神狩り 2 リッパー
2005/06/12 ( Sun )
![]() | 神狩り 2 リッパー (2005/03/19) 山田 正紀 商品詳細を見る |
「神狩り 2 リッパー」 (感想)
(著)山田 正紀
日本SFを代表する名作『神狩り』の続編が、前作から29年ぶりに登場。
『ミステリ・オペラ』(推理作家協会賞・本格ミステリー大賞、ダブル受賞)で
評価が高まる著者、注目の作品。
う~ん。残念。
『神狩り』の続編としては、やはり物足りない。
あの作品、あの当時の著者の持っていたはずの
作品そのものに充満していた
“飢え”や“焦燥感”
“権力や絶対者に対する反逆心、反骨心”のようなものが
29年という年月によって風化した
もしくは抜け落ちた、印象すら受けます。
『弥勒戦争』『神々の埋葬』の頃のような
人間の存在、そのものに対する否定も
薄くなってしまった感じです。
まぁ、その当時の感情を
いまだに持続させ続けることも難しいというか
無理な気はしますが・・・。
当たり前のことではあるのですが
山田正紀といった才能ですら
時代の影響や時間の経過からは
逃れることはできない。
“天使”やリッパー、クオリアetc etc・・
魅力的な素材をいっぱい持って(使って)いるのにも
かかわらず、29年前の作品の持っていた
(同じ著者であっても)何かを超える事ができない。
勝手な期待ではあるのですが
観たことがないような
壮大なところまで連れて行って欲しかった。
あとがきにも書かれていた
SFの格好良さを見せて貰いたかった。
残念です。