は『井上雄彦・最後のマンガ展』も
友人と観にいってきたのですが
その中での内容とリンクする部分が
今巻でも少し出てきており

いよいよ、最後に向けて動き出した印象があります。

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宿題ひきうけ株式会社

宿題ひきうけ株式会社 (フォア文庫)宿題ひきうけ株式会社 (フォア文庫)
(1996/11)
古田 足日

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宿題ひきうけ株式会社」(感想
(著)古田 足日

五年三組のタケシ、フミオ、ミツエ、サブロー、ヨシヒロ、アキコの六人組は
本人のかわりにやってくれる。“宿題ひきうけ株式会社”をつくった。
社長も社員もセールスマンもみな子どもだ。

タイトルも有名でしたが、未読の本でした。

最近、「子供の頃に読んでおけば良かった!」と
後悔することが多いのですが
この作品は大人になった今読めて良かったのかなと思います。

最初は“宿題ひきうけ株式会社”という
とても魅力的な内容で読者を惹きつけます。

中盤から終盤にかけては
「何のために学ぶのか」

色んな立場の登場人物を配し
安易な結論を出さずに
子供たちが自分の頭で考えていく姿に正直、驚きます。

『大きい1年生と小さな2年生』や
あと共著ですが『おしいれのぼうけん』を書かれた方なんですね。
読み終わって気がつきました。

大きい1年生と小さな2年生 (創作どうわ傑作選 1)大きい1年生と小さな2年生 (創作どうわ傑作選 1)
(1970/03)
古田 足日

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おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)
(1974/11)
古田 足日

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ミスミソウ 3巻

ミスミソウ 3 (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)ミスミソウ 3 (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)
(2009/06/17)
押切 蓮介

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ミスミソウ 3巻」(感想
(著)押切  蓮介

すみません。
だいぶ、遅くなりましたが
ようやく最終巻を読むことができました。

まず、最初に驚いたのはその厚さです。
ボリュームたっぷりです。

登場人物のほとんどがまともじゃない
独特の世界を
佐山流美という登場人物が一気に結末まで
話を牽引していく印象があります。

げきがうるふさん
ようやく、お書きになられていた意味がわかりました。
なるほど。

あと、ようやく語られたクラスのリーダー的存在である
小黒妙子の本心や
彼女と野崎春咲・佐山流美
二人の登場人物との各々のやりとりなどが楽しめました。

ラストは・・・まぁ、妥当なところというのか。
いや、きちんとした、いい終わり方なんですが。

ただ、もう、序盤から最後まで
凄かったので
もう一つぐらい、読者の度肝を抜いてくれるのかなと
勝手に思っていました。

あとは、あとがきで
文章から著者の誠実な人柄や
この作品での苦労が感じられる、良いあとがきなのですが

あまりにも作品の内容とのギャップがありすぎて

「これはミスミソウのあとがきだよな・・・」と
思わず、確認してしまいました。

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ヴィンランド・サガ 8巻

ヴィンランド・サガ 8 (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ 8 (アフタヌーンKC)
(2009/09/23)
幸村 誠

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ヴィランド・サガ 8巻」(感想
(著)幸村 誠

まず、最初にお詫びをさせていただきます。
普段以上に感情的で、一方的な文章になっているかと思います。
申し訳ありません。

では・・・・

この帯を書いた奴

馬ッ鹿じゃねーの!!!!


ふざけんな!!!


ボケー!!



読者に対する配慮とか

考えたことねえのか?


当たり前のことだけど


一人の読者とその物語の


初読の時は1回しかねえの。


神聖なものなんだよ。



その時の印象が後々まで左右すんだよ。

内容がどう、展開するのか。
それを知りたいが為に読む。

その本当に原始的な好奇心、動機が
物語を読む力になんじゃねーの。

当たり前の事だけど

帯は興味を引くのが

仕事であって

ネタ、割ってじゃねーよ!!


邪魔だよ。

せっかく、おもしろいのに。

おもしろいのに。

作品に謝れ!!!

自分は連載を読んでたので
「おおっ!」とか
「次号どうなるんだろうな~」とか
久し振りに連載を心待ちにしたりして
楽しんでいたんですが・・・

単行本で読む人たちのハラハラ感を
出来の悪い帯で失っていいんですかね?

この帯読んで
「へー。じゃあ、買ってみようか」ってなる訳ないでしょ。
普通。

8巻まで読んでたら、買う人は当然買う訳で
その人たちの喜びやら楽しみを安易に奪っていいんでしょうか。

この帯は新規の読者を取り込む効果よりも
既読者の喜びを奪う方が強い気がします。

自分も、単行本しか買わない作品も多い
(大多数)なので
こんな、配慮のない帯がどの作品でも
今後つかないことを祈ります。

肝心の内容については
本当に素晴らしいの一言です。

未読の方は是非。

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深夜特捜隊

深夜特捜隊 (1967年) (創元推理文庫)深夜特捜隊 (1967年) (創元推理文庫)
(1967)
デビッド・グーディス

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深夜特捜隊」(感想
(著)デビッド・グーディス

汚職により、警察を追われた元警官・コーリーは
とあることから、街を仕切るボス・グローガンに見込まれる。

だが、警察内部から恐れられる特別班“深夜特捜隊”
主任・マクダーモットからも誘いの手はのびる。
巨額の金と、警官バッジ。
どちらを選ぶのか。

こちらも久し振りの再読です。
二重スパイというか、悪徳警官ものといいますか。
『インファナル・アフェア』シリーズや
インファナル・アフェア [DVD]インファナル・アフェア [DVD]
(2010/02/17)
アンディ・ラウトニー・レオン

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インファナル・アフェア II 無間序曲 [DVD]インファナル・アフェア II 無間序曲 [DVD]
(2005/03/02)
エディソン・チャンショーン・ユー

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(2005/09/21)
アンディ・ラウトニー・レオン

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個人的には残念な出来だと思っている『ディパーテッド』
(ジャック・ニコルソンの演技がどうも、大味すぎて・・・この作品にそぐわない感じがします。)
を彷彿とさせます。
ディパーテッド [DVD]ディパーテッド [DVD]
(2009/07/08)
レオナルド・ディカプリオマット・デイモン

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主人公も完全な善人ではないところも好きです。
二重スパイの緊張感と、この主人公の“揺らぎ”が
読者をハラハラさせてくれます。

脇役たちも個性豊かな面々が
本当に上手く描かれていて、読み応えがあります。

この辺は
最近の作品ではあまりお目にかからないような気がします。

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凶暴乱舞

凶暴乱舞 (BEAM COMIX)凶暴乱舞 (BEAM COMIX)
(2007/12/25)
渡海

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凶暴乱舞」(感想
(著)渡海

秦始皇帝の死後に起こった権力闘争により
奸臣・趙高の謀により
長子・扶蘇は自殺を強いられ、末子・胡亥が二世皇帝となる。

そして、優秀な将軍である文蘇は天下の逆臣となり
追われることとなる。

場面は変わって、楚の国。
街を支配する山賊とそれを殺すために雇われたならず者たち
その争いの場に長剣を持った男が現われた・・・。

最初は黒澤明の『用心棒』を意識した作りなんですが・・・・

ようやく、話が盛り上がってきたところで“完”
あとがきを読むと出版社の倒産で2巻目以降は出せなくなった
とのこと・・・

いろんな意味で、あともう少しな作品。


懐かしくなって、久し振りに鄭問の『東周英雄伝』を読み返しましたが
やっぱりこちらの方が数段上です。
最初に読んだ時のインパクトもあるとは思うのですが。
絵や登場人物に対する執着が違います。

東周英雄伝 1 (モーニングデラックス)東周英雄伝 1 (モーニングデラックス)
(1990/12)
鄭 問

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東周英雄伝 2 (モーニングデラックス)東周英雄伝 2 (モーニングデラックス)
(1991/09)
鄭 問

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東周英雄伝 3 (モーニングデラックス)東周英雄伝 3 (モーニングデラックス)
(1993/10)
鄭 問

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敗北への凱旋

敗北への凱旋―綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)敗北への凱旋―綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)
(2007/08)
連城 三紀彦

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敗北への凱旋」(感想
(著)連城 三紀彦

昭和二十年八月十五日――
数時間前は大日本帝国だった一つの国も
瓦礫となって崩壊した。
その巨大な静寂の夕闇の中に
夾竹桃の花が降る。

そして、終戦後まもないクリスマスイブ。
安宿で片腕の男の死体が見つかった。
容疑者の中国人女性玲蘭は彼の情婦をも殺し
自ら身を投げる。

単なる痴情のもつれとみられた事件は
男の残した旋律により
別の様相をあらわにしていく。

再読。

幻想的で美しい書き出しから
(自分はこんなに美しい廃墟のシーンを知りません)
まったく、思いも寄らぬラストへたどり着く凄さ。

暗号の意図。

ただ、ひたすら呆然とした初読の時を思い出します。

それにしても著者は
美しいものを美しいまま活字に出来る才能の持主だと思います。
個人的には、あとは、赤江瀑ぐらいかなぁ・・・

あとは、米澤穂信の解説も
それだけの為に購入する価値はあります。

優れた作品に優れた解説。
これでこの値段は安いと思います。

どうしても『氷菓』を連想してしまいます。
氷菓 (角川スニーカー文庫)氷菓 (角川スニーカー文庫)
(2001/10)
米澤 穂信

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『敗北への凱旋』と比べるといささか、可哀想な気はしますが・・・

しかし、二つの作品に共通することとして
暗号でしか語れないこと。

そのあまりにも深い内容に

謎が解けたときに、その真意に気がつかされ
唸らされます。

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神様がくれた指

神様がくれた指神様がくれた指
(2000/09)
佐藤 多佳子

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神様がくれた指」(感想
(著)佐藤 多佳子

出所したばかりで利き腕に怪我を負ったスリ。
ギャンブルに負け、オケラになった占い師。
二人の男の奇妙な出会いから始まる物語。

スリやタロット占いの細かい描写が、読んでいて気持ちが良いです。

その描写にこれぐらい力(分量)があると
物語そのものにも、厚みが出てくる感じがします。

二人の主人公の過去と現在を
上手く織り交ぜることによって
読者にどのような人物であるかキチンとわかるようになっています。

ストーリーの展開の上手さに定評のある著者ですが
こういった描写の細やかさがストーリーに
現実味とおもしろさを加えていくような気がします。

終盤のある人物の扱いについては
少々、拍子抜けな印象がありましたが
ラストの気持ちのよい終わり方でどうでもよくなりました(笑)

文庫版はこちら
神様がくれた指 (新潮文庫)神様がくれた指 (新潮文庫)
(2004/08)
佐藤 多佳子

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ダブル・ジョーカー

ダブル・ジョーカーダブル・ジョーカー
(2009/08/25)
柳 広司

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ダブル・ジョーカー」(感想
(著)柳 広司

同じカードは二枚も要らない。

どちらかがスペアだ。


『ジョーカー・ゲーム』の続編、早くも登場。
ジョーカー・ゲームジョーカー・ゲーム
(2008/08/29)
柳 広司

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結城中佐率いるD機関。
そして、別に設立された秘密諜報組織・風機関との暗闘を描く
表題作『ダブル・ジョーカー』他5編収録。

特に、人気の高い結城中佐の過去を垣間見ることのできる
『棺』と
あと、“これだけ優秀なスパイがいるんなら、日本負けないんじゃない?”
という読者の気持ち(笑)を
読んだかのような『ブラックバード』が読み応えありました。

それにしても、このシリーズは短編が合います。
読んでいて、すっきりします。

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追想五断章

追想五断章追想五断章
(2009/08)
米澤 穂信

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追想五断章」(感想
(著)米澤 穂信

古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は
報酬に惹かれてある依頼を請け負う。

依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた
結末の伏せられた五つの小説を探していた。

調査を続けるうち芳光は
未解決のままに終わった事件
“アントワープの銃声”の存在を知る。

二十二年前のその夜何があったのか?
幾重にも隠された真相は?

米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。
(帯より)

結末の伏せられた・リドルストーリー五編。
(正確には、本編そのものも含めて六編かな・・・)

技巧と結末。
そのどちらもあいまって
この作品の独特の味を形成していると思います。

『古典部』とも『小市民シリーズ』
そしてその他の作品群とも違う味わいです。
近いとすれば『ボトルネック』に少しだけ似ています。

本来、こういった話であれば、謎の解明もしくはその過程において
謎を解く人間には何らかの変化が起こるのが多いのですが
彼には、ほとんど変化がみられません。

伯父や笙子という人間の扱いにしても
本来なら、もっと描かれるはずなんでしょうが
あっさりと作品世界から消えていく印象があります。

図らずも主人公に押し上げられた男の物語と
一片の物語も持たない男。

その対比。

読み終わった後
『六の宮の姫君』や『敗北への凱旋』という
著者が影響を受けた作品のことを思い出しました。

六の宮の姫君 (創元推理文庫)六の宮の姫君 (創元推理文庫)
(1999/06)
北村 薫

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敗北への凱旋―綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)敗北への凱旋―綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)
(2007/08)
連城 三紀彦

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夏目友人帳 8巻

夏目友人帳 8 (花とゆめCOMICS)夏目友人帳 8 (花とゆめCOMICS)
(2009/07/03)
緑川 ゆき

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夏目友人帳 8巻」(感想
(著)緑川 ゆき

今回はどれを最終回にしてもいいくらいの良作ばかりでした。

「夏目、文化祭に参加する」
「映すもの」
「帰る場所」と
番外編「ちょび徒然帳」を収録。

北本、西村、田沼とタキという友人たちに囲まれた
「夏目、文化祭に参加する」がもう・・・

「よかったなぁ。友達がいっぱい出来て」と
読者の一人として、感慨深いものがあります。

一人一人の友人たちの夏目との距離の違い等が
上手く表わされていて
いつもながら、著者の確かな人間観察と
細やかさには舌を巻きます。

「映すもの」
この著者の重要なテーマである“触れる”ということから
この作品では“見える”=“目”にシフトしているような感じがしています。

5巻の特別編「同じ風景」では同じものが見えなかった
友人・田沼にも妖が見えるようになります。

話の内容としては他の作品と同工異曲と言えるかもしれませんが
8巻までに主人公・夏目が経験してきた妖怪たちとの関係を
読者は、再確認。
田沼はやっと自分で感じることができます。

その辺をラストでまとめる手際は見事です。

「帰る場所」
藤原夫婦の元に身を寄せることになった経緯と
ある妖との因縁を描きます。

今巻は良い話が続いた分、この作品に登場する妖の
悪意が際立っていて
デザイン的には全然たいしたことないんですが(笑)
面白かった。

友人たちと夏目の成長を描くために
あまり出番のなかったニャンコ先生(斑)も
おいしい役回りです。

藤原夫妻の優しさが身に染みます。

「ちょび徒然帳」
これは、本当に上手いの一言です。

妖の一人(?)であるちょびを主人公にして
人間よりも長く生きる存在の視点で
夏目やニャンコ先生を軽やかにおちょくりながら
意外なところに、着地する8ページ。
お見事。

それにしても、コメント欄等での
著者の謙虚さにも頭が下がります。

通常、8巻ぐらいたったら
(他のシリーズをあわせたら、15冊ぐらい)
それなりに“地”がでてくるはずなんですが・・・

本当に謙虚な方なんだろうなーと思います。

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夏目友人帳 7巻

夏目友人帳 7 (花とゆめCOMICS)夏目友人帳 7 (花とゆめCOMICS)
(2009/01/05)
緑川 ゆき

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夏目友人帳 7巻」(感想
(著)緑川 ゆき

祖母・レイコの遺品である
妖怪たちを支配する契約書「友人帳」を受け継いだ少年・夏目の物語。

今回は妖祓い屋の的場一門頭首(?)当主が
登場する「人ならぬもの」と
「夏目遊戯帳」

初期短編「夏にはため息をつく」を収録。

個人的には妖怪たちと影踏み鬼をする「夏目遊戯帳」が

あとがきにも書かれているように

“重役の飲み会にルーキーがひとり放りこまれたような。
どちら側もやれやれと思いつつ楽しい時間”

文句をいいながらもそれなりに楽しむ、あの感じ。
妖怪たちと夏目の関係がさらっと書かれていて
読んでいて気持ちが良かったです。

穴に落ちた夏目がニャンコ先生に
「上がれないんだ。ひっぱりあげてくれ」というのも
これは二人の関係も暗示しているようで
印象的でした。

「夏にはため息をつく」
初期の読切なのですが、こういった感じの
作品の方向性が定まっていない
未分化な状態の作品は好きです。

色々なものが混ざっていて。

川の上の橋。
特殊な能力(条件つき)を持つ主人公。
蛍。
片思いの相手をそっと見つめる。

あとの作品に登場する風景やシチューションが
いっぱい詰まっています。

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夏目友人帳 5巻

夏目友人帳 5 (花とゆめCOMICS)夏目友人帳 5 (花とゆめCOMICS)
(2008/03/05)
緑川 ゆき

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夏目友人帳 5巻」(感想
(著)緑川 ゆき

5巻です。

表紙を見て、「おおっ!女性の新しいキャラクターでるんだ」と
妙に新鮮だったのをおぼえています。

新キャラクターである“タキ”こと多軌透が登場する
第十七話・十八話の「呼んではならぬ」も

タキの能力の条件であったり
妖が見える・見えないの差やそれによる演出の上手さ。
そして、他者の視点から見た夏目の姿。

この作品では珍しく、ドタバタしているところもあって良かったです。

ただ、今回一番印象的だったのは作中で何度も語られる
祖母・レイコの姿が描かれた第十九話「仮家」
さらっと書かれていますが

子供って面白いのもいるのね

まだ人間じゃないみたい


のセリフには、人間というものに絶望しているレイコの心情が
垣間見るような気がします。

・・・“まだ”ってところが、特に。

ここら辺が「友人帳」を作った原因となっていくのでしょうが
この話では、まだそこまでは語られません。

そう考えると「友人帳」というタイトルも
色々と考えてしまいます。

二十話の友人・田沼からみた夏目の姿。
夏目の見える世界に思いを馳せる田沼。

ラストで二人で花火を観にいくのですが
(ここの会話も良いです)

大きな妖が邪魔になって
花火が少ししか見れない夏目。

妖ですら見とれる花火の美しさであったり
夏目・田沼、二人の違い。
妖を見える者と見えない者の違い。

最後のセリフとコマの余韻がかなり、好きです。

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君に届け 9巻

君に届け 9 (マーガレットコミックス)君に届け 9 (マーガレットコミックス)
(2009/09/11)
椎名 軽穂

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君に届け 9巻」(感想
椎名 軽穂

ここで、終わるのかい!
って感じの終わり方です。

今巻では“鈍さに慣れるな”というセリフや
胡桃沢の活躍。

1巻の名シーンである
最初に心が動いた所を思い出したりと

良い部分もあるのですが・・・

うーん。 
やはり、作品そのものとしては
もう終わらせて欲しいというのが本音です。

知り合いの方に貸した後の感想。

「9巻も費やして、まだ、届かんのですかね(笑)」

まだ、届かないみたいです・・・

三浦健人というキャラクターも
結局、どっちつかずだった感じがしますし・・・。

著者自身、迷っているような印象を受けました。

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ちはやふる 6巻

ちはやふる 6 (Be・Loveコミックス)ちはやふる 6 (Be・Loveコミックス)
(2009/09/11)
末次 由紀

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ちはやふる 6巻」(感想
(著)末次 由紀

ちはやふる6巻です。

面白い。
その一言です。

個人的には前巻のクイーンとの戦いよりも
今回の戦いの方が面白かった。

それにしても、『3月のライオン』といい
昔のマンガでは驕る主人公が窮地に立たされるのが定番だったのに
今のマンガでは、強すぎる目的意識が仇になる展開が
新鮮です。

後半の二つの試合も
主人公以外の登場人物の個性がきっちり表現されていて
素晴らしかったです。

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夏目友人帳 4巻

夏目友人帳 4 (花とゆめCOMICS)夏目友人帳 4 (花とゆめCOMICS)
(2007/08/04)
緑川 ゆき

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夏目友人帳 4巻」(感想
(著)緑川 ゆき

祖母・レイコの遺品である
妖怪たちを支配する契約書の束
「友人帳」を受け継ぎ
妖怪達に狙われたり、名を返す日々を
用心棒(?)ニャンコ先生と共に送る少年・夏目の物語。


再読。
4巻です。

相変わらず、良い話を書くなぁという印象です。

今回は特別編1・夏目観察帳が好みです。

同著者の『アツイヒビ』でも思ったのですが
主人公を別人の視点で描くのが上手いというのか。

“ナツメは よく笑う
でも何か 嘘っぽい”

これだけで、天涯孤独であった彼の内面と
生きていくために手に入れたものを端的に
表してくれます。

本編では基本的には
夏目の“優しさ”がないと話が始まらない構造に
なっているので
ただ、単に優しい少年という印象を受けてしまうのですが

そうじゃないという
著者なりの主張を感じました。

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夏目友人帳 3巻

夏目友人帳 3 (花とゆめCOMICS)夏目友人帳 3 (花とゆめCOMICS)
(2007/02/05)
緑川 ゆき

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夏目友人帳 3巻」(感想
(著)緑川 ゆき

祖母の遺品である「友人帳」を受け継ぎ
妖怪達に狙われながら、その名を返す日々を
用心棒(?)ニャンコ先生と共に送る少年・夏目の物語。。


再読。
3巻です。

今回は第十話「闇に光るのは」と第十二話「雛 かえる」が
オススメです。

特に十話が良いです。
蛍の妖と人間の関係を描きながら
夏目の変化も語っていきます。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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夏目友人帳 2巻

夏目友人帳 (2) (花とゆめCOMICS (2969))夏目友人帳 (2) (花とゆめCOMICS (2969))
(2006/08/05)
緑川 ゆき

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夏目友人帳 2巻」(感想
(著)緑川 ゆき

祖母の遺品である「友人帳」を受け継ぎ
妖怪達に名を返しす日々を送る少年・夏目。
ある日、クラスメイトと肝試しに参加する事になるのだが・・・

再読。
2巻です。

今回は第五話「旧校舎の怪」と第八話「アサギの琴」が
良いです。

第五話は名前を返すところの盛り上がりと
転校を繰り返してきた夏目の変化が
さらりと語られるラストが良い感じです。

第八話はしみじみと感動してしまいます。

第七話の「見える人」に登場する名取などの
重要なキャラクターも出てくるのですが

それよりも、八話の出来が、素晴らしくて
読んでいて目頭が熱くなりました。

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夏目友人帳 1巻

夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS (2842))夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS (2842))
(2005/10/05)
緑川 ゆき

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夏目友人帳 1巻」(感想
(著)緑川 ゆき

妖怪が見える少年・夏目は祖母・レイコの
遺品である「友人帳」を手に入れる。
それは、多くの妖(あやかし)を統べる契約書。
その中に記された妖達の名を返していく物語。

再読。

正直、この作品は読み始めた時

“少年と妖怪”という設定で大好きなマンガが、別にあるので
どうしても、最初の段階でのれないというのか。
比較してしまっていたのですが・・・

二話目ぐらいから、これは違うぞと
「露神様」とハナさん
神様と信仰するものという二人の関係で
早くも目頭が熱くなってしまいました。

それ以外でも1/4コメント欄での
モノローグについての考え方や
“触れること”に対する恐れと喜びのようなもの
名前を返すときの絵的な美しさ
(この辺は処女作『あかく咲く声』を彷彿とさせます)など

現時点でのこの著者の集大成のような気がします。

オススメは前述の二話目「露神」と第四話「ダム底の燕」です。

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深夜食堂 2巻

深夜食堂 2 (2) (ビッグコミックススペシャル)深夜食堂 2 (2) (ビッグコミックススペシャル)
(2008/07/30)
安倍 夜郎

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深夜食堂 2巻」(感想
(著)安倍 夜郎

第2巻。

今回は人情譚として素晴らしい「トイレの客」が一押しです。
これは本当にいい。

あとは「ソース焼きそば」「刺身のつま」「カリカリベーコン」
「秋刀魚の塩焼き」

美味しそうなのは
「タマゴサンド」「オニオンリング」の食べ方や

あとは・・・「プリン」の最後の一コマ
食べたときの笑顔が
たまりません。

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浦沢直樹読本

CasaBRUTUS特別編集 浦沢直樹読本 (マガジンハウスムック CASA BRUTUS)CasaBRUTUS特別編集 浦沢直樹読本 (マガジンハウスムック CASA BRUTUS)
(2009/08/21)
マガジンハウス

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浦沢直樹読本」(感想

取引先の方に貸していただきました。

旬の話題として『20世紀少年』が主でしたが

ノスタルジーで書いたのではないという
著者インタビューが面白かったぐらいですかね。

あとは、あそこまで
自分の生まれた年齢や時代に対して
肯定的な意見を持っているのにはびっくりというか
意外な感じがしました。

やっぱり、当たり前の事ですが
どんなクリエイターでも
時代の影響を受けるもんなんですね。

(あとは仕事場の本棚の雑多が楽しめましたが・・・)

傑作である『MASTERキートン』の扱いが・・・

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深夜食堂 1巻

深夜食堂 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)深夜食堂 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)
(2007/12)
安倍 夜郎

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深夜食堂 1巻」(感想
(著)安倍 夜郎

久し振りに再読。

営業時間は深夜0時から
朝の7時頃まで。

メニューは
豚汁定食にビール、
酒、焼酎・・・それだけ。
(酒類はお一人様三本(三杯)まで)

あとは勝手に
注文してくれりゃぁ、
できるもんならつくるよ。

そんな深夜食堂に集まる人々の物語。

特に、1巻の出来はすごい。
出てくるメニューが
いや、これがもう、うまそうでうまそうで。

第一話の「赤いウインナー」から「きのうのカレー」
「猫まんま」「しょうゆとソース」「牛すじ大根玉子入り」までの
流れも絶妙で一気に話の中に入り込んでいけます。

人情譚としても優れたものも多くて
常連さんたちの言葉などに
ホロリさせられることも多いです。

前述した「赤いウインナー」「かつ丼」
「ポテトサラダ」「キューリのぬか漬け」
なんかも良いです。

正直、料理そのものの“絵”は
さほど上手いとはいえません。

ただ、それにしてもここまで食欲をそそるのは
読み手の記憶と呼応する部分であったり
登場人物たちの食べ方にも
大きく作用されるのだと思います。

「牛すじ大根玉子入り」でのまゆみちゃんの食べ方。
「キューリのぬか漬け」をパリポリと
丸のまま一本かじりながらビールを飲む女子プロレスラー
リョーマ藤崎の食べ方。

特にこの話では好きな男ができてからの
彼女の食べ方の変化や
子供が産まれての飲み物の変化などもさりげなく
表現されていて好きです。

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のだめカンタービレ 22巻

のだめカンタービレ #22 (講談社コミックスキス)のだめカンタービレ #22 (講談社コミックスキス)
(2009/08/10)
二ノ宮 知子

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のだめカンタービレ 22巻」(感想
(著)二ノ宮 知子

さぁ 楽しい音楽の時間デス――

前巻で意気消沈したのだめに手をさしのべたシュトレーゼマン。
いよいよ、運命の舞台を踏む、のだめ。
そして、それを観る千秋に去来するものとは・・・

いや~。
前巻の引きから、こんな風に展開するとは思いませんでした。

“悪魔”ことシュトレーゼマンの業の深さというのか
生気を取り戻していくさまだとか
のだめの才能がようやく開花していく様子なんかは圧巻です。

そして、それを観た千秋の動揺など
今までにない見所はとても多いです。
次巻からのどんな風に展開していくのか
良い意味で予想がつかないので、非常に楽しみです。

(もちろん、シリアスなだけでなく巨神兵とか月影先生とか笑いの要素も十分あります・・・)

個人的には『ピンポン』の2巻を思い出してしまいました。
(スマイルが本性を出してきて、ペコがショックを受ける辺り)

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

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永遠の0

永遠の0 (講談社文庫)永遠の0 (講談社文庫)
(2009/07/15)
百田 尚樹

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永遠の0」(感想
(著)百田 尚樹

終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
臆病者と蔑まれた人物に落胆しながらも調べていくうちに
一つの謎が浮かんでくる。

ラストは天晴れです。
丁寧に調べられてあるがゆえに、ラストの感動が強くなります。

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1分間顧客サービス

1分間顧客サービス―熱狂的ファンをつくる3つの秘訣
(1994/02)
K. ブランチャードS. ボウルズ

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1分間顧客サービス―熱狂的ファンをつくる3つの秘訣」(感想
(著)K・ブランチャード S・ボウルズ
(訳)門田 美鈴

久しぶりに再読。
一時期、ビジネス書しか読めない時期がありました。
そんな中でもこの本は今でも時折読み返す本の一つです。

ストーリー型のビジネス書に分類されます。

ある種の困難に陥っている主人公がメンター(師)と出逢い
問題を解決していく、王道のストーリーなのですが
個人的に好きなのは
途中で登場するタクシー運転手デニスです。

彼がどのように感じ、行動に移したのか
単純ですが、(考え込みすぎて)動けない時に読むと
まず、一つずつやることの重要性がわかります。

「グチをこぼすのをやめることだ!
競争相手と自分は別だと認めたほうがいい。

アヒルでなく鷲になるんだ。

アヒルはガーガー鳴いて

不平をもらす。

鷲はその群れの上を

高く舞い上がる


「私はショックを受けました」デニスは言った。

「彼はまさに私のことを言ってたんです。
私は不平ばかり言ってました。ガーガー、ガーガー、ガーガーと!
私は態度を改め、鷲になろうと決心しました。
ほかのタクシーと運転手に目をやりました。
車は汚いし、運転手は無愛想で、お客は不愉快になっています。
それを変えようと思いました」

(中略)

「私はすぐにそうしよう、楽しくしようと思いました。
一つずつ変えていきました。
車をきれいにし、電話をつけ、しゃれた名刺を印刷して。
それに、お客様を第一にしようと決めたんです」

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蛍火の社へ

蛍火の杜へ (花とゆめCOMICS)蛍火の杜へ (花とゆめCOMICS)
(2003/07/05)
緑川 ゆき

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蛍火の社へ」(感想
(著)緑川 ゆき

妖怪が住むといわれる“山神の森”へ迷い込んでしまった少女、蛍。
そこへ現われた狐面をつけた青年、ギン。
決して触れる事の出来ない二人の関係を描く表題作と他三篇。

表題作のラストには、思わず感嘆してしまいました。
「なるほど。そうきますか!」

少しずつ、積み重なっていく相手への想い。
その“重み”と相手への“距離”。
そういうものを絵で表現する上手さ。

登場人物たちの声高に主張しない感じ
奥ゆかしさが、歯がゆくもあり、好きな理由でもあります。

『花唄流るる』
古式ゆかしいというのか、クラシカルな少女漫画です。

“最近よく 藤村くんを
見かけるようになりました” 

このたった、一行のモノローグで

真面目なヒロイン・島が
目つきも素行も悪い(と言われている)・藤村に惹かれていること
そして、なおかつ、そのことに自分で気がついてない状態を
端的に読者に知らしめてしまう上手さ。

あと特筆すべきなのは
この著者の
“(自分ではない)別の人間を想う相手の一番幸せそうな顔を、そっと眺める”シーンの
せつないこと・・・

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アツイヒビ

アツイヒビ (花とゆめCOMICS)アツイヒビ (花とゆめCOMICS)
(2002/06/05)
緑川 ゆき

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アツイヒビ」(感想
(著)緑川 ゆき
国吉は学校帰りに川で生徒手帳を探す優等生・池田と出会う。
そこに手帳を拾った女生徒・室園が現われ、
彼の手帳に書かれているある秘密を語りだす・・・

『夏目友人帳』でブレイクした著者の第一短編集。
正直、読みやすくはあまり、ありません。

でも、それらを差し引いても
登場人物たちの抑えた感情表現。
その抑制から垣間見える
相手に近寄りたい、触れたいという衝動のようなものが
一瞬、立ち昇るようなところがとても魅力的です。

表題作で登場した池田を
別の人物の視点から見る「寒い日も。」と
ラストで相手の存在が際立つ「花の跡」がオススメです。

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疑心―隠蔽捜査3

疑心―隠蔽捜査〈3〉疑心―隠蔽捜査〈3〉
(2009/03)
今野 敏

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疑心―隠蔽捜査3」 (感想
(著)今野 敏

大森署署長に異動となった、警察官僚、竜崎伸也。
異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった
彼のもとに飛び込んできたのは
大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だった・・・

空港閉鎖をを主張する米シークレットサービス。
美貌の女性警察キャリア。
単独捜査を強行する所轄刑事。

隠蔽捜査シリーズ3作目です。
この作品のパターンとして
主人公が遭遇する事件と並行して起こる
別の事柄と二重の難題が、彼を苦しめます。

今回もそのジタバタぶりが面白いです。

ただ、前作や『TOKAGE』でも思ったのですが
いち早く、(およそ20年程前に)
テロ・ネットワークを作中に登場させている著者にしては
あっさりとしているというのか
もっと、きっちり書き込んで欲しい気がします。

“米大統領を狙ったテロ”なんて大ネタを題材にするのであれば
この倍の分量あっても、
(海外の冒険小説なら3倍はあっても)良い位だと思います。

あと、家族小説としては娘の恋愛話が主に取り上げられます。

ネタバレの為、反転。

上の行を読まれて
勘の良い方ならすぐに気づかれると思いますが
今回、竜崎が遭遇するのは“恋”です。

まぁ、じたばたする辺りがおかしくてたまりません。
もう少し、相手ヒロインに魅力的であったら、ますます面白かっただろうと思います。

竜崎が相談相手に選んだのも
第一作から登場する伊丹なのですが
そこでのやり取りも笑えます。

真剣に答えているのに
相談した竜崎の無造作な切り返しに
「お前が相談しに来てるんだろうが!」とツッコミたくなること請け合いです。

最終的には、ある事柄で一応の解決をみせるのですが

“理”が“情”を上回るという展開
(普通の人間はおそらく逆だと思うのですが・・・)

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DAY DREAM BELEVER again

DAY DREAM BELIEVER again vol.1 (Beam comix)DAY DREAM BELIEVER again vol.1 (Beam comix)
(2004/01/31)
福島 聡

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DAY DREAM BELIEVER again vol.2 (Beam comix)DAY DREAM BELIEVER again vol.2 (Beam comix)
(2004/01/29)
福島 聡

商品詳細を見る

DAY DREAM BELIEVER again 全2巻」(感想
(著)福島 聡

博物館の学芸員・日下部霞(カスミ)と
学生・比留間、サギ師・依田の3人は各々の持つ特殊な“力”を使った
北は北海道 南は沖縄 愉快な愉快な日本縦断犯罪ツアーを画策するのだが・・・

講談社モーニング連載作品に48ページを加えた完全版!(帯より)

再読。

悪夢のようなという形容詞がありますが
この作品はまさに、それです。

前半は
オフビートな超能力犯罪物?という
イマイチ噛み合わない違和感のようなものを感じながら読みすすみ

後半になると
読んでいて、作中で何が行われているかわからない
どんどんと作品そのものが破綻していく過程を味わうことができます。

基本的に、登場人物がすべてが生理的嫌悪感を感じる奴ばかりで
正直、何故自分でもこの作品にここまで惹かれるのかわかりません。

後半の気分の悪さは本当にスゴイです。

連載されていた講談社モーニング版も
かなりアレな作品だったのですが

まさかの大幅加筆の完全版だったのですが・・・・
より一層、ひどくなっていました。


講談社モーニング版
(2巻の表紙もけっこうヒドイ・・・)
DAY DREAM BELIEVER 1 (モーニングKC)DAY DREAM BELIEVER 1 (モーニングKC)
(2000/11)
福島 聡

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DAY DREAM BELIEVER 2 (モーニングKC)DAY DREAM BELIEVER 2 (モーニングKC)
(2000/11)
福島 聡

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