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夜市

夜市夜市
(2005/10/26)
恒川 光太郎

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夜市」 (感想
(著)恒川 光太郎

『夜市』『風の古道』二編収録。

大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から
「夜市にいかないか」と誘われた。

裕司に連れられて出かけた岬の森では
妖怪たちがさまざまな品物を売る
この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。

夜市では望むものが何でも手に入る。
小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は
自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。

野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが
弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。

そして今夜
弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。

感想。
いや~。なかなかです。
にこの終わり方は想像がつかないですね。

ストーリーの展開だけでなく。
読み手のイメージを喚起させる力。
異界の描写が本当に上手い。
次作にも大いに期待します。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

01 : 27 : 00 | 本感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

この恋は実らない 3巻

この恋は実らない 3 (3) (ヤングジャンプコミックス)この恋は実らない 3 (3) (ヤングジャンプコミックス)
(2007/11/19)
武富 智

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この恋は実らない 3巻」(感想
(著)武富 智

超モテ男・黒杉輝は最愛の女性・百合子の家の借金のため
“自分”を売っていた。

一方、百合子の婚約者・金雄は輝の行為を百合子に突きつけ
輝との縁を切ろうとする。

切ない再会をした輝は、これで最後と百合子に詰め寄るが・・・
2人の恋の行方は!?

・・・どういう結末にするのかと思いきや。
いや、まあ、これはこれでいいんですが。

タイトルがこれだからなぁ~と思いきや
こういうやり方(笑)もあるんですね。

テーマ:感想 - ジャンル:アニメ・コミック

08 : 00 : 00 | コミックス感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another dayThe Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day
(2007/11/26)
乙一

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The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day」 (感想
(著)乙一 (イラスト)荒木 飛呂彦

『ジョジョ』シリーズ第4部・杜王町を舞台に起こったもうひとつの事件。
構想・執筆2000日以上、鬼才・乙一が渾身のノベライズ!!

かなりのファンであるらしくJOJOの『あの』表現を
きちんと言語化し、成功しています。
広瀬康一、岸部露伴や東方仗助、虹村億秦もしっかり表現されています。

ただ、やはりこれは紛れも無い乙一作品でしょう。
独特の笑いの要素も荒木作品の敬意として表れます。

あの魔少年的な子はだれだったのだろうとか (P33)
多少ゴージャスにちかづいたような気がしなくもなかったとか (P37)
これまで食べたパンの枚数をおぼえている人間がこの世にいるだろうか。
(P53)
という風に。

それ以外にも「ドリンクバー部」のくだりや (P34~P35)
個人的には小説を書くヒロインが登場し
作者の経験に投影したような、それでいて繊細さも感じさせる描写が光ります。

趣味は【読書】とこたえるならよいが【執筆】とこたえたら
場がおかしな雰囲気になるのではないかとおもった。

ノベライズの難しいところは
既存のキャラクターに新たな価値をつけないようにする。
同じく、ノベライズオリジナルキャラクターは
既存のキャラクターとの比較が常に行われるといったところでしょうか。

そんな中で今回の(本編の主人公ともいうべき)蓮見琢馬というキャラクターは
何とかギリギリのところにいると思います。

あらゆる物事をおぼえることができ、劣化もせずに【わすれる】ことができない。

ここら辺の描写は流石です。
本当に忘れる事ができないというのは怖いことですね。

あと、スタンド戦をここまで書けるとは思っていませんでした。
あれはあくまで荒木飛呂彦という稀有な才能の持ち主にしか
生み出せないものだと思っていたので・・・
JOJOの醍醐味である策の読みあい、スタンドの能力設定にしても上手いです。
読みながら、自然に脳内ででコマ割りをしていました。

ただ・・・・この「復讐の完成形」は個人的には好きではありません。
正直言って不快です。

神様、あの母と子に慈悲を。

・・・・・う~ん。それでいいのか???

あと、読んでいていくつかの点が気になりました。
まず、ひらがなが気になりました。
前述の“こたえたら” とか“おもった”の部分です。

"漫画の連載当時”として登場人物自ら語るのはどうも・・・・
興醒めするというか。
作品世界から引き離されるというのか。

装丁や色々な部分が素晴らしいだけに。
残念です。

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03 : 30 : 56 | 本感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

回転木馬のデッド・ヒート

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)
(2004/10)
村上 春樹

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回転木馬のデッド・ヒート」 (感想
(著)村上 春樹

現代の奇妙な空間――都会。
そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それらはメリー・ゴーランド。
人はメリー・ゴーランドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。
人生に疲れた人何かに立ち向かっている人……
さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に
あなたに似た人はいませんか。

自分にとって村上春樹という作家は不思議な作家です。
高校生の時から読んではいるので、ほぼ20年近くは
読んでいる作家ではあるのですが・・・・

好きかと言われると返答に窮してしまう部分があります。
いまだに、判断・評価のしにくい作家です。

そんな中でも、好きとはっきりといえる作品が
この中に収録されている『プールサイド』です。

著者の弁を借りれば、スケッチといった趣の作品で

35歳の“彼”は、自分の人生を70歳までと規定し
人生の折り返し地点にたったと考える。
水泳選手だった彼にはそれが長いコースを泳ぎきる方法の一つだった。

最初に読んだとき、高校生の自分にとって
それは非常に魅力的に思えました。

なんともいえない巨大な空白のような
先の見えない未来というものに対しての一つの尺度として。

人生=死ぬまでの時間と規定し、折り返し地点で
自分というものを再点検する。
それがすごくシンプルで、素晴らしいものに思えました。

誰もがわからない未来に対して
人生というものに対しての取り組み方の一つとして憧れました。

ただ、人生を、再点検し
すでに多くを得てきた“彼”が
ある時、ビリー・ジョエルを聴いて涙を流します。

何かを失ったのかわからない。
何を求めればいいかわからない。

その描写が何故か胸に残ります。

他の短編もしっかりとした結末を持つ事は少なく
不思議な読後感をもたらします。

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20 : 56 : 32 | 本感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

交渉人 遠野麻衣子・最後の事件

交渉人 遠野麻衣子・最後の事件交渉人 遠野麻衣子・最後の事件
(2007/09/11)
五十嵐貴久

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交渉人 遠野麻衣子・最後の事件」 (感想
(著)五十嵐 貴久

人質は、東京。

要求は、教祖の釈放。


銀座交番、桜田門、鎌倉新宿ライナー、二階建てバス……。
都内の各所で爆弾事件が発生する。
犯人の要求は2000人の死者を出した
“宇宙真理の会地下鉄爆破テロ事件”
の首謀者・御厨徹の釈放だった。

犯人の代理人となり
警視庁との「交渉人」に指名されたのは
広報課の警部・遠野麻衣子。

限られた時間の中で、真犯人を突き止め
広い東京から爆弾を発見しなければならない。

さもなければ、未曾有の大惨事に見舞われることになる――。
交渉人と真犯人の息詰まる4日間。

それまでに犯人を見つけなければ

東京は終わりです。


メールのみの交渉手段で、東京を救う事はできるのか――?

感想。
うーん。惜しい。
何か、2時間サスペンスドラマを
そのまま文章にしたような感じがします。

具体的には第四章 混乱の部分などを
もっとしっかり書き込めば
もっと緊張感のある作品になったような気がしてなりません。

犯人との交渉もメールを介した
あくまで一方的なものであるため
交渉というスキルが十分に使われたとは思えませんし。

爆弾の設置場所の意図も無理やりといった感じが残ります・・・

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