「
月光条例 1巻」(
感想)
(著)
藤田 和日郎ヒジョーにメイワクなお話をしよう。
何十年かに一度、
真っ青なお月様の光が
地上にとどく。
そうすると、
世界が変になって
しまうのさ。
いやいや、
君たちの住んでいる
世界じゃない。
子供たちの
読む
「おとぎばなし」の
世界が
おかしく
なるんだよ。
だから
「おとぎばなし」の世界の
長老たちは話し合って
たったひとつの
法律をつくったんだ。
実は「週間少年サンデー」を久方ぶりに購入しています。
藤田和日郎、待望の新連載!!!
早くもコミックス化。
これは買わないわけにはいかない。
今回の舞台はネジれた「おとぎばなし」
ですが
連載1回目の著者コメント
「ワルいヤツにガーンとかますいつもの漫画
楽しく描いていくつもりです」
・・・確かに。いつも通りだ(笑)
装丁等も凝っており
気合の入り方が違います。
(世界の童話 新約)
この著者の初連載作品
「うしおととら」1巻で印象的だった
うしおととら初御目見え作者の口上。
小さい頃寝る前にオヤジやオフクロによく読んでもらった
「マッチ売りの少女」が気に入らなかった。
なんでかわいそうな女の子がかわいそうなコトになっちまうんだよ!!
だけど本のさし絵に正拳を叩き込んでもムナしいだけだ。
だから僕はそのパンチを代理のヤツにぶちかましてもらうことにした。
うしおととら、こいつらはつまり・・・そういうヤツらなんだ。
初連載の頃から根付いていた
“なんでかわいそうな女の子がかわいそうなコトになっちまうんだよ!!”
(ある種の)物語もしくはその“型”に対する怒り。
今回の「月光条例」はその怒りが
まっすぐにあらわれる作品になるような気がします。
主人公 岩崎月光
「本当のコトをいうコト」が苦手。
これは著者の照れと
従来の(サンデーでの)主人公
蒼月潮(うしおととら)。雑賀勝。加藤鳴海(からくりサーカス)
との差別化を図っているようにも思えます。
それにしても「3匹のこぶた」のおおかみの怖いこと
怖いこと。
こぶたを食べるところの擬音が
パキ コリ チャム チャム って・・・・
(チャム チャムのところが特に凶悪)
第一話の見開きから既に確信犯です。
桃太郎や金太郎もかぐや姫も凶悪そうだし
赤頭巾やアラジンの魔法のランプ。
ピノキオ、鼻とがりすぎ。
孫悟空(斉天大聖)は猿そのもの。
パーツとして確認できるのは
舌きりスズメと鋏。
蟹のはさみ(さるかに合戦)
差し出された手に乗ったリンゴ(白雪姫)
ひときわ目立つ脚とガラスの靴(シンデレラ)
魚の尾びれ(人魚姫)
蔦(ジャツクと豆の木)
編んだ髪の毛(ラプンツェル)
どのように料理していくのか
非常に楽しみです。
どうでもいいことですが
「3匹のこぶた」ラストシーンで
月光とヒロイン演劇部が鉢かづきと一緒に
飛ぶシーンがあるのですが
(これも、いいシーンなんですが・・・)
個人的にはやっぱり
満月に影が映っていいのは
「うしおととら」だけだと思います(偏見)。