「
ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」(
感想)
(著)
ランス アームストロング (訳)
安次嶺 佳子人生は、ときに残酷だけれど
それでも人は生きる、鮮やかに。世界一の自転車選手を25歳で襲った悲劇──睾丸癌。
癌はすでに肺と脳にも転移していた。
生存率は20%以下。
長くつらい闘病生活に勝ったものの、彼はすべてを失った。
生きる意味すら忘れた彼を励ましたのは、まわりにいたすばらしい人々だった。
優秀な癌科医、看護婦、友人たち、そして母親。
生涯の伴侶とも巡り合い、再び自転車に乗ることを決意する。
彼は見事に再生した。
精子バンクに預けておいた最後の精子で、あきらめかけていた子供もできた。
そして、彼は地上でもっとも過酷な、ツール・ド・フランスで
奇跡の復活優勝を遂げる──。
マイヨ・ジョーヌ(黄色ジャージ)とは、
自転車レースで1位の選手だけが着られる栄光のジャージです。
(帯より)
内容は帯の通りなんですが・・・
とにかく、圧倒されます。
まず著者は語ります。
最初にお願いしたのだが、まず、英雄とか奇跡とかって考えは脇において欲しい。
なぜなら僕はおとぎ話の主人公ではないからだ。
ここはディズニーランドでもハリウッドでもない。(P7)
丘を「飛ぶように上る」ことなどできない。
僕にできることは
「ゆっくりと苦しみながらも ひたすらペダルをこぎ続け
あらゆる努力を惜しまず上がっていく」ことだけだ。(P8)
自分はあくまで特殊な人間=フィクションの住人ではないことを
語ろうとしているのですが。
(何度も自動車にはねられたため)
抜糸の仕方も覚えてしまった。
必要なのは爪切りと度胸だけだ。(P6)
という一文の段階で
どうしても我々とは違う存在だと思いがちなのですが
最終的に
断言していい。
癌は僕の人生で起こった最良のことだ。
と語るまでにどれだけのことが必要だったのか
この本にはしっかりと記されています。