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アバウト・シュミット

アバウト・シュミットアバウト・シュミット
(2003/05)
ルイス ビグレー

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アバウト・シュミット」 (感想
(著)ルイス・ビグレー (訳)高橋 結花

アルバート・シュミット。年齢60歳。元弁護士。
妻には半年前に先立たれ、一人娘はロクでもない男に嫁いでしまう。
せっかく早期退職したというのに、人生をかけて築いたものは何だったんだろうか?

感想としては
「何でこれを最後まで読んでしまうのだろうか?」という気持ちが強いです。

個人的には、このアルバートというキャラクターが・・・

妻に先立たれ、娘は結婚を決めてしまう。
彼を癒してくれるのは、ウエイトレスとの会話が唯一の交流
といえば良い感じなんですが。

結構、浮気男なのでなんか興醒めというか
・・・微妙な感じです。

ただ、最後まで読んでしまうのは
どんな人間にもある(はずの)老後の孤独であったり
人生の決して綺麗ではない、不恰好なゴツゴツとした手触りのようなものを
感じさせるからかもしれません。

訳の上手さも読みやすさを助けている印象です。

映画はだいぶ評判が良いようですが・・・
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

21 : 53 : 56 | 本感想 | TB(0) | Comment(0) | UP↑

煙で描いた肖像画

煙で描いた肖像画 (創元推理文庫)煙で描いた肖像画 (創元推理文庫)
(2002/07)
ビル・S. バリンジャー

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煙で描いた肖像画」 (感想)
(著)ビル・S・バリンジャー (訳)矢口 誠

ある日、偶然に見つけた思い出の少女の写真。
彼女は今どうしているのだろうか?
そのちょっとした好奇心はいつしか憑かれたような思いに変わり
ダニーはわずかな手掛かりを追って彼女の足跡を辿り始める。
この青年の物語と交互に語られていくのは、ある悪女の物語。


もし間違った相手にうっかり秘密をもらせば、おれは死ぬことになる。
とはいっても、いったい誰がおれの話なぞ信じるだろう?
そもそも、なにもかもが意味をなさない。


というダニーの独白から物語ははじまり

第2章の“ずれ”で読者の心を一気に掴みます。

二人の軌跡は思いもつかない形を描き
そして、始めと呼応するよう緻密につくられたラストへ。

残るのはなんともいえない余韻。

本当に面白かった!!!
技巧が際立っています。
1950年代に書かれたことも含めて
素晴らしいの一言です。

個人的には、海外ミステリの中で
一番好きな作品です。

現在ではダニーの行動が悲しいかな
ストーカーだとか言われてしまうのでしょうが・・・・
(この言葉だけが独り歩きしている印象がありますが・・・)

そこまでも純粋に、そして愚かに
彼女を追っていく様が悲しい。

対する彼女も十七歳の誕生日に
「きょうから すべてが変わるんだわ」と言い聞かせ
希望の無い人生から、貧困、そして絶望から
逃れるために、
彼女は自分にあるものを差し出し
代償を得ていきます。

ただ、読み終えた後に
本当に望むものを得られたのだろうか、と考えてしまいます。

タイトルも原題の『Portrait in Smoke』
ふと表紙を見て
「なるほど」と納得する巧さです。

評判の高い同じ著者の『歯と爪』、『消された時間』よりも好きです。

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