AX(アックス)

AX(アックス)」(感想
(著)伊坂 幸太郎


最強の殺し屋は――恐妻家。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
一人息子の克巳もあきれるほどだ。
兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。

こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

『グラスホッパー』『マリアビートル』に続く、殺し屋が登場するシリーズの最新刊とのことですが




あれ?『首折り男のための協奏曲』はカウントされないのか?新潮社だからか? うーん、わからないけど。


いやー、久しぶりに伊坂作品を手に取りました。
これは『マリアビートル』が面白かったのが、きっかけといいますか。
それがなければ、多分もう一度、伊坂作品の新作を手に取ることは無かったでしょう。

さて、肝心の本の内容ですが、面白かったです。
過去の二作に登場する殺し屋たちのその後や『マリアビートル』以前の姿もわかったり
このシリーズのファンとしてはそこも純粋に楽しめます。

あとは主人公である「兜」の設定にやられたといいますか
恐妻家といいながらも、奥さんが物凄い鬼嫁とか問題のある奥さんではなく
ごくごく普通の奥さんなのが、上手い。

飲み会で帰って来た時に、お腹がすいている場合、何を夜食に買っていくか問題とか。
いかに奥さんの機嫌を損なわないように、微妙な返答。内容も含めて
(浮気とか不倫とかしていなくても)全国の妻帯者の人たちには「なるほど!」と頷くことばかりです。

そして、後半になってくると、初期作品の頃の切れ味が戻ったかのように
大きな仕掛けがしてあります。

それも楽しみかと。
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小説 言の葉の庭

言の葉の庭」(感想
(著) 新海 誠


小説版ではハードカバーの装丁(今は変わっているみたいですが)の方が好きです。

これも、またかよって、言われそうですが(笑)

記録を見たら、去年の12月に同監督の次作『君の名は』を観ています。
小学生の娘と観に行ったのですが

それまでの二人の関係(人格入れ替わりに対するドタバタも含め)面白かったのですが
ある時点で、「うーん」となってしまって、いまいち乗れなかったのです。

ただ、ラストの溜めが非常に
『秒速5センチメートル』やそしてこの『言の葉の庭』を観てきた観客の一人として
(こんどこそ、こんどこそ、頼むぞ。。。)と思ってきて、ようやく報われた。と
自然と目を赤くしていたのですが

「お父さん、何、泣いてるの?」とかなり、引いた感じの声で言われて
我に返った体たらくでした(恥)。
(もう、娘とも、映画に行くことも、あと数回が限度でしょうね)

閑話休題。

新海誠監督は映画が出来上がってから、小説を執筆しているのか。
(『君の名は』は劇場公開前に文庫を本屋さんで見かけたので、どちらかはわかりませんが
かなり、映像作品を補填するようになっています)

以前の記事でも書いていますが
それは、映像の中で描いてもらいたいという気持ちもあれば
小説という手法で、様々な語り手を登場させることによって
様々な部分を掘り下げていき、驚かされることが多々あります。

この作品の場合、一人の人間が、ささいな躓きから
人生のの陥穽ともいえる状況に陥る訳ですが
それは、非常に、著者の好きな村上春樹作品を彷彿とさせます。

村上作品では、そこから抜け出すことはとても難しく、ただ、何故かぽーんと何の脈絡もなく
抜ける、状況が変わることがあります。

この作品は村上作品の台詞等もオマージュとして入れ込みながら
人生を何とか進もうとする気力を喪いつつある女性と
たったひとつのことだけを信じて、これから人生のスタートラインに立つ少年との
交流が公園の東屋で行われます。

人生のエアポケットやシェルターのような、外部を遮断したようなそこは
彼らをそれぞれに影響を与え、
時が止まって欲しいと願うような瞬間が訪れても
そこも、他の空間と同じように時間が流れているのです。

それが、映画版のラストでも、小説版のラストでも
今までと全く違った意味を付加されるのがとても好きです。

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21 : 30 : 00 | 本感想 | TB(0) | Comment(2) | UP↑

キマイラ魔王変

キマイラ魔王変」(感想)
(著)夢枕 獏



最新作も読んだんですが
ストーリーが破綻しているような、正直、著者がストーリー自体を忘れたのかと思うほどで
とても悲しい経験をしました。

ただ、この話(魔王変)の中には、最初に読んだわくわく感と確実に
8月31日が封じ込められています。

全然、関係ない話ですが、今日、ミヤネ屋で甲斐よしひろが出ていて『安奈』を歌っていて
声がしっかり出ていて、それを聴いていたときに歌詞が
肉体の中に言葉とメロディが入っていて、思わず、口ずさみそうになりした。

そんなもののように、この作品は自分の一部になっていると思います。

もう、30年近く前に読んだ本です。
登場人物のほとんどが年下となり
当時とても、遠く感じていた登場人物の年齢にも近くなりました。

おそらく、不慮の事さえ起こらなければ、おそらく自分は8月末には
この本を読むでしょう。

出来れば著者である夢枕先生がきちんと完結させてくれることを
毎年のように祈るのでしょう。

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おまえのすべてが燃え上がる


おまえのすべてが燃え上がる」(感想
(著)竹宮 ゆゆこ

樺島信濃は、逃げていた。
誰から?
包丁を持った女から。
なぜ?
愛人であることがバレたから。
逃げて、逃げて、逃げて。

今はスポーツジムのアルバイト。
けれど、給料では生活費すら賄えず、貢がれたブランド品を売って、なんとか暮らす二十六歳の日々。
これではダメだ。わかっている。
でも。
そんなある日、弟が元恋人とやってきて…。
愛とは。家族とは。
切なさ極まる長篇小説。

お久しぶりでございます。
久しぶりの著者の新刊ですが
このレーベルでは、恋愛よりも一人の女性の転機を描いている作品が多いように感じました。

過去の作品にあった、無様だけどもどこか、カッコいい部分があった登場人物から。
ひたすらに無様。
情けなく、なんとかしたいと思いながらも同じ所をぐるぐると回っているような
ある意味、リアルな人間の状態を描いているように感じました。

そんな中で一瞬の救い、光明のようなものが あることによってもたらされる。
それが、他人の存在ではなく
自身の中、そして自身の体の中から湧き出てくるような描写にはぐっと心を動かされました。

そして、それだけで終わらずに。
そんな経験をしながらも、日常は変わらずやって来るという
あくまで普遍的な事まで、しっかり描き切っていました。

この作品は著者のベストではないかもしれません。
ただ、この独特の書き手が、次に繋がる何かを確実に手に入れつつあるのを感じさせる一作でした。

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人生論ノート

人生論ノート」(感想
(著)三木 清



最初に読んだのは、中学2年の頃だったと思う。
ちょうど、それなりに思春期で、たまたま、家に新潮文庫の100冊の中にその本はあった。
軽い気持ちで読み始めたが、まぁ、わからない(笑)

タイトルの『人生論ノート』やその薄さになんとか読めるかな?と思っていた中学生には
読んで、活字を追ってはみても、内容が自分の中でピンとくるものがなく。

全くもって初めての経験でした。

今回、読み返すきっかけになったのはNHKの『100分de名著』でした。
説明される岸見 一郎先生の語り口が、ゆったりとして一語一語選んでいる感じが好きだったので
改めて読んでみると

特に「死について」とか。今の自分の年齢になったから、すごく良くわかる。

わりと、もっと早く読んでおけば良かったと思うことが多いのですが
今回のこの本に関しては、今、読めて良かったと素直に思いました。



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