(有)椎名大百貨店
![]() | 椎名大百貨店 (サンデーGXコミックス) (サンデーGXコミックス) (2008/05/19) 椎名 高志 商品詳細を見る |
「(有)椎名大百貨店」(感想)
(著)椎名 高志
本屋で見かけて購入。
やっぱり、「絶対可憐チルドレン」効果といったところでしょうか。
「GSホームズ極楽大作戦!!血を吸う探偵」
「パンドラ」
「THESLIPPING BEAUTY」
「蜘蛛巣姫」の4本収録。
すべて、単行本初収録とのこと。
感想としては・・・・微妙なところです。
著者の「椎名百貨店」から読んでいる人間からすると
(短編としての)切れ味は落ちたかなぁ~といったところ。
ただ、「GS美神」から「絶対可憐チルドレン」までの
一時期の低迷期(すみません)を
垣間見れるあとがきがとてもおもしろかった。
月並みではあるけれども
“ものを創造する難しさ”というのが
文章からから感じられます。
転換点と作者自ら語っている
「パンドラ」のあとがき
(前略)
「漫画家が一生の仕事ってどうよ」と迷っていました。
もういい歳なのに生活の大部分が「超能力を持った少女が」とか
妄想する毎日。
まともな社会経験まったく積んでいません。
子どもの親としてさすがにいかがなものかと・・・
でも今更取り返しつくもんでなし。
(空から降ってきた人間でない女、最高!)
みたいなアレでいいよね
もう。そんなダメ人間賛歌。
この著者のおもしろいところ・凄いところは
そこらへんの割り切りですよね。
自分を客観視、自虐ギリギリの部分で笑いに変えれるセンス。
膨大な知識に裏打ちされた小ネタとツッコミの鋭さ。
既存の少年漫画の枠を超えたキャラクターを創造しながらも
作品が崩壊しないところなどにあるとおもいます。
追記
最後で著者はこうも書きます。
漫画というモノは、どんな名作も駄作も
金になるのもならないのも、
客観的には全部等しく価値がないって気がします。
描いている本人、読んでくれた人が、
主観的に「好き」と思う事だけが
唯一意味があるっていうか。
(後略)
おそらくは
本当に漫画が好き好きで描いてきて
プロになって活躍してきた人間が
その自らの血肉と同じような漫画を
全部等しく価値がないといってしまう。
そこまでおそらく悩み、考え抜いたであろう言葉の重み。
また、だからこそ主観的に「好き」であることの意味。
色々と考えさせられました。